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「10日後の予測もできていない」お盆の帰省をめぐる混乱を受け野党議員が厳しく追及

共同通信社

新型コロナウイルスが全国的に感染拡大傾向にある中、政府は7月22日に観光を促進する支援策「Go Toキャンペーン」をスタートした。一方でお盆を目前に控え、県をまたいだ移動をともなう帰省に関して菅義偉官房長官と西村康稔経済再生担当相の見解が割れていると話題になっている。

政府内がバラバラ?菅長官は「矛盾ない」

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お盆中の帰省をめぐっては、まず西村大臣が8月2日の会見で「慎重に考えないといけないのではないか」と触れた。

菅長官は翌3日に会見を行い、この発言を受けて「一律に控えてほしいと言っているわけではない」と説明した。

しかしこの後、西村大臣も同日の会見で、家族で旅行に行くことと「おじいちゃん、おばあちゃんと会う」ことは事情が異なるとして注意が必要だと呼びかけ、混乱を招いていた。

菅長官は4日の会見で西村大臣と発言がバラバラになっていることについて指摘されると、政府内で矛盾はないと明言。西村大臣の会見においても、「県をまたぐ移動について国として一律に控えてくださいと言っているわけではない」と明確な発言があったとして自粛を求めない方針で一致しているという見解を示した。

質問者:お盆の帰省についてなんですけど、長官はこれまでに一律に帰省を控えてと言っているわけではないとお話しされてきました。一方で西村大臣はおじいちゃん、おばあちゃんと過ごすとなると事情は変わってくるとして懸念を示されています。

多くの場合帰省ではおじいちゃん、おばあちゃんと過ごす機会が増えるわけですけれども、これは政府内での説明が矛盾しているということはないですか?

菅長官:これは(矛盾が)ないと思っています。

西村大臣も昨日の会見で、県をまたぐ移動について国として一律に控えてほしいという風に言っているわけではないと明確に発言しています。

質問者:お盆が迫っているわけですけども、帰省について政府として何らかの方針を示す考えはありますか?

菅長官:今度行われる分科会の中で、どうしたことを守っていくべきか、そうしたことの意見、専門家のご意見を伺う中で、必要なことを発表されるだろうと、審議されるだろうと思います。

原口議員「10日後の予測もできていないということ」

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4日午前に行われた「感染実態解明 野党合同ヒアリング」でも、お盆中の帰省について野党議員が厚労省担当者を追及する場面がみられた。

厚労省感染対策推進本部の担当者も菅長官と同様、一律にお盆の帰省を制限するというスタンスではないという認識を示している。

これに対し国民民主党の原口一博議員は帰省を考える国民はすでに旅行の予約等をしているはずだと指摘し、今後方針を改めることがあればキャンセル料が発生することを懸念。規制はないと断言できない現状は「10日後も予測していないということ」だとして、政府に苦言を呈した。

厚労省:(西村大臣の発言は)県をまたぐ移動について、一律に控えてほしいという風に言っているものではないということ、お盆の帰省を制限するとかしないとかの方向性を申し上げたものではないと。高齢者に感染が広がる可能性もあるので、お盆の帰省に関する注意事項について専門家のご意見を伺いたいという旨のご発言があったと理解しています。

7月31日の分科会においては、専門家の先生方から感染急増を防ぐためにソーシャルディスタンスの徹底とかメリハリのきいた接触機会の提言、リスクに応じて、ターゲットに応じた明確なメッセージで接触機会を減らす意味での行動を促すということが重要だというような提言をされたと承知している。

感染防止という点で、専門家の先生方のご意見を踏まえますと、国民のみなさま方に対してのメッセージとしては、引き続き3密の回避、手洗い、手指消毒、マスクの着用、身体的距離の確保、密にならないように適切な換気、そういったことをお願いしていきたいというのがスタンス。

感染状況を注意深くみないといけないというのはもちろんであります。

地域における公衆衛生対策の要である保健所で色んな調査が行われる体制の整備とか、沖縄で積極的にPCR検査をやるというような検査体制についての強化、そういったことに加えて、医療体制ということで感染が確認された方のホテル療養のためのホテル確保、医療、入院施設の確保。

そういったことも総合的に我々としては対応していきたいと思っています。

原口議員:(官僚の)みなさんはお金持ちでいつでも予約できると思うんですけど、(国民の)みなさんはもう予約されていると思うんです。帰省するのにね。お盆が12日だとしてもあと1週間ちょっとですよね。また安倍内閣の得意技で直前に「帰省します」と言えばさらにキャンセル料が発生しますよね。8月4日の時点でお盆の帰省について特段規制するものでないと、こういうことでいいんですか?

厚労省:私の立場で申し上げると、ご指摘あった西村大臣のスタンス、一律にお盆の帰省を規制するというスタンスではないと承知しています。

原口議員:感染状況をみて止めるかも分からないということではなくて、今の時点で規制することはないと言いきれますか?

厚労省:あくまでも現時点の…

原口議員:でしょ?

安倍内閣の特色は10日後も予測していないということですよ。
だから基本再生産数が何かと、R0が何かというのも大事だし、データをきちっと出して、予測をしましょうよと。予測もしないで行き当たりばったりやると、国民が一番被害を受けますからね。

厚労省:ご指摘のところはその通りだと思います。

政府のスタンスとしては感染拡大防止、感染予防と社会経済的な両立をいかに、両立させていくか、その取り組みを行っていく中で、現状において感染状況がまた変わってくるということは当然あるんですから。そういった中で方針を強めるとか、そういったことは当初からやんなきゃいけないというそういうスタンスであるというのは間違いないです。

原口議員:もうこれでやめますけどね。

今のこの状況をみると感染拡大地域、東京、大阪、名古屋、その他ですね。そこからの移動は一定以上制限をお考えいただいた方がいいと思いますけどね。

「帰省はしていいんですね?」

写真AC

また立憲民主党の黒岩宇洋議員の「帰省はしていいんですね?」という質問に対し、厚労省の担当者は「そうです」と回答。これを受けて黒岩議員は以下のように語っている。

「菅さんみたいに観光業界を盛り上げようという人が言うのと、感染症対策に大変敏感な厚労省が言うのでは違うんで、これを聞いた国民は大変安心して大いに帰省すると思いますよ。

このことによって感染が拡大したら厚労省は大変大きな責任だということはご認識いただきたい」

政府は週内に開かれる分科会で専門家の意見を聞くとしている。制限の有無にかかわらず、混乱のお盆シーズンとなりそうだ。

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