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「乳首にシールを貼られた」声優志望の少女が証言 わいせつ容疑で逮捕されたガイナックス社長 ”悪夢の11時間グラビア撮影”

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裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火です。今回、傍聴したのはアニメ制作会社「ガイナックス」の社長・巻智博被告人(50)が声優志望の10代女性の上半身を撮影、体を触るなどしたとして、準強制わいせつ容疑で逮捕された事件です。

事件とは別の話ですが、この報道を受けて抗議をしているのが『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』などで知られる庵野秀明が代表を務める株式会社カラー。ガイナックスの創立メンバーが独立して誕生した会社のため『新世紀エヴァンゲリオン』の権利を持っています。

今回の事件で「ガイナックスがエヴァンゲリオンを作った」と報道されたことに「エヴァンゲリオンを作ったアニメ会社はうち(カラー)なんですけど」と主張しています。要するに「エヴァ制作会社の社長逮捕」という世間の注目を集めるだけのニュースの立て方に疑問を呈しているんですね。1行で伝えようとするネットニュースの弊害かも知れません。

細かな点を話し始めるとキリがないですが、ガイナックスはエヴァンゲリオンに関連する権利でもカラーから訴えられていて、ガイナックスの経営状態が厳しいという現実があるようです。

初公判は5月26日。起訴は2件で、1つ目は2019年2月6日、7日。足立区にある被告人の自宅で、声優志望のAさん(18)に「声優になるには上半身裸の写真撮影が必要だよ」と信じ込ませた上に「僕は写真のプロだから任せて」などと発言。「むくみやすいタイプなのかな」といってマッサージをして陰部付近を触った容疑です。

2つ目の起訴は2019年2月14日、15日。被告人の自宅でAさんに対し「体のラインを見よう。バストトップの位置が大事だから」と言って写真を撮影。乳首に丸形のシールを貼り写真撮影を行った件です。

被告人は罪状認否に対して、「私はAさんに対してわいせつな行為をしようと思っていませんし、わいせつ行為もしておりません」と容疑を否認。弁護人も被告人の無罪を主張しています。

検察官の冒頭陳述によると、被告人は大学を卒業後ゲーム会社に就職して2018年6月に株式会社ガイナックスの代表に就任。2人が知り合ったきっかけは、仲介人を通じて別のプロダクションにいたAさんを紹介されたことでした。

元々芸能活動をしていたAさんは被告人がガイナックス内に声優部門を設立するという話を聞き、2019年1月にガイナックスへ移籍しました。その際、声優になるにはホームページを作成して、宣伝のために写真が必要だと説明。女子寮と呼ばれる被告人の自宅で撮影を行いました。

衣服を着た写真だけでなく、露出の多い衣装も用意し、色々なパターンで撮影しています。傍聴していて特に気になったのがAさんの乳首に丸いシールを貼って撮影したという供述。検察官によれば、被告人が「これは私の考えた独自の方法だから誰にも言わないで」とAさんに口止めをしていたそうです。

一方、弁護人の主張です。無罪を主張しているため弁護人も冒頭陳述を行いました。弁護人によると、被告人は大学で写真とデザインを学び、社会に出てからはゲームや音楽に携わる仕事をしていたとのこと。女優や声優のプロデュースを頼まれることもあったそうです。相手の魅力を引き出すのがうまいため、被告人を師と仰いでいる人もいたらしいです。わいせつ行為の有無はともかくAさん以外にも同様の撮影を行っていた様子も伺えます。

弁護人曰く、2018年9月、Aさんは初めて被告人に会った際「声優は人気職業なのでそう簡単にはなれないよ」と言われたと。Aさんは声優になるための専門学校や養成所には通っていませんでした。

ガイナックスに所属する前、Aさんは地下アイドルの活動をしていたそうです。被告人はプロデューサーの視点から「それならグラビアなど他の仕事も増やすことでファンを拡大して声優にたどり着いた方がいいのではないか」と考えたそうです。Aさんも「グラビアとかで前には出たくないけど、分かりました」と答えています。

