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【モール】、空洞スペースをアマゾンの物流センターへ?コンサルタントは変化応援団だ!

■不動産調査会社レイス社が発表した直近のモール空室率は昨年の第4四半期(10月〜12月期)だった。第4四半期のモール空室率は前期から0.3ポイント上昇し、前年同期の9.1%から0.6ポイントも上昇し、9.7%となった。

アマゾンエフェクトによりリーマンショック直後より悪い結果となっていた。しかしこれはパンデミック以前の話だ。全米77都市のショッピングセンターをモニターしているレイスは今年に入ってモール空室率を発表していない。

だが新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くのデパートメントストアや大手チェーンストアが破たんし大量閉店に踏み切っている。モールの空洞化が記録的に悪化していることは想像に難しくない。

集客の要となっていた核テナントのデパートメントストアの倒産はモール側にとって頭の痛い問題だ。シアーズにJCペニー、ニーマンマーカス、メイシーズ、ノードストロームまで破たんや大量閉店を起こしている。デパートがモールから撤退していることで複数階をまたぎ10万平方フィート(約3,000坪)以上の売り場がモールで空白になっているのだ。

 アメリカ国内に204ヶ所のモールを展開するサイモン・プロパティ・グループがアマゾンとモールの空白スペースをアマゾンのフルフィルメントセンターに転換する方向で協議しているとウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えた。

事情に詳しい複数の関係者の話として伝えたところによると、シアーズやJCペニーの跡地を小型フルフィルメントセンターもしくはアマゾンが開発する食品スーパーにするというのだ。

アマゾンにとってショッピングモールは地域拠点から配送先までの「ラストワンマイル」の輸送を迅速化できる理想的な立地だ。郊外に向かって市街地が拡大するスプロール化によって1970年〜1980年にモールは各地に作られた。

広い敷地を有するモールは郊外の住宅街に隣接し、フリーウェイのアクセスもいい。電気や水道から従業員用の駐車場までアマゾンの受注配送センターに必要なインフラも整っている。

実際にアマゾンはオハイオ州クリーブランド郊外にあったランドール・パーク・モール(Randall Park Mall)とユークリッド・スクエア・モール(Euclid Square Mall)を巨大な物流施設に変換した事例もある。

ユークリッド・スクエア・モールは85万平方フィート(約2.4万坪)の物流倉庫という実績だ。アマゾンにとってショッピングモールは大好物になっている。

一方、アマゾン・フルフィルメントセンターの誘致はサイモン・プロパティには厳しい選択だ。シアーズやJCペニーだった真空地帯にアマゾン物流施設を入れるとモール側の賃貸料を得ることにはなる。全くなにもないより物流スタッフが働きにくるので食事等、僅かながらもモールにお金を落としてくれる。

しかしモールに入っているテナント側は慰めになるどころか怒り心頭だ。核テナントが物流センターではモールテナントにとって集客が見込めない上に配送がスピーディになるネット通販大手にお客を奪われてしまう。高い賃料を払ってまでモール出店する意味がなくなる。

つまりアマゾンの物流センターを核となる優良スペースに誘致することで、物販テナントは大量撤退・大量閉店に追い込まれてしまうのだ。残っているのはアマゾンと飲食テナントでは商業施設として維持できなくなる。

 モール側は厳しい結果になる大きな変化を受け入れるのか、時間を稼ぐもズルズルと廃墟モール化するのか、難しい選択なのだ。

トップ画像:真空となったモールの優良スペースにアマゾン・フルフィルメントセンターを誘致すれば、モールテナントにとって集客が見込めない上に配送がスピーディになるアマゾンにお客を奪われてしまう。アマゾンの物流センターをモールの核となる優良スペースに誘致することで、物販テナントはますます大量撤退・大量閉店に追い込まれてしまうのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。自戒を込めて書きますが「コンサルタントは評論家」とよく批判されます。自分たちは何も責任を負わずアレやれ!コレやれ!行動しろ!変化しろ!と言うだけだから。小売業界などが突きつけられている変化とは単に新しいことをやる小手先の変化ではありません。自分が長年やってきたことを否定しなければならないコトです。自己を全否定しなければならないのです。

変化とは生粋の阪神ファンが巨人ファンになること、もしくはその逆。それぐらいの覚悟が求められる変化は、思わず立ち尽くし塞ぎこんでしまうことです。自分のことだけでなく、信じてくれている家族や仲間を裏切り、時には路頭に迷わすことにもなることです。変化とは周囲が猛反対すること。仮に「新しいことにチャレンジしましょう」というコンサルに「おめぇは何やった?」と返せば「私達は変化応援団」など巧い逃げ口上が常。「基本」「原理原則」「凡事徹底」の目くらましワードで変化に対して自己棚上げです。だから「評論家」...もう一度、自戒をこめて。

 アドバイスする張本人も変化するのは難しいことだから、成功する絶好の機会がそこにあるのです。

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