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福島第一原発廃炉復興 政府は8月中に「処理水」の海洋放出決断を 風評被害は国民の科学理解力から

福島第一原発の敷地内には汚染水を処理した水(トリチウム=三重水素)が溜まり続けている
  (出所:経済産業省)

「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を掲げて15年、「日々勉強!結果に責任!」を信条とする参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。

 福島第一原発の廃炉を進め、復興を促進するためには、原発敷地内の貯蔵容器に溜まり続ける汚染水を処理した水(トリチウム=三重水素)をどうするかは避けて通れない問題です。

 私は以前ブログで取り上げました。

 R01/12/29「福島第一原発 汚染処理水は海洋へ 風評被害対策は国民理解から」
 https://ameblo.jp/akaike-masaaki/entry-12563061888.html

今年1月に、経済産業省の専門家会議である「多核種除去設備(ALPS)等処理水の取扱いに関する小委員会」、いわゆる「ALPS小委員会」が、17回検討した結果を報告書として発表しています。
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/report.html

結論は、汚染水を処理した水(トリチウム=三重水素)を、国内外の原発と同様に、海洋放出すべきというものです。福島第一原発の放射能汚染水を処理水(トリチウム=三重水素)が貯蔵容器に溜まり続けており、このままでは2年後の令和4年には満杯となり、廃炉や福島復興自体の妨げになってしまいます。

そこで、地層、海洋、水蒸気、水素、地下の5つの処分方法を検討した結果、安全で、国内外で実績があり、技術的な課題がない等の理由で、「海洋」排出が提案されています。処理水に含まれているトリチウムは、自然界にも体内にも存在する弱い放射性物資であり、国内外の原発では既に排出され続けており、環境や健康への影響は出ていません。

報告書を一読しましたが、妥当なものでだと思います。IAEA(国際原子力機関)や我が国の原子力規制委員会も了としており、政府においては、2年後に満杯となることを見通すと、手続面等の日程を考えると、今月8月中に福島第一原発の処理水の海洋放出を決断すべきだと思います。

課題は、根拠なき風評被害です。その克服は国民理解、国民の科学理解力に尽きます。自民党内でも議論をしており、経産省にも国民理解が進むような説明資料の作成を要請しました。資料は公開されていますが、まだまだ分かりにくいのですが、引続き経産省だけでなく、私共議員も説明を尽くしていきたいと思っています。

・経産省の説明資料「ALPS処理水(福島第一原子力発電所の廃炉対策)」

 https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/pdf/2020/20200701a1.pdf

経産省の作成した説明資料から、風評被害対策として国民理解に資するように、次に自分なりに説明したいと思います。

●汚染水と処理水は違う

  (出所:経済産業省)

 まず確認したいのは、汚染水と処理水は違うということです。

 福島第一原発の発災から9年以上経つわけですが、現在においても、燃料デブリ(ゴミ)の冷却水や雨水・地下水等によって、汚染水が発生し続けています。しかしながら、この汚染水をそのまま海洋放出すべきだと言っているわけではありません。

発生した汚染水は、まずセシウム吸着装置でセシウムを除去し、さらにALPS(多核種除去装置)によって、長年体内に止まるストロンチウムをはじめとした61種の放射性物資を除去して、処理水となります。その処理水を福島第一原発の敷地内の貯蔵容器で保管しています。

●除去できない処理水に残ったトリチウム(三重水素)とは 水の形で自然界に普通に存在

  (出所:経済産業省)

しかしながら、どうしても微量の放射線を出すトリチウム(三重水素)だけは取り除くことができません。なぜなら、トリチウム(三重水素)は日本語の名称通り、水と同じ性質を持ち、水の形で雨水や海水、水道水(1ベクレル/l)、人体(数十ベクレル)に普通に広く存在し、体内には蓄積されず排泄され、自然界を循環するものであり、国内外の原発も希釈して海洋放出しているからです。

トリチウム(三重水素)の環境や人体への安全性について、専門家が検討しましたが、問題なしとのことです。

ALPS 処理水等を保管する大型貯蔵容器は、福島第一原発内の敷地内に設置してきましたが、令和2(2020)年末までに約137万m³までの増設を行う現在の建設計画の範囲内では、令和4(2022)年夏頃には貯蔵容器が満杯になる見通しとのことで、敷地の関係でこれ以上の増設の余地は難しいとのことです。

同小委員会報告書では、大容量の地上貯蔵容器での保管や、地中や洋上での保管について検討を行いましたが、現実的ではないとの結果でした。

●貯蔵している処理水の7割は2次処理が必要

(出所:経済産業省)

また、貯蔵容器に貯めている処理水の約7割には、トリチウム以外にも、ストロンチウム等の規制基準以上の放射性物質が残っていると批判されることがあります。これは、事故発生からしばらくの間、ALPS処理は、貯蔵されている水が敷地外に与える影響(敷地境界線量)を急いで下げるため、処理量を優先して実施したためだとのことです。

このため、今年度から処理水を再浄化し、処分前に、トリチウム以外の放射性物質を取り除いて規制基準以下にします。環境に放出する際には、更に大幅に薄めることになります。

以上、福島第一原発で発生し続ける汚染水は、安全な処理水となり、除去できないトリチウム(三重水素)は安全であり、それを希釈して海洋放出することは、国内外の原発と同様、問題がないことをご理解頂けたでしょうか。その理解が進まないと、風評被害が発生して、また、福島の方々を苦しめることに繋がりかねません。

福島復興のために、国民の理解促進に向けて、全力を尽くします。

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