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「沖縄は夏が“鬼門”」感染者急増で医療機関にも緊張、島ならではの難しさも…県専門家会議メンバーの医師に聞く



 今月1日時点で10万人当たりの1週間の新規感染者数が全国ワースト1位となった沖縄。11日の『ABEMA Prime』では、沖縄県の専門家会議メンバーでもある高山義浩医師に最新の状況について話を聞いた。

・【映像】地元医師に聞く「小さな島なので病床は限られ、本土のように融通が利かない」

■「沖縄は夏が“鬼門”」…県内での感染防止は密室が鍵か



 感染の広がりについて高山医師は「米軍基地でのクラスターの話やGo To トラベルの影響もあるとは思う。ただ、感染者が増える要因は一つではないし、ウイルスは持ち込まれただけでは広がらない。広がる要因が必要だ。観光客の方々がホテルに滞在し、ビーチで遊び、また飛行機で帰っていくというような単純な旅行の仕方であれば、私たちもそれほど恐れてはいない。むしろ市中の居酒屋に行き、地元の人との交流が起きるような場合にはリスクがあるということだ。また、沖縄は夏が“鬼門”で、インフルエンザも夏に流行する。2009年の新型インフルエンザ流行も、全国に先駆けて8月に沖縄で流行が起きた。やはりいち早く暑くなり、エアコンを付け閉め切った環境で生活をするようになったことも背景にあると思う。思い返せば、4月頃は北海道での流行が大きかった。あの時は気が付かなかったが、やはり北海道では外が寒かったので、部屋を閉め切っていたからだと思う」と話す。

 その上で「1日に100人を超える時期もあったが、11日は64人と、指数関数的に増える状態から少し鈍化してきている。疫学的に言えば、R(実効再生産数)も1を下回りつつあるかもしれない。その一方、高齢者施設や病院でのクラスターが出始めている。私たちが“最終防衛ライン”と考えていたところが突破されつつあるので、重症者が増えていくことが考えられる。大事なのは市民の間で感染を広げない協力が不可欠だということだ」とした。



そこで県では1日から独自の緊急事態宣言を出しており、歓楽街を念頭に業種や地域を限定した営業時間短縮・休業要請も行っている。

 「県境をがっつり閉じて欲しいと思っている県民の皆さんもいらっしゃれば、観光事業者を中心に、生き抜くために少しでも観光客を受け入れたいという人たちもいる。そこはやはり政治判断だし、感染症の専門家としては最善の感染対策を提案していくしかない。緊急事態宣言については、なるべく早く出して欲しいということで専門家会議でも議論になっていた。知事も観光への影響など考慮しながら悩んでおられたが、それでも比較的迅速に判断していただけたと思う。今回の効果が出るのは14、15日くらいになると思う」。

■「若い人や接触歴のない人は待ってほしい」…検査体制の逼迫も



 また、県医師会では那覇市の歓楽街・松山地区で働く人達を対象にPCR検査を実施、その結果が公表された。

 「“予約なしで受けられますよ”呼びかけたところ、20~30代の方を中心に2076人が受けに来た。男性の陽性者は年代が散らばって、女性は20代が突出して多かったのはいかにも歓楽街の結果だが、合計86人だったということについては、“意外に少ない”という印象を持った。歓楽街全体で爆発的な流行が起きているというわけではなく、一部の店に感染者が集中しているということだ。おそらく歌舞伎町でやったら、もっと大きな数字が出たと思う。それでも検査を受けに来てくれたのは“意識が高い系”の人たちが多かったと思うので、一旦この地域全体をロックダウンし、落ち着くまで2週間じっとして下さいということをお願いした。組合の方々もしっかり応えて下さっている。ありがたいと思っている」。

 一方、県民に対する検査については「これだけ患者数、濃厚接触者が増えてきているので順番待ちが発生している。高齢者、基礎疾患ある人の検査が遅れがちになってきている。検体を本土に送るとなると、結果が出るまでに1週間くらいかかってしまう。県内の検査で完結させることを考えると、つらいところだ。今、沖縄県内にある研究機関や民間の検査機関を拡充するなどしているので、ここは申し訳ないが、若い人や接触歴のない人については待っていただきたい」と訴えた。

■「本土からの“応援部隊”要請も」…高まる医療機関の緊張



 検査体制だけでなく、医療体制面の不安も抱える。「医療機関が大変な状況になってきている。中等症・重症者が増えてきているので、ICUもだんだんいっぱいになってきている。首都圏のように埼玉県がいっぱいになったから、東京都へ移すというようなことも難しい。ここでも自己完結しなければならないというプレッシャーがある。離島の医療リソースはさらにさらに脆弱な部分があるので、例えば旅行者を受け入れないといった判断や、高齢者をあまり島外に出さないようにするといった戦略もありえると思う。また、人工呼吸器の台数自体はなんとかなるが、医療従事者が足りなくなってくる。場合によっては本土の方から応援部隊が必要になるので、そのための議論を厚生労働省ともしている」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

▶映像:地元医師に聞く「小さな島なので病床は限られ、本土のように融通が利かない」

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