記事

10億円の使い道

 大阪府で過去最多のコロナ感染者数が確認される中、大阪市会では来週から約10億円の税金を投じての(大阪市廃止分割の是非を問う)住民投票の補正予算を含めた審議が行われる。7月31日に大都市制度(特別区設置)協議会において、特別区設置協定書が大阪府知事・大阪市長に手交されたことを受けて、大阪府議会・大阪市会で協定書の審議が行われることは大都市法[大都市地域における特別区の設置に関する法律]に基づく流れである。

 しかし、日本社会のみならず世界的なコロナ禍の渦中にあり、コロナ対策とは異なる不急の補正予算案が上程されることに違和感がある。

 もし、この10億円が捻出できるのであれば、今この時に、もっと他に有効な活用の仕方があるのではないかと多くの方々が感じるのではないだろうか。



 実は、同様の話は日本全体が緊急事態宣言下にある5月にも湧き上がっている。大阪市は、他の自治体として比較して、格段に多い財政調整基金を持っている。財政調整基金は、【自治体が財源不足や緊急の支出が生じた場合に備えて「貯金」として積み立てる。】自治体(市民)が持つ貯金であり、コロナ禍のような緊急時にこそ適正に活用すべきものである。
 東京都では9割を超える財政調整基金を取り崩したという報道もあったが、大阪市においては、その活用は5割にも満たない。時点によって算出される数字が異なるが、今でも1000億円を超える基金が潤沢に残っている。

 無駄使いをすべきと言っているわけではない。
 しかしながら、他の自治体の事例を見ても明らかに大阪市はコロナ対策としての個人・事業者に対する独自支援が手厚いとは言えない。

◎他の政令市では、国の制度を待たずして事業者に対する家賃支援を実施している。
◎府内の他の自治体では、売上減が50%未満の事業者にも支援金を給付している。
◎府内の他の自治体では、国の制度とは別に子育て層への支援などをうっている。



 大阪市会における補正予算議案が可決されたとするならば、今年11月1日にも住民投票が実施される費用約10億円について考えてみたい。

○10億円を住民投票に使うなら、(8月6日~20日の間)大阪ミナミの一部エリアに休業要請をしている事業者に対しての補償の上乗せをすべきではないだろうか。

○10億円を住民投票に使うなら、感染者数が増加する中で医療現場や感染者対応を充実させる必要があるのではないだろうか。

○10億円を住民投票に使うなら、夏休みが短くなった子ども達に特別な思い出になる(3密対策をした)イベント開催する方が有意義ではないだろうか。

○10億円を住民投票に使うなら、ジワジワと4月5月の緊急事態宣言の影響で苦しむ市民の生活再建に努めるべきではないだろうか。

○10億円を住民投票に使うなら、今ではなく、「大阪都構想」について正しく深い理解が頂ける環境がある時に実施するのが効果的ではないだろうか。

 大阪市民の税金10億円を使って、大阪市民を対象とする住民投票実施のための10億円ではあるが、多くの方々に自身の住むエリアについて「今、10億円を使うなら」と考えてみて頂きたい。

あわせて読みたい

「大阪市」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    入店拒否めぐる堀江氏SNSに疑問

    かさこ

  2. 2

    いつか撮られる…瀬戸大也の評価

    文春オンライン

  3. 3

    枕営業NGが…少女に欲情し犯罪へ

    阿曽山大噴火

  4. 4

    菅政権攻勢 石破氏に出番あるか

    早川忠孝

  5. 5

    「TENET」は観客に不親切な映画

    fujipon

  6. 6

    元TOKIO山口氏 異例の家宅捜索

    渡邉裕二

  7. 7

    山尾氏が比例1位 新立民へ配慮か

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  8. 8

    日本は中国の覇権主義に向き合え

    赤池 まさあき

  9. 9

    Amazonの防犯用ドローンは問題作

    後藤文俊

  10. 10

    JRの安全を脅かす強引な人事異動

    田中龍作

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。