撮影は起訴された2回以外も行われていて、2月6日、2月14日の撮影はスムーズに終了。体を触ったのもむくみを取るためのマッサージということでAさんも了承していたそうです。撮影もAさんの了解を取りながら行っていました。

ベリーダンスの衣装やスクール水着で…


その後、Aさんはガイナックスに所属し仕事をするようになりましたが、5ヶ月後、代理人から通知書が届いて被告人はびっくり。被告人としては「嫌がってなかったじゃん」と。ここまでが弁護人の冒頭陳述になります。

裁判官は争点について「わいせつ行為を行ったか否か」だと話し、次回はAさんと証人Bさんを呼びましょうということになりました。BさんはAさんの母親です。

証人尋問の日程を決めて、初公判はこれで閉廷でした。

そして2月28 日の第2回公判。Aさんの証人尋問が行われました。性犯罪の裁判などで被害者が証人として出廷する時は、被告人や傍聴席から姿が見えないように証言台の周りについたてを置くのが一般的なパターン。でも今回は別室にいるAさんと中継で繋ぐビデオリンク方式が採用されていたので、Aさんの姿はこの法廷にはありませんでした。スピーカーからAさんの声だけが聞こえるというスタイルです。その声がいわゆるアニメ声で、可愛らしい感じ。声優を目指していたというのを裏付ける声だなぁという印象を受けました。

まずは検察官からの質問です。

検察官「撮影の時、どんな被害がありましたか?」
Aさん「声優になるための宣材写真と言われて薄着で撮影されたり、マッサージのためと言われて体を触られたり、シールを乳首に貼られたりしました」

乳首のシールについては、被告人が貼ったのかAさんが自ら貼ったのか双方の意見が割れている部分です。

検察官「被告人の事務所で会うことになってどんな会話をしましたか?」
Aさん「挨拶で『声優を目指しています』と伝えました。すると事務所の社員と被告人が話をしていて『カゲロウプロジェクト』の話が出てきました」

『カゲロウプロジェクト』は、音楽家・小説家の顔を持つじん氏が発表した楽曲から小説、漫画と展開しているマルチメディアプロジェクトです。「エヴァンゲリオンの制作会社の社長だよ」と言って女の子を誘っていたみたいな報道でしたが、実際は『カゲロウプロジェクト』でした。エヴァのエの字もないです。そういう意味でも株式会社カラーの抗議はすごく納得です。ホントにエヴァ関係ありません。

検察官「その後、どこで会いましたか?」
Aさん「女子寮で会いました」

女子寮というのは、元々Aさんが住んでいた部屋を「女子寮」と呼んでいたようです。

検察官「どんな場所でしたか?」
Aさん「女の子が夢を目指しているところです」
検察官「撮影の時は誰かいましたか?」
Aさん「被告人と2人です」
検察官「初めて会った時はどんな話をしましたか?」
Aさん「将来どういう感じで売り出していくか…という話をしました。そこでホームページ用の宣材写真が必要だよと。写真がないと『カゲロウプロジェクト』に出るチャンスもないよと」

Aさんは「撮影はニガテ」と話していましたが被告人から「たくさん撮られて慣れることで自分のポーズを見つけることができるし、他人から綺麗に見られる方法も覚えるよ」と言われたようです。被告人目線でいえば、あくまでレクチャーやプロデュースをしているだけです。ただAさんは「脱ぐような仕事はしたくないです」と被告人に話していました。

Aさん「すぐありました」
検察官「その時はどんな印象でした?」
Aさん「お腹が見えるベリーダンスの衣装。あとスクール水着。『自分の体のラインを知ることで服を着た時に綺麗になれるよ』と言われました」

このあとAさんは『カゲロウプロジェクト』のミーティングに参加しています。ミーティングには被告人はもちろん、『カゲロウプロジェクト』の原作者もいたためAさんは舞い上がり「やっぱり巻さん(被告人)はすごい人だ」と感じたそうです。被告人も「君のおかげで今回の話はうまくいきそうだ」と伝えていました。

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