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ケニアで4月から続く都市封鎖。アフリカ全土、アフリカゾウとサイの“密猟”急増

ケニア、マサイマラ保護区(※1)で小型飛行機を自ら操縦し、ゾウ密猟対策活動や野生動物の保護に奔走する滝田さん。しかし、今年3月にコロナ感染者が出て、ケニアでは都市封鎖と帰宅令が出されたという。

※1 ケニア南西部の国立保護区。タンザニア側のセレンゲティ国立公園と生態系を一にする

都市封鎖、夜間外出禁止令
ナイロビ出たい人、警察と衝突

 3月12日にケニアで初めて確認された新型コロナウイルス患者は、米国帰りの27歳のケニア人女性だった。その1週間後にケニア全土の学校が閉鎖され、現在7月になっても再開はされていない。

 3月25日には国際線の旅客機の離発着が停止され、ケニアは封鎖されてしまった。イタリアと米国ニューヨーク州でコロナウイルスが何千人もの死者を出した4月初旬、ケニア航空は同所在住のケニア人に対してレスキュー便を出した。その結果、ケニア航空のベテランパイロットが亡くなって大騒ぎになり、その数日後の4月6日にナイロビ、キリフィ、モンバサ、クワレの4郡のすべての人間の出入りが禁止される21日間の都市封鎖が行われた。さらに5月16日には、6月6日まで都市封鎖が延長された。

Tracy Angus-Hammond / Pixabay

 それ以外にもケニア全土で、夕方7時から午前5時まで21日間の夜間外出禁止令が出た。初日は午後4時に禁止令が出され、当日の7時から始まったので市民は帰宅困難に陥り、警察に殴られて死者が数名出た。その後、4郡の都市封鎖、ケニア全土の夜間外出禁止令は7月6日まで延長された(7月1日時点)。6月末までには毎日300人近い陽性患者が出ていて、7月6日の都市封鎖と帰宅令が解除される見込みもあまりなさそうである(7月1日現在は一部解除)。

 私自身も3月にマサイマラを出て1週間後に戻る予定だったのが、ナイロビの都市封鎖とエアスペース(領空)封鎖のおかげで、7月になってもマサイマラに戻れない状態が続いている。現実問題、一体いつになったら大統領が都市封鎖を解除するのか誰もわからないので、ケニア全土の人間が何の予定を立てることもできない暮らしをしている。

 6月6日の時点で封鎖解除されると信じ込んでいたケニア人は、大統領が封鎖をまたさらに30日間延期すると聞き、唖然とした。多くの人たちが職を失った上に都市封鎖のおかげで田舎に戻れなくなり、その日はみんながバス停で荷物を抱えて帰郷する準備も万端だったのに、大統領のスピーチをラジオで聞いたから不憫である。30日延期の後にはスラムで暴動が起こるかと思ったが、みんなにあきらめの気持ちがある上に、食べ物が十分でなく体力がないのか暴れる人もほとんどいなかった。職がなく、都内で家賃も食費もまともに払えず、帰郷しようとしてナイロビを内緒で脱出しようと、警察と衝突する人たちが大勢いた。

観光客激減で公園費が減少
不足する野生動物の保護費用

 そして、野生動物公園と保護区にとっても、新型コロナの影響はとてつもなく大きかった。保護活動費が、観光客が直接支払う公園費(入場料)で賄われているからだ。

南アフリカのアドー国立公園で、アフリカゾウの親子   Photo:山脇愛理

 2008年の大統領選挙後の暴動で観光客が激減した時よりも状況はひどく、国がすべての国際線を封鎖したため観光客が今後いつ復活するかの見込みもなく、ものの2週間でケニア内のすべての観光業は壊滅的な状況に陥った。全ホテルが閉鎖しスタッフを実家に戻した中、(マサイマラ保護区の)マラコンサーバンシーは最低限のセキュリティスタッフを残して、現場で密猟対策パトロールを続けている。ホテルはお客がいないのを理由に閉鎖できるが、密猟パトロールは密猟者がいるかぎり、続けなければならない。

象牙探知犬のゲージとハンドラーのロバート   Photo:山脇愛理

 新型コロナのおかげで手薄になったパトロールのせいで、アフリカ全土でアフリカゾウとサイの密猟が急激に増えてしまっている。マラコンサーバンシーは、コロナパンデミックの最中、密猟対策パトロールを続ける資金を集めている。ぜひ日本からも、一人でも多くの人に彼らが野生動物の命を守るために協力してくれたらうれしい。寄付はマラコンサーバンシーのホームページで受け付けています。 (滝田明日香)

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