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不況を生き抜くモリタク流経済学

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わかっているようでわかっていない経済の問題を経済アナリストの森永卓郎さんが、わかりやすく私たちの身近な話題に置き換えて伝える番組、森永卓郎のBLOGOS経済塾。

2011年10月19日にスタートしたこの番組も、今回が最終回。そこで今回は、これまで放送した全12回の内容をクイズを交えながら振り返る1時間。感動(?)のエンディングに飛び出したのは、低迷する日本経済を再生させるためのアイデアでした。

レギュラーの小口アナウンサーが体調不良のため、急遽ラジオNIKKEIなどで活躍している、山本郁アナウンサーが代打で登場。最終回でいきなり登板となりましたが・・・

■今さら聞けない円高とTPP

山本:第1回目のテーマは「どうしてこんなに円高なの?」でした。去年10月に放送しましたが、未だに円高の波はおさまりそうにありませんよね。さて、この時お話した内容の1つが“どうして今、日本が円高なの?”でした。

森永:これは、日銀があんまり金を出さないからですよ。本気でやれば、円安にすぐ持って行けるわけですよね。でも、それは避けたいっていうのが、大きな問題です。

今日のニュースで、パフォーマンスだったんですけど“円の供給を10兆円増やしますよ”と言っただけで、ほんのちょっとですけど、円安方向へ向かっています。だから、これをドンドンやれば大丈夫なんです。

山本:円高は、得なのか、損なのかっていう話もしましたね。

森永:これは立場によって違います。「海外旅行に行って、安く買い物できるわ」って人もいますけど、そうじゃない人もいます。

山本:じゃあ、ここでなかまったーに問題です!円高による日本へのデメリットはなんでしょう?

仲俣: えー!?輸出に不利?…当たりですか?

森永:まぁ、1つで、オッケーにしましょう!

山本:他にはどんなデメリットが?

森永:円高になると、色々損する人がいるんです。例えば、外貨預金をしている人。ドルで預金している人は、円が高くなると、ドルが安くなるので、預けているお金が安くなって、損をするっていうのもあります。あんまり極端な円高になると、外国から観光客が来なくなるってこともあります。

山本:続いてのテーマに参りましょう!2回目のテーマは「TPPが分かりません」でした。

仲俣:TPP!!すごい昔って感じがしちゃう。昔、すごい一気に話題になったのに、最近は聞きませんよね。

山本:確かに、最近は聞かなくなりましたが…ここでなかまったーに問題です!

仲俣:早いですね!!

山本:TPPの正式名称を、日本語と英語で答えなさい。

仲俣:これは大丈夫!予習してきましたから。「Trans-Pacific Partnership」と「環太平洋戦略的経済連携協定」

森永:読んでましたけど、正解です!でも、TPPってなんのことかわかりますか?

仲俣:これは、太平洋を囲んでいる9カ国が協力して、物とか人が移動する時にかかる関税をなくす?

森永:人が移動する時に関税はかからないんですけど、人や物やサービスの移動を原則自由にしていきましょう…っていう協定です。ただ、色々な意見があるんですけども、実際問題として、その9カ国のうち、GDPの7割がアメリカで、2割が日本なんです。だから9割ぐらいは日米の問題なので、日米間で人・物・金などの移動を自由にする。あるいは、競争環境を一緒にする。ルールを共通化しましょうってことなんです。しかし、現実はアメリカのほうが強いですね。アメリカのルールに、日本は合わせるっていうことになるだろうなと思います。

昔、日系合同協議っていうのがあったんですけど、その時、アメリカが水面下で「最大の構造障壁は日本語だ」と迫ってきて「お前ら、英語しゃべれ」って言われたんですけど、そんなところまで合わせられたらたまったもんじゃないので。

山本:TPPの現状はどうなっているんですか?

