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尾身茂氏が明かすGo To前倒し決定の舞台裏 延期提言は「採用されなかった」

29日、衆議院・国土交通委員会の閉会中審査が開かれ、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が出席。Go Toトラベルキャンペーンの前倒しについて、当時の分科会の考えや議論の内幕を明かす場面があった。

日本共産党の高橋千鶴子議員の質問に対し、尾身氏は分科会の意見として「少し延ばしてしっかり議論したほうがいい」と政府に提言したものの「残念ながら採用されなかった」と述べた。

また尾身氏は、現在の状況について「感染が少しずつ増加していることは間違いありません」としつつ、それ以上に懸念していることとして「このまま放っておくとベッドが埋まり、保健所の機能が麻痺することが目に見えているので、早く手を打つ必要がある」と警鐘を鳴らした。

以下、質疑の内容。


高橋:今日は、災害とコロナ禍というなか、なぜ今Go Toか。7月22日に前倒しで始めたGo Toキャンペーンについて質問します。まず、なぜ今かってことなんですが、しかもキャンセル料、若者と高齢者は遠慮せよとか、二転三転する説明など混迷を深めています。世論を気にし、かつ誰も責任を取らない構図なのではないのかと指摘をしたいと思い、今日はまず最初にお忙しいなか、尾身茂分科会会長に出席をいただきました。

資料の2枚目に分科会の提言ということで7月16日の提出された資料をつけておりますけど、この時に尾身会長自身が西村大臣とともに会見をされて、説明をされたのを動画で拝見をいたしました。それで、趣旨はですね結果として、先ほども少し議論あったんですけども、分科会としては22日から前倒しするということには賛成した、という理解で良いんでしょうか。

尾身:お答えいたします。私ども、私個人としても分科会のメンバーの意見は、22日まで時間があるので、少しじっくりと状況、特に感染状況を分析して、やるやらないを含めて、しっかりと説明できる必要があるので、もう少し時間を使って情報を分析して、しっかりと時間を使って、どちらにするにしても、根拠を持った説明ができることが必要だということをご提案を申し上げました。

高橋:すいません、今の答弁聞いていっぱい、いっぺんに問いがいっぱい出てきちゃって困っちゃったんですけれど、でもすでにここに東京都から、延期してかつ場合によっては、東京都が落ち着いてきたら良い、ってことも書いてあるわけですから、基本は進めることが前提だったっていう風に受け止めるのが普通だと思うんですけど、違うんでしょうか。

尾身:先ほど古川先生のご質問の時にも答えさせていただきましたけど、私ども分科会の、私も含め意見は非常に明瞭でした。拙速に結論を出さないほうがいいと。しっかりと状況を分析をして、やったほうがいいということでした。最終的には、我々分科会、あるいは当時の専門家会議もそうですけど、我々の役割は基本的には提言することであります。我々は提言をいたしました。今回の我々の、少し延ばしてしっかり議論したほうがいいという提言は、必ずしも、残念ながら採用されなかったということであります。

そういうなかで、16日の会議をしました。その時に実はもう東京例外を含めて、これについて意見を述べてくださいというのがあれでしたので、我々は先ほども申しましたように東京例外は合理性があると。ただし、先ほど言ったように三密を避けてくださいということも、ぜひ国民にみなさんに政府から伝えてくださいということと、それから東京もこれから永久にそのままじゃなくて、いろいろ感染症の状況によって解除することもあると申し上げたということであります。

高橋:わかりました。ということは22日に前倒しということは、政府の方針が伝えられたなかでも、まだ決定はそこまでもっと検討するべきだったという立場だったんだけれど、東京例外ということを聞かれたことに対しての意見なので、必ずしも分科会の意見ではなかったということであったかなと思うんですね。

それで私はそれがすごく残念に思うんです。というのはですね、みなさんご存知のように、資料の1枚目にあるように、16日、あるいは22日の時点では、まだちょっと読みきれなかったんですけど、その後東京で過去最大の366人、そして他の府県でも緊急事態宣言を超える数字が出されたと。そういうなかでのね、もう少し先生がおっしゃったように、様子を見るべきだったってのが正解だったんじゃないかなって私は思うんです。

