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- 2012年10月01日 06:00
アフリカ投資を加速する豊田通商
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日本企業がアフリカに進出する件数は、まだまだ少ない。新聞が取り上げる件数は、月に平均4、5回程度である[1]。内容をみても、テスト的なものであったり、ODAを利用したものが多い。しかし、本格的に投資する企業が現れた。豊田通商だ。
今回のブログ記事では、最初に南スーダンで産出する石油を輸出するための新規のパイプラインに関するニュースを取り上げ、以下の3点を説明し、最後に若干のコメントを付け加えることとしたい。
(1) Kenya Vision 2030 と LAPSSET
(2) ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想
(3) アフリカに本格的に投資する豊田通商
【 ニュース 】
【 解説 】
1.Kenya Vision 2030 と LAPSSET
ビジョン2030とは、ケニア政府が2006年に発表した2030年を見据えた長期戦略である。「Kenya Vision 2030」というホームページで、ケニアをどのような国にしたいか、という国民の『夢』を列挙している。[3]
・権利と自由が保障され、民主主義が機能する国
・食料に困らず、働く場所がある国
・道路が整備されており、商売に支障がない国
・多くの観光客が訪れて、観光の仕事がある国
・経済を発展させて、より多くのケニア人が働ける国
・訓練された教師が子供達を教育し、潜在能力を引き出してくれる国
・全ての国民が設備の整った病院で、資格のある医者から診療を受けられる国
・他国から技術的助言を求められる国
それらの夢を実現するため、100のプロジェクトを実行することで、経済・社会・政治を変革していこうとしている。(表1参照)
(1)経済:2030年まで毎年10%のGDP年平均成長率を達成することで、全国民を豊かにする。(19プロジェクト実施)
(2)社会:人材に投資するという形で、個人・社会に生活の質を向上させる。(55プロジェクト実施)
(3)政治:1つの国として団結するために、民主主義を確立して、政府が国民に対し責任を取るシステムをつくる。(6プロジェクト実施)
(4)Vision 2030の基礎:国際クラスのインフラ設備とサービス普及するため、20の大プロジェクト実施する。特に費用がかかるのがインフラ整備に係る分野であり、発電、港湾、空港、道路、鉄道、パイプライン、製油所のプロジェクトがある。ケニアは、隣国の南スーダン、エチオピア、ウガンダと協力してインフラを整備しようとしている。それがLAPSSET (Lamu Port and New Transport Corridor Development to Southern Sudan and Ethiopia: ラム港開発、及び ラム港から南部スーダン・エチオピアへの新回廊開発)である。(表1、図1&2参照)
表1:Kenya Vision 2030 と LAPSSET
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図1:LAPSSETのルート
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図2:鉄道と道路の概念図
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2.ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想
LAPSSETの7つのプロジェクトの1つが、ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想である。現在、南スーダンは石油輸出をスーダンの石油パイプラインに依存しており、その通油料についてなかなか合意できないでいる。しかし、ケニアを通すことができるようになると、スーダンとの交渉が有利になるし、安全保障でも有利になる。
ケニアにとってのメリットは、南スーダンから通油料をとれる。また、2012年3月にケニア北部で原油が発見されたが[4]、数年後に生産された場合に、新パイプラインを使うことができる。(図3参照)
図3:ケニア北部Ngamia油田
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今回のブログ記事では、最初に南スーダンで産出する石油を輸出するための新規のパイプラインに関するニュースを取り上げ、以下の3点を説明し、最後に若干のコメントを付け加えることとしたい。
(1) Kenya Vision 2030 と LAPSSET
(2) ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想
(3) アフリカに本格的に投資する豊田通商
【 ニュース 】
日本の豊田通商、パイプライン建設に向けた調査を実施 (2012年6月17日)
南スーダンは、同国で産出する石油を国際市場へ、販売するルートを確立するため、ケニアに接続できる、新たな石油パイプラインの建設をもうすぐ開始する予定だ。
ケニア、新たな石油パイプラインの経由地へ
南スーダンは、北側の隣国、スーダンを経由して、紅海港へ続く、石油パイプラインを使用してきたが、スーダン側とそのパイプラインの使用料をめぐって対立、今年1月に石油の生産を停止させた。
南スーダンは、東アフリカを経由して、インド洋へと続く、新たな石油パイプラインの建設を計画、ケニアが、新たな石油パイプラインの経由地となることを承諾した。
日本の豊田通商は、パイプライン建設に向けた調査を実施、南スーダン政府と契約を交わす準備が整ったという。
スーダンの新聞社、Sudan Tribuneによると、南スーダンのRiek Machar副大統領の報道官、James Gatdet Dak氏は、豊田通商は、プロジェクト資金を担う準備が整い、政府による返済方法に関する契約について、石油鉱山省とともに案出するという。 [2]
【 解説 】
1.Kenya Vision 2030 と LAPSSET
ビジョン2030とは、ケニア政府が2006年に発表した2030年を見据えた長期戦略である。「Kenya Vision 2030」というホームページで、ケニアをどのような国にしたいか、という国民の『夢』を列挙している。[3]
・権利と自由が保障され、民主主義が機能する国
・食料に困らず、働く場所がある国
・道路が整備されており、商売に支障がない国
・多くの観光客が訪れて、観光の仕事がある国
・経済を発展させて、より多くのケニア人が働ける国
・訓練された教師が子供達を教育し、潜在能力を引き出してくれる国
・全ての国民が設備の整った病院で、資格のある医者から診療を受けられる国
・他国から技術的助言を求められる国
それらの夢を実現するため、100のプロジェクトを実行することで、経済・社会・政治を変革していこうとしている。(表1参照)
(1)経済:2030年まで毎年10%のGDP年平均成長率を達成することで、全国民を豊かにする。(19プロジェクト実施)
(2)社会:人材に投資するという形で、個人・社会に生活の質を向上させる。(55プロジェクト実施)
(3)政治:1つの国として団結するために、民主主義を確立して、政府が国民に対し責任を取るシステムをつくる。(6プロジェクト実施)
(4)Vision 2030の基礎:国際クラスのインフラ設備とサービス普及するため、20の大プロジェクト実施する。特に費用がかかるのがインフラ整備に係る分野であり、発電、港湾、空港、道路、鉄道、パイプライン、製油所のプロジェクトがある。ケニアは、隣国の南スーダン、エチオピア、ウガンダと協力してインフラを整備しようとしている。それがLAPSSET (Lamu Port and New Transport Corridor Development to Southern Sudan and Ethiopia: ラム港開発、及び ラム港から南部スーダン・エチオピアへの新回廊開発)である。(表1、図1&2参照)
表1:Kenya Vision 2030 と LAPSSET
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図1:LAPSSETのルート
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図2:鉄道と道路の概念図
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2.ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想
LAPSSETの7つのプロジェクトの1つが、ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想である。現在、南スーダンは石油輸出をスーダンの石油パイプラインに依存しており、その通油料についてなかなか合意できないでいる。しかし、ケニアを通すことができるようになると、スーダンとの交渉が有利になるし、安全保障でも有利になる。
ケニアにとってのメリットは、南スーダンから通油料をとれる。また、2012年3月にケニア北部で原油が発見されたが[4]、数年後に生産された場合に、新パイプラインを使うことができる。(図3参照)
図3:ケニア北部Ngamia油田
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