森永:今は、交渉参加っていうのを正式決定せずに、ブラブラしている状態です。今回行われた自民党総裁選挙の各候補者は、交渉参加には基本的に反対だったんです。自民党でも反対しているようなことを、民主党の野田さん、前原さんのグループは賛成している。

だから、かつて、どちらかと言うと、タカ派だった自民党が、今一番ハト派になって。それよりも、もっと右側にしろというすごい状況になっていて、かつての平和主義・平等主義という人たちがどっかに消えてしまったという世の中になってしまった。ちょっと怖いなという気がしますけどね。これがどうなるかはよくわかりませんけど、私はやらないほうがいいと思います。

■2015年には、家計の負担が30万円増える

山本:さて、続いてのテーマに移りましょう!「冬のボーナスの賢い使い方」!

仲俣:私、ここからレギュラーで参加させて頂くことになったんですよ。

山本:そうですね!なかまったーはこの回からレギュラーメンバーに入ったんですよね。その中で話していた話題が「そもそもボーナスとはなにか?」

森永:世界という視点でみた時、日本みたいなボーナスを出している国って、多分ほとんどないと思いますね。アメリカにもボーナスはあるんですけど“13ヶ月目の給料”と言われていて、額も1ヶ月分ぐらいしか出ません。だから、日本みたいに、3ヶ月という短期で出るという国は、世界ではないんじゃないかと思います。

ただ、最近はドンドン減ってきて、ボーナスが無い会社も随分増えている。これが“グローバル化”という説もあるんです。

山本:あと、「モリタク流賢いお年玉の使い方」っていうのもやりましたね。

森永:今はですね、小さな金をコツコツ貯めて、株が大暴落した時に、一気に勝負っていうのが一番いいと思っているんですけど。まだ高いです。

山本:じゃあ、投資のチャンスを見計らってということですが…ここで問題です!投資のチャンスが2014年の秋である理由はなんでしょうか?

仲俣:消費税が増税されるから?

森永:素晴らしいですね~。正解です。

山本:2014年以降が投資のチャンスだという理由を伺ってもいいですか?

森永:実は今、家計の負担がドンドン増えているんですね。今年の6月から年少扶養控除の廃止で負担が増えたわけですよ。子供が2人いる世帯だと、年間6万6000円ぐらい負担が増えるんです。さらに、今年の9月から電気代があがりましたよね。それから、厚生年金の保険料、来年の春から健康保険料が上がります。これはどちらも3年間、毎年あがっていきます。そのうえ、来年の1月から復興増税がはじまるわけです。こういった負担増を全部入れると、消費税が10%になる2015年10月までに、消費税負担とほぼ同額のその他の負担がかかってきます。

私が計算すると、年収500万円で、子供が2人いる世帯で、消費税の負担増が14万4000円ぐらいなんですけれども、実はその他の負担増も14万3000円ぐらいあるんです。つまり、これを合わせると、28万7000円ぐらいになって、ほぼ30万円近い負担増がくるんです。

これはですね、ちょうど橋本龍太郎内閣が2007年に消費税を3%から5%に引き上げて、特別減税を廃止して、医療費の本人負担を2割から3割に引き上げた時の負担増。これが9兆円だったんですけど、その3倍のインパクトがあります。

仲俣:3倍!

森永:橋本内閣の時も、あの増税で日本経済は15年に渡るデフレに陥ったわけですが、その3倍のインパクトですから、これは半端じゃない衝撃がくるんです。政権がどう変わるかにもよりますけど、私はこれが時限爆弾だと思っています。自民党が政権を取ると、思い切った日本の国土強靭化対策で、10年で200兆円の投資をする。1年で20兆円。これは大きいんです。なんでかというと、今、公共事業予算は5兆です。これに20兆加えると言っているわけですから、相当なインパクトになるので、そうすると、経済が復活に向かう可能性もないことはないと思います。

そこで金融政策がどうなるかっていうことなんですけれども、自民党が公共投資をドーンと打って、財政政策をして、私が日銀総裁になって、お金をバーンとバラまくと一気に経済が回復する流れになっているわけです。

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