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「稲葉氏、大久保氏の主張に対する有志一同の見解の詳細」について:国立ハンセン病資料館不当解雇問題


「稲葉氏、大久保氏の主張に対する有志一同の見解の詳細」について(国公一般の見解)

 2020(令和2)年7月3日頃より、国立ハンセン病資料館(以下、資料館)の「有志一同」を称する数名の職員から関係各所に送られた「(別添)稲葉氏、大久保氏の主張に対する有志一同の見解の詳細」(以下「有志一同の文書」)に対する、国家公務員一般労働組合(以下「国公一般」)の見解は以下のとおりです。

 資料館の「有志一同」は、「元職員らを支える組合は、客観的な裏付けのない元職員による悪意と虚偽に満ちた主張を盲目的に信じて拡散させ、組合員ではない職員、元語り部への名誉棄損ならびに税金で運営されているハンセン病資料館への業務妨害を行っている」と主張しています。

 しかし、後述するように「有志一同の文書」こそ事実の歪曲であり、虚偽の内容でつくられているものです。

 国公一般は、二人の組合員に対する不当解雇の撤回と、二人を学芸員として資料館に復帰させることを求めているものであり、このような労働組合の正当な活動に対して「業務妨害」であるなどと攻撃することは、労働組合を敵視し、排除する以外の何物でもないことを指摘しておきます。

「有志一同の文書」では、例えば稲葉さんが激高して糾弾しY事務局長を退職に追い込んだとする件についてですが、当時労働者代表だった稲葉さんが、職員たちの不満(今回の有志一同に名を連ねている者も含む)を集約して改善を申し入れただけであり、辞職を求めたものではありません。

 このように事実を都合良く歪曲してつくられた「有志一同の文書」については、その一つひとつすべてに反論することができます。

 しかし、国公一般は、本年5月8日に東京都労働委員会(以下、都労委)に対して、今回の不当解雇に関して不当労働行為の救済を申し立てており、目下審理中であるため、必要以上の反論は差し控えたいと思います。

「有志一同の文書」の目的は、稲葉さんと大久保さんが職場を追われて当然の人間であると広く印象づけ、不当解雇撤回を求める私たちの運動とその支援者を切り崩すことが狙いです。

 ご支援をいただいている皆様におかれましては、この「有志一同の文書」に惑わされることなく、「稲葉さんと大久保さんを学芸員として国立ハンセン病資料館に戻せ」の運動への引き続きのご支援をお願いいたします。

 また、私たちの運動を支援したがために、すでに何らかの被害を受けられた方々がいらっしゃることには、心が痛むと同時に怒りを覚えます。誹謗中傷の相手をせず、ご自身を守る行動を取ってください。

「有志一同の文書」は、全国のハンセン病療養所入所者自治会、署名の賛同人、ハンセン病市民学会関係者、国賠訴訟弁護団の弁護士、国会議員など、確認できただけでも約30カ所に及ぶ広範囲にわたってばらまかれています。

 資料館「有志一同」は、稲葉さんと大久保さんが多くの方々との間に長い時間をかけて培ってきた信頼関係を、虚偽の事実の流布をもって破壊しようとしています。

 資料館での学芸員の仕事は、ハンセン病患者・回復者の人生を扱います。自分の人生ではありません。きっかけは資料館での仕事だったとしても、顔や人柄がわかる人間同士として、生涯に渡ってつきあっていくものと考えます。

 稲葉さんと大久保さんは、このような考えのもと、資料館で働きハンセン病回復者との関わりを築いてきましたが、その関わりを日本財団と笹川保健財団は不当解雇によって物理的に奪いました。

 資料館の「有志一同」は、それに加えて、稲葉さんと大久保さんとハンセン病回復者との信頼関係までも奪おうとしているのです。

 文書の内容は在職年数等から「有志一同」の5人だけでは知り得ないものも含まれており、資料館の重要な管理職らが作成に関わっていることが推測されます。

 それが事実だとすれば、いざという時に法的責任を免れるために、上司の指示に逆らえない一般職員のみを実行者に仕立てて「有志一同の文書」を流布するというやり方は、卑劣なものだと言わなければなりません。

 いずれにしても、「有志一同の文書」自体が、国立ハンセン病資料館内で組織的な排除やハラスメントが行われてきたことを証明するものになっています。人権を扱う資料館において、このような人を貶める行為は決してあってはなりません。

 現在、管理運営を受託している笹川保健財団には、自らが雇用する国立ハンセン病資料館の職員らが行っているこうした誹謗中傷・名誉棄損行為をやめさせる責任があります。

 稲葉さんと大久保さんを「不採用」にした理由も明かさないまま、「有志一同」がまき散らす文書を好都合と考え利用しているのなら、国立ハンセン病資料館を管理運営する資格はないと言わざるを得ません。

 また、国立ハンセン病資料館を所管する厚生労働省は、受託団体のもとで行われているこのような人権侵害行為について、受託団体を強く指導することが求められます。これは人権尊重を根源とする国立ハンセン病資料館で起きた、重大な不祥事です。

 それにもかかわらず、これまでと同様に何も対処しない、あるいは実効性のない指導しか行わないとすれば、それは人権侵害行為に同調し、これを黙認しているのと同じであり、厚労省自身の責任も問われることになることを指摘しておきます。

2020年8月6日
国家公務員一般労働組合
同 国立ハンセン病資料館分会

▼ネット署名にご協力ください。

国立ハンセン病資料館で発生した不当解雇の撤回をもとめています。 不当解雇を撤回し、2人の学芸員を資料館に戻してください!

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