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あのクルーズ船船長が告白「日本の皆さんの対応は素晴らしい」

乗員乗客の2割が感染(時事通信フォト)

アルマ船長がインタビューに応じた(SNS「リンクトイン」より)

 新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。2月上旬から横浜港に停泊中の約1か月間、船内で指揮を執り続けたのがジェンナーロ・アルマ船長(45)だ。現在、母国イタリアの生まれ故郷ソレントで余暇を過ごしているアルマ船長が電話インタビューに応じた。

【写真】4本の金筋入りの制服を着たアルマ船長。笑顔

「日中は海水浴をし、夜は家族や友人と食事を楽しんでいます。そのほか犬の散歩やガーデニング、お気に入りのヴィンテージのベスパ(スクーター)に乗ったりと、シンプルな生活を送っています。

(1か月の停泊中は)今思い出しても、本当に辛かった。やることが多すぎて1日があっという間。(外部からの)指令は何度も変わり、問題が次々に発生し、それに対応するだけで精いっぱいでした。当時は今ほどウイルスに関する情報もなかったので、何の確信もないまま不安ばかりが募っていた中で、日本の皆さんの対応は素晴らしかった。物資だけでなく、精神面も支えられた」

 乗員乗客約3700人のうち2割が感染。船内は混乱に陥ったが、バレンタインデーには、聖書の一節を添えたチョコレートを乗客に贈る気配りも見せた。

 乗客らの下船は2月半ばから徐々に始まり、アルマ船長は全員を見送った3月上旬、最後に下船した。イタリアに飛行機で帰国した後は国民からその栄誉を讃えられ、一躍時の人に。7月半ばにはマッタレッラ大統領から勲章も授与された。

「とても光栄で、一生忘れられない体験だ。ただ、この勲章は私だけのものではなく、共に危機を乗り切ってくれた船員全員と分かち合いたい」

 イタリアでは、2012年に同国で起きたクルーズ船座礁事故で船長が乗客を見捨てて一目散に避難した行動と対比して報道され、アルマ船長の勇敢さが強調された。

「船に最後まで残るのは私の義務だ」という信念を貫き通したアルマ船長は今後も船に乗り続ける。

「今回の経験で、困難は必ず乗り越えられる、という自信がついた。人生は常に前に進まねばならない」

 横浜市港湾局によると、ダイヤモンド・プリンセス号は5月中旬に横浜港を出港し、マレーシアへ向かったという。日本発着クルーズは12月上旬まで中止が決まっている。

※週刊ポスト2020年8月14・21日号

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