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  • 東龍
  • 2020年08月13日 08:17

コロナ禍における飲食店のテイクアウトやデリバリー礼賛に対する大きな違和感の理由

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飲食店の経営にはテイクアウトが必要

2020年7月30日に東京都の小池百合子都知事が、酒類を飲食店とカラオケ店に対して、8月3日から31日まで営業時間を22時までにするようにと要請しました。協力に応じた事業者に対しては20万円を支給すると述べています。

緊急事態宣言の時期に、飲食店は非常に厳しい状況に立たされました。しかしそれは、緊急事態宣言が解除されてからも同様です。

大手飲食店予約サービス「TableCheck」によれば、営業自粛中に新しく始めたサービスのトップが37.9%のテイクアウトであり、その次が17.4%のデリバリー、5.4%のEC(通販)と続きます。営業自粛が解除された後も、7割近くが新サービスを継続していくということです。

この数字からもわかるのは、飲食店は店内飲食だけではやっていくことができず、テイクアウトを併用していかなければならないということです。

テイクアウトは救世主ではない

実際に有名無名を問わず、ミシュランガイドで星を獲得しているしていないに関係なく、多くの飲食店がテイクアウトやデリバリーを行っています。

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これまでにも、コロナ禍における飲食店の状況について記事を書いてきましたが、やはりまだその苦しい現状が伝わっていないように思います。

なぜならば、いまだにテイクアウトやデリバリーといった手段が何よりの特効薬であり、飲食店の救世主のように扱われているからです。

実際にテイクアウトやデリバリーを併用していかなければ経営していけませんが、それさえ行っていれば飲食店は大丈夫というように報道されています。

しかし、この認識は現状とはかなり変わっており、そのことを知ってもらわなければなりません。

売上をカバーできない

大前提として、いくらテイクアウトやデリバリーが好調であったとしても、それだけでは飲食店を救うことができません。

なぜならば、飲食店はテイクアウトやデリバリー専門店として設計されておらず、これで利益を上げて経営していくことが難しいからです。

飲食店は、その時間にその場所にいてこその価値を提供するために、全てが設計されています。大きな空間を有し、店のコンセプトや料理のイメージに合わせて内装が施されており、最大席数となった時でもオペレーションが回るだけの調理スタッフやサービススタッフを雇っています。

家賃や人件費といった固定費は、あくまでも店内で食べ飲みした時に利益がでるように計算されているのです。同じ家賃と人件費で、店内飲食よりもずっと単価の低いテイクアウトやデリバリーを行っていても、あまり利益がでるようにはなっていません。

コロナ禍の特例で、酒類もテイクアウトが期限付きで可能となっています。しかし、解放的な気分となり、ペアリングもできる店内飲食より、テイクアウトの方がアルコールの売上を伸ばすことは難しいでしょう。

飲食店はただでさえ営業利益率が低く、10%もあれば優良です。テイクアウトやデリバリーでは容器や包装も必要になり、デリバリーではデリバリーを運営するプラットフォームに対して35%程度の手数料が発生します。

テイクアウトやデリバリーは、あくまでも減ってしまった売上を少しでも埋めるための補完的かつ一時的な役割しか担っていません。ましてや、激安価格で販売している飲食店を成功モデルとして取り上げることは全く反対です。

テイクアウトやデリバリーが好調であれば、飲食店がこれから先も経営していけるといったニュアンスで報道することは、多くの人に誤った認識を植え付けるのではないかと危惧しています。

手間がかかる

テイクアウトやデリバリーを並行して行っても、飲食店はこれまでの売上をカバーできないだけではありません。

飲食店は、持ち帰りや配達を主とする飲食サービスではないので、通常の店内飲食に加えて、テイクアウトやデリバリーに対応することは、余計に手間がかかることを意味しているのです。

店内で食べられるのであれば、料理の状態を把握できますが、テイクアウトやデリバリーでは、どういった状況や状態で食べられるのかわかりません。

したがって、これまで以上に、食中毒に気をつける必要があります。菌が生き残らないようにしっかりと火を通したり、菌が増えないように温度を管理したりと、店内飲食よりもずっと神経を使うことでしょう。

店内飲食のメニューとテイクアウトやデリバリーのメニューは全く同じではありません。別のメニューともなれば、つくらなければならないメニュー数が増えるので余計に負担が増します。たとえ同じメニューであったとしても、単価の高さや皿と容器の違いによって、つくり分ける必要があるでしょう。

テイクアウトやデリバリーを行うことによって、これまで以上に手間がかかり、スタッフに負担がかかることは認識されなければなりません。

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