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米エネルギー省、ABCC・放影研、ICRP 国際的原子力ムラ=核マフィアが放射線「安全」基準を作った

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(福島第一原発事故当初から、航空機を飛ばすなどして調査していた米エネルギー省)

 

 日本人がちっとも避難できないでいた2011年3月17日、在日米大使館は早くも日本に滞在する米国市民に対し、放射能漏れ事故が起きた福島第1原発の半径80キロ圏内から避難するか、安全に避難できない場合には屋内に退避するよう勧告しています。

 事故後1週間のこのとき、日本政府は福島原発から20キロ以内に避難指示、20~30キロに屋内退避指示を出しているのみでした。

 米国政府が避難勧告を出した半径80キロ圏内は福島県の猪苗代湖以東のほぼ全域に当たり、福島市、郡山市、いわき市などが含まれています。

 米国市民だけが正しい情報を得て、被ばくを最小限にすることができたのです。

 この判断は、米原子力規制委員会(NRC)やエネルギー省などが、日本政府の発表情報や独自に収集した科学・技術情報について検討し、米国内に同様の状況が発生した場合に適用されるガイドラインに基づいて出したのだそうです。

福島原発 被曝問題2 半径80キロ以内の米市民にアメリカ政府が避難勧告 イギリスは東京以北避難検討勧告 [画像をブログで見る][画像をブログで見る]

航空機を用いた米国エネルギー省の空間線量率の測定結果

 

 

 その、福島原発事故での放射線被害を一番よく知っているはずの米エネルギー省が、日本の原発ゼロを阻止すべく、久しぶりに表舞台に出てきました。

 曲がりなりにも、野田民主党政権が2030年代に原発ゼロという方針を出そうとしていた2012年8月に、米戦略国際問題研究所が第3次アーミテージ・リポートを発表し、商業用原子炉での日米協力の推進を強調しました。そして、同研究所のジョン・ハムレ所長は9月12日、日本経済新聞(13日付)に「原子力は日本の担うべき責務」とする論文を寄稿し、

「国家安全保障上の観点からも、日本は『原子力国家』であり続ける必要がある」

と原発維持を迫りました。日本での権益を失ってはならじとアメリカの核マフィアが連動して動きだしたわけで、これと前後して、9月11日、民主党の前原誠司政調会長と会談した米エネルギー省のポネマン副長官は、

「このような措置を実際に取れば、意図せざる影響もありうる」

「原発ゼロを目指すことを決めた場合の負の影響をなるべく最小化してほしい」

と要請したというのです。アメリカ政府の代弁者である前原氏が、スピーカーになりそのことを公言しました。前原氏によると、同副長官は原発ゼロ戦略の推進にあたっては「柔軟性」を残すよう求め、日米間でさらに意見交換していきたいとの考えを示したとのことです。こんな前原氏が次期野田政権では国家戦略相で原子力行政担当!になったのですが、まさにアメリカべったりの核戦略をうちだしてくれることでしょう。

 このようなアメリカからの圧力と日本の財界からの圧力で、野田政権の2030年代原発ゼロは吹っ飛びました。

エネルギー戦略「原発ゼロ」は政府方針なのに閣議決定見送りとはこれいかに?!馬脚を現した野田政権

 

 そもそも、米エネルギー省は、年間2兆円の予算を使って、アメリカのエネルギー保障と核兵器による安全保障を担当する官庁であり、その役割は核兵器の製造と管理、原子力技術の開発、エネルギー源の安定確保、及びこれらに関連した先端技術の開発を行なっています。エネルギー省とは名ばかりで、実質的にはひたすら「核」ばかり扱う機関なのです。

 ところで、日本では「核」と「原子力」を違うものであるかのように用語を使い分けていますが、英語では同じNUCLEARです。そして、「使える核兵器」などと称して戦術核兵器だの中性子爆弾だのを開発しているのがエネルギー省なら、悪名高い劣化ウラン弾の劣化ウランを供給しているのもここです。

 つまり、核兵器を非人道的な国際法違反の兵器としないための機関、放射線の影響を極力矮小化するための総本山が、アメリカのエネルギー省なのです。それはそうでしょう、核兵器と原発が人類と共存できないということが明らかになったら、エネルギー省も核マフィアの巨大な利権も泡と消える運命なのですから。

 そして、このエネルギー省が日本の厚生労働省と共同出資しているのが、日本の財団法人放射線影響研究所(放影研)です。放影研の前身は調査ばかりして被爆者を一切治療しなかったアメリカ占領軍が作ったABCC(原爆傷害調査委員会)という研究機関です。つまり、もともとアメリカがつくったもので、今でも半分はアメリカエネルギー省が出資です。未だに実質的にはアメリカの核マフィアに逆らえない組織なのです。

 そんな放影研が客観的な調査ができるわけもなく、たとえば、原爆投下直後に放射性物質を含む「黒い雨」が、1万3千人もの人に降り注いだことを示す分布地図が、放影研により隠蔽されていたことも明らかになっています。この記録を隠すことで、放射性降下物による低線量被曝や内部被曝の影響を過小評価することが可能になったのです。

NHKスペシャル 「黒い雨~活かされなかった被爆者調査~」(再放送14日午前0:50)を是非見てください!

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 さらに、この放射線影響研究所のデータをもとにつくられたのがICRP(国際放射線防護委員会)の放射線安全基準です。

 しかし、ICRPは各国政府からの寄付で運営されており、ICRPは国際などと頭についているので国連の機関であるかのように権威づけられていますが、国連の機関でも何でもない、単なるNGOです。そして、低線量被曝の基準を緩和した当時のICRPの委員17人のうち13人が、各国の原発・核兵器関係者で原子力推進派です。

 下の番組で、チャールズ・マインホールドICRP名誉委員は

「原発・各施設への配慮があった。労働者の基準を甘くしてほしいという要望があった」

「施設の安全コスト莫大になるので引き上げに抵抗」ので低線量のリスクを半分にした上に、さらに労働者の基準を20%引き下げたが、その科学的な根拠はなかった」

と述べています。また、そんなICRPの中でも、低線量被ばくの見直しを求める意見が相次いでいることも明らかになります。

原発推進派が大慌て! ICRPの基準に科学的根拠なし NHK「低線量被ばく 揺れる国際基準」の衝撃!!

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