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全国民熱狂! 半沢4話の超絶「土下座ワールド」を半沢川直子が面白ノリツッコミ

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全国民が熱狂した半沢第4話を人気アナリストが斬る!

本記事では、ドラマ「半沢直樹」第4回の放送をドラマライター半沢川直子(正体は金融アナリストの馬渕磨理子氏)がリポートしていく。

※本記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

握手を交わすビジネスパーソン
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

暑い。暑い。夏の暑さの中、日本中が「半沢直樹」に沸いている。

連続ドラマ『半沢直樹』(TBS系、日曜午後9時)は、池井戸潤の小説「半沢直樹」シリーズが原作。2013年に放送された前シリーズは『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』を映像化。シリーズの最終回視聴率は42.2%をたたき出すお化けドラマと成長した。

今回の7年ぶりとなる続編シリーズは、『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』を実写化。スタート当初から高視聴率をたたき出し、1話は22.0%、2話は22.1%、3話は23.2%と4週連続で20%超の大台をキープしている。

8月9日に放送された第4話(視聴率22.9%)では、IT企業の買収話を巡る、銀行とその子会社の証券会社の攻防が完結した。

なんといっても最大のクライマックスは、主役の半沢(堺雅人)と、前シリーズで屈辱的な土下座姿が話題となった宿敵・大和田(香川照之)が、まさかの共闘関係を結んだシーンだろう。

これは後程触れるとして、金融アナリストとして、親会社・子会社関係なく、自分の仕事にプライドを持って突き進む半沢の姿に胸が熱くなった。ロスジェネ世代だけでなく、日本のサラリーマンすべての魂が熱く震えたはずだ。

この対立構造、まさに現在のニッポンの姿を表している!

これまでのあらすじはこうだ。半沢の出向先であるセントラル証券に、IT企業・電脳雑技集団(以下、電脳)によるベンチャー企業・スパイラルの大型買収案件が飛び込むも、アドバイザリー契約を電脳側から突然解除。その背後には、セントラル証券の親会社・東京中央銀行の私利私欲にまみれた指図があった。これを知った半沢はスパイラルと契約。東京中央銀行に戦いを挑み、勝利する。しかし、このままではメンツがつぶれる東京中央銀行は、三笠副頭取(古田新太)の後押しによって、スパイラル株を買収するために電脳への500億円もの追加融資を強引に進めようとしていた。

私利私欲にまみれた、電脳と東京中央銀行はズブズブの関係だ。それに対抗するのは日本の将来を担う若きベンチャー企業と、セントラル証券の半沢。この対比はまさに、今の日本を表しているではないか!

窮地に立たされた半沢だが、電脳が粉飾決算を隠蔽(いんぺい)していたことを突き止め、500億円融資をギリギリのところでストップした。東京中央銀行を救った立役者として、半沢は本店への復帰を果たした。

スパイラルの買収は、ライブドアのニッポン放送買収やん

さて、ここからは少々、金融業界の人間として感じたこと思ったことなどを紹介していきたい。作中では電脳がスパイラルの株を30%取得し、敵対的買収を仕掛けた。これは、2005年に「ライブドア」が「ニッポン放送」の株式を35%保有し大株主となり敵対的買収を仕掛けた実話を基にしているようにも見える。このライブドア事件を懐かしく思い出しながら見ている視聴者も多かったようだ。

また、取引の前に、東京中央銀行の三笠副頭取がスパイラル株を保有する創業メンバーにプレミアムを付けた価格を提示していたが、現実世界では、時間外取引だと市場株価に7%のプレミアムしか付けられなく、投資家側からすると正直そこまでおいしくない。ドラマなので仕方がないが、金融関係者としてはツッコミたい部分だ。

その後、ドラマでは、スパイラルがフォックスと手を組み、その支援表明の発表記者会見に登場した「スティーブ・ジョブズ」と「ビル・ゲイツ」を足して2で割ったような、マイクロデバイス社のジョン・ハワード氏が3億ドルの出資をしてくれると宣言。金融・スタートアップに所属している人間からすれば、ジョブズが日本のベンチャー企業に投資することはとても現実的とは言えず、またそこの詳しい経緯も描かれていないことから、ここも「ドラマっぽさ」を感じた。

ここも突っ込みたい!「ストップ高」の概念がない半沢ワールド

マイクロデバイスの発表後、スパイラルの株価は急上昇したが、ここもリアルな株式相場では即ストップ高となる。じりじりと大引けにかけて、段階的に株価が上昇していったが、実際の相場では、そのような値動きにはならない。株価は、一日に変動する値幅が一定の範囲内になるように制限値幅が決められていて、このようなニュースが出た場合は、一瞬で一日の値幅に達するだろう。そうすると、その値段で動かなくなり、その日は取引できない状態になる。

現実だったら、「ストップ高、張り付きだ!(株価が動かなくなること)」と叫びたくなる場面だが、じりじり上昇していくドラマの展開に筆者も吸い込まれてしまい、固唾を飲みながら画面を見てしまった。

したたかなコバンザメ・伊佐山が大和田に向けて「土下座野郎」

今回のシーズンでも新たな名シーンがいくつも誕生している。ご紹介しよう。

メガバンクである東京中央銀行では、日々醜い権力闘争が繰り広げられ「腐った組織」と言える。自分がのし上がるためなら、恩を仇で返すのは日常茶飯事。自分だけになつき、かわいがっていた愛弟子すら、ある日を境に敵になる。

このような内向きで醜い姿を、ドラマ半沢直樹名物の「土下座ワールド」でスピーディーに展開していく。

三笠を倒し、銀行内の権力を手に入れるために、裏で手を組んでいた常務の大和田と、その忠実な愛弟子・伊佐山。しかし、伊佐山は自分だけの出世をもくろみ役員達に近づき、大和田を裏切る。ここで師弟関係が崩壊する。

「いずれ頭取になると信じて仕えてきたのに、むしろ自分を裏切ったのは大和田だ」と、伊佐山は憎しみをあらわにする。

「あんたのした土下座のせいで。くだらん土下座のせいで! 土下座、土下座が全てを潰したんだ」と土下座を連呼して師匠大和田に牙をむく。

「つまらん(大和田)の土下座のせいでどれだけ泥水を飲まされたか」

まさに土下座ワールドの大展開。伊佐山は大和田を追い詰め、仕留めにかかったのだ。悲しいかな、伊佐山は始めから、大和田の仕事ぶりや人間性にほれ込んで、慕っていたわけじゃない。全ては出世のためだった。感謝も恩返しもない。

あげくのはてに「土下座野郎」という屈辱的な言葉を大和田に浴びせ、去っていった。

伊佐山とともに、三笠をハメるつもりが、愛弟子に裏切られた大和田は膝から床に崩れ落ちた。金融アナリストとしても、その姿には、同情すら感じる。

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