高橋議員:共同通信社

それで資料の4には、この22日の対策本部でイベントの大規模化に、5000人を緩和しようっていう議論をするはずだったんだけども、それを見送りました。その時に出されたリスクについて、あの一番は全国的な移動を伴うために一部地域の感染リスクが全国に拡散する恐れ、つまりイベントの規模が大きくなればなるほど、移動するんだと。逆にGo Toと噛み合わせる人だって出てきますよね。そういうことを指摘しているんだと思うんですね。

2つめもイベント開催地への交通手段が限定されている場合、イベント前後の駅やバスにおいて密集が発生、これはとてもよくわかる指摘だと思うんですね。分科会はそれでイベント制限の緩和は当然見送るべきだと提言されたと聞いております。改めてこの観点に立ってもですね、あわせてGo Toトラベルも今、前倒ししてまでやるべきではないと、言うべきではなかったというか、なぜ言えなかったんでしょうか、という風に聞けば良いでしょうか。

尾身:イベントのことは私は、今回5000人を外すかどうかということを意見を求められて、私は外すべきではないというのが、分科会、私も含めて分科会の…それはもう先生方には釈迦に説法ですけども、大きなイベントがあればそのイベント自身は必ずしも問題がないかもしれないけど、その前後で必ず三密のような状況が生まれる可能性が強い、と同時に大規模イベントの場合は、いろんな、全国から来ますのでそこで、まず感染があった時に波及の効果が、影響が極めて重要だということで、そういう提言、つまり外す、数の縛りを外すべきではないということを申し上げました。

それから、先ほどのGo Toトラベルの話はどう思うかと言うと、先ほど言われた私の考えは、というか私も含めた分科会の考えは、先ほど申した通りで、しっかりともっと議論をすべきだったというのが私たちの意見でございます。

尾身茂氏:共同通信社

高橋:今のお言葉に含意しているかなと思います。それでですね、先ほどの提言のなかで、東京都での感染が落ち着いてきた際には、東京に関するGo Toトラベルも実施して差し支えないってあるんですが、この落ち着くってのはどのくらいなのか、他県が少し上がってきて東京がクロスする場合もあると思うんですけど、落ち着くってみんなの感触が違うと思うんですね。どのようにお考えでしょうか。

尾身:先ほど申し上げましたように、感染状況は日々刻々変化していますから、一番大事なことはしっかりと感染状況を分析・モニターすることだと思います。それで、今の状況はもちろん16日とは違っていまして、私どもが今の状況、今日の状況をどう分析しているかということですけど、実は先生方もご存知のように100%正確に今の状況を分析予想することは、これはほとんど不可能です。

なぜかと言いますと、そもそも緊急事態宣言と今とは検査のレベルが違うということが、よく言われていることは確かに、しかし同時にいろんな我々が見ているデータも必ずしも完全ではない。毎日我々が見ているのは報告ベースですよね。これが毎日山にあることは、先生方もご承知で、それから発症日ごとの方が正確だということは我々も提案しておりますが、実は発症日ごとのデータも実は限界があります。

なぜかと言うと発症日が必ずしも正確にモニターできないという限界があります。したがって、どういう時に外すのか、外さないのかというのも、そうした感染状況だけではなく、PCRの陽性率、あるいはリンクの追えない率、あるいは特に今重要なのは、私どもが今強く思っているのは、感染状況に関して一番強く思っていることの一つはですね、感染が少しずつ増加していることは間違いありません。

しかし、そのことも懸念ですけど、それと同様、あるいはそれ以上に懸念しているのは、だんだんと感染者が増えると当然それに伴って重症者が増えますから、そうすると当然医療の…今はもう当然負荷がかかっていますけど、これが急速に医療の負荷が強まっていってしまう、と同時に保健所の方の機能がもう今パンパンになっていること、このこと、そういうトータルな、感染の日々のことだけじゃなくて、いろんなことを総合的に勘案すると、感染が間違いなく少しずつ上昇していて、このまま放っておくとベッドが埋まり、保健所の機能が麻痺することが目に見えているので、早く手を打つ必要があるということを私どもは思っています。

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