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10代の藤井棋聖から40代の木村王位まで 将棋界大集結オールジェネレーション!

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今、この記事を書いているのは8月8日土曜日、豊島将之名人と渡辺明二冠による第78期名人戦第5局2日目が行われている朝です。

ギリギリ17歳でタイトル獲得 藤井棋聖の凄さ

共同通信社

6月4日、最年少タイトル挑戦記録を更新し、第91期ヒューリック杯棋聖戦の挑戦者になった藤井聡太七段。対するは、将棋界に8つあるタイトルのうち3つを保持、さらに将棋界の最高峰「名人戦」の挑戦者にもなった渡辺明棋聖でした。

名人と同格のタイトル「竜王」9連覇という前人未到の記録を持つ渡辺明棋聖。2019年度から今年にかけての渡辺棋聖は、2017年度の不調を乗り越え、何度目かの「絶頂期」を迎えた感がありました。

これ以上ないシチュエーションで迎えたシリーズを3勝1敗で制したのは藤井新棋聖。18歳の誕生日3日前。もちろん、こちらも最年少記録です。

これまでのタイトル最年少獲得記録は屋敷伸之九段が持つ「18歳6か月」でした。もし、第4局で敗れていた場合、18歳で第5局(7/21)に臨むことになり、そこで奪取した場合は「18歳と2日」でタイトル獲得でした。同じ最年少獲得記録でも、「17歳」で獲得か「18歳」で獲得かで印象が変わる中で、「誕生日3日前」「ギリギリ17歳」のうちにタイトルを獲得したことは、今後作り上げていく伝説の序章には、ふさわしい出来事でした。

将棋にもある「引き分け」の妙

名人戦で渡辺明二冠の挑戦を受けている豊島将之竜王・名人は永瀬拓矢二冠の持つ「叡王」というタイトルに挑戦中。第6局の時点で「2勝2敗2持将棋(1千日手)」。持将棋は、ざっくり言うと「引き分け」。

お互いの玉将が、相手の陣内に入って、詰む(=身動きが取れなくなる)見込みのない場合、玉を除き飛車・角行を各5点、その他の駒を各1点として計算し、両者とも24点以上あれば引き分けとする…というルール。24点ないほうは負けとなるため、持将棋成立の直前まで、普段の「玉を追い詰める」という本来の戦いとは全く異なる駒取り合戦が繰り広げられます。

また、「千日手」とは、4回同じ局面が現れた時点で成立するルール。お互いが「この手だ!」と譲れない時に出現します。この「千日手」は、永瀬叡王の得意(!?)とするところで、将棋ファンが盛り上がるポイントのひとつ。

私はその時、「もう1回、もう1回~」とMr.Childrenの「HANABI」を口ずさんでしまいます。

叡王戦は七番勝負。先に4勝したほうがシリーズを制します。

いったんプロ野球の話。1975年、阪急ブレーブスが日本シリーズで初優勝した際、4勝2引き分けという成績を残していますが、1950年から行われている日本シリーズで「2引き分け」が記録されているのはこの時だけ。

それと比べ「天候による試合中止」はドーム球場のない時代にしばしば存在し、「中止によって流れが変わった」というシリーズも存在します。

(もっとも有名なのは1958年の西鉄ライオンズ『3連敗からの4連勝』『神様 仏様 稲尾様』)

また「千日手」は「持将棋」と比べると出現しやすい傾向にあるので、叡王戦の現状は、プロ野球の日本シリーズでたとえるなら、

「2勝2敗2引き分け 降雨によるノーゲーム1」

といったところでしょうか。

このように「2勝2敗2持将棋(1千日手)」は「他ジャンルの歴史ある七番勝負」と比べても、ほとんど例のないことが重なった事象であることがわかります。

もし、フルセットに持ち込まれたら少なくともあと3局戦うことになるので「永瀬-豊島の十番勝負」となるわけですが、「同じタイトル戦で10回戦った」というのは過去に存在してしまうのが将棋界のすごいところ。

1982年、第40期名人戦。この年は第1局が持将棋、第6局と第8局がそれぞれ千日手指し直しとなり、通算10局目「第8局指し直し局」までもつれ込む「実質十番勝負」の死闘となりました。

その時の名人は中原誠十六世名人。

そして挑戦者は…

加藤一二三九段。あの”ひふみん”でした。

BLOGOS編集部

名人戦初挑戦から22年、加藤一二三九段はこの激闘を制し、42歳にしてはじめて名人位を獲得しました。将棋界の歴史のどこにでも顔を出す、”ひふみん”のすさまじさを感じるエピソードのひとつです。

また、コロナ禍で今期の名人戦は日程と対局場が変更されたことで「将棋会館」で第3局、第5局が行われましたが、これはその「中原-加藤」戦以来、38年ぶりのこと。想定外の「第8局」を将棋会館で行って以来のことでした。

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