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医療危機

  新型コロナウイルス感染症に限らず、肺炎への対応は一刻を争うので、医療現場では張り詰めた緊張感が漂っているそうです。自分自身の感染の恐怖と戦いながら、献身的に治療に専念する医師や看護師らのお蔭で、コロナによる重症入院患者は減りつつあります。各国に比べて死者数が少ないのも、医療従事者のレベルの高さによるものでしょう。

  ところが、医療従事者たちの奮闘努力が報われていません。日本病院会などが実施した4~6月の病院経営に関する調査によると、回答があった約1400の病院の6割以上が赤字でした。とりわけ、コロナ感染患者を受け入れた全国の約450病院は、各月とも8割以上が赤字でした。その結果、コロナ対応病院の23%が夏のボーナスを減額しました。

  コロナ治療に積極的に取り組む病院ほど、通常診療の縮小を余儀なくされ収益が悪化する傾向にあります。そのしわ寄せが事もあろうに、最前線でコロナと闘っている医療従事者の人件費に及んでいます。命懸けの闘いに「ファイトマネー」が出ないのでは、心が折れてしまうでしょう。

  一生懸命がんばっている病院ほど経営が苦しくなるという矛盾を解消するのは、国会の役割です。新型コロナ感染者を受け入れた病院の昨年度比の減収分を、公費で全額補てんする「医療版持続化給付金」のような制度が必要だと思います。

  新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行する可能性が大きい、秋から冬にかけての備えも急務です。コロナ感染の拡大と症状の似たインフルエンザの猛威が重なれば、病院はパニックに陥るでしょう。その混乱を回避するには、極力多くの方が早い時期からインフルエンザの予防接種を受けておくことが不可欠です。

  ここ数年インフルエンザワクチンが足りない状況が続いていますが、今年は輸入も含めてワクチンの安定供給体制を早急に構築しなければなりません。65歳以上については法律に基づく定期予防接種ですので、多くの自治体で何らかの助成を行っており、全額無料というところもあります。問題は65歳以下です。全世代に助成を行い、インフルエンザの予防接種率を上げて患者を抑制し、医療現場の負担を軽減し医療崩壊を防ぐべきでしょう。

  医療支援も秋冬対策も時間との勝負です。野党は臨時国会を速やかに開くよう求めていますが、お盆が明けても国会召集の気配がありません。安倍総理は事実上巣ごもり状態にあり、コロナ対策で指導力を発揮することも説明責任を果たすこともしていません。

  次の総選挙の最大の争点は、安倍政権のコロナ禍への対応です。国民の命、健康、暮らしが脅かされている時だからこそ、投票率の10%アップを実現したいものです。民主主義を守る闘いにご賛同いただけるならば、裏面の署名簿にご記入の上、ご返信いただきますようお願い申し上げます。

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