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敵基地攻撃能力 自民の提言と首相の狙い

自民党は、7月31日、新たなミサイル防衛に関する政府への提言案を了承し、昨日4日、安倍首相に手渡しました。提言のポイントは、

〇憲法の範囲内で国際法を順守しつつ、専守防衛の考えの下、相手領域内で弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有を含め抑止力を向上させる新たな取り組みが必要

〇事実上廃止された地上配備型迎撃システム計画の代替機能を確保すべく、早急に検討して具体案を示すべき

〇日米の基本的役割分担は維持。同盟全体の抑止力・対処力向上へ米国と緊密に協議

〇情報収集・警戒監視・偵察の能力強化

というものです。
「敵基地攻撃能力」ということばは使っていませんが、専守防衛という日本の安全保障政策の大きな転換につながりかねない内容、と報じられています。

安倍首相は、「国民の命と平和を守りぬく」と表明し、記者団に「提言を受け止めて、新しい方向性を打ち出し、速やかに実行していく考えだ」と述べました。

政府は、同日、国家安全保障会議(NSC)を官邸で開催し、弾道ミサイルへの対応の在り方を巡る議論を本格化させ、9月中に方向性を示す、とのこと。

専守防衛から逸脱するという懸念が深まる中、自民党はわずか約1ヶ月で首相への提言を策定しました。来年9月までの党総裁任期の中で、成果を上げたい首相に自民党が追従した、とされています。

攻撃能力の保有に積極的な小野寺元防衛相が座長を務め、肯定派の有識者からのみ意見を聞いたということで、結論ありきだったことは間違いないと思います。

攻撃能力の活用には、

〇相手の発射拠点の正確な把握
〇防空能力を無力化して制空権を確保
〇発射拠点の破壊
〇効果の評価と再攻撃

が必要になり、現在の自衛隊の装備では不可能で、膨大な費用を投じなければならない、ということです。判断を誤って攻撃すれば、国際法が禁じる先制攻撃にあたる危うさもあります。軍備拡大に偏った主張が強まっていることに危惧を抱きます。

公明党や世論の動き次第、ともいわれていますが、専守防衛を逸脱する在り方は、憲法に反します。臨時国会開会の要求も無視する安倍政権で、議論がないまま進められることは納得できません。多くの人が、注視し、声をあげる必要があると思います。

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