記事
  • mkubo1

厚生年金基金の廃止を検討を考える

今日は、年金の問題を長々と書いてみました。週末、お時間のあるときに、読んでみてください。

日本の年金

AIJ事件から、時間も経過しましたが、そのファンドに投資して、多くの資金を失った年金が多数ありました。年金の中で、厚生年金基金といわれる年金が無くなるかもということです。下の図を見てください。

図は、3階建てになっていますね。

1階 基礎年金(黄色)
2階 厚生年金(水色)、共済年金(薄緑色)
3階 厚生年金基金などの企業年金       

です。

リンク先を見る

企業年金

では、ます、超簡単に企業年金の説明をします。

適格退職年金
今年の3月で廃止、社外の金融機関(生保や信託銀行が中心)に退職金を積み立てる制度、税制優遇。

厚生年金基金
企業の年金制度で、企業とは別組織の基金という形態、2階部分の厚生年金の一部もあわせて運用している(「代行」という)

確定給付企業年金
企業の年金制度で、企業とは別組織、企業の年金だけを運用する
厚生年金基金からの移行が多い

確定拠出年金
運用の支持を年金加入者が自ら行い、年金の支払いも実績(パフォーマンス)連動となる

注)確定給付とは、現役時代に、将来もらう(給付される)年金の額を確定させておくこと
確定拠出とは、加入者が、給与から年金へ回す金額を決めて(拠出額を決める)、自ら運用を行い、その結果を将来受け取る

重荷になる代行部分

ここで、重要なことは、青色の字の部分です。ちょっと前まで(10年くらい)、下の2つの制度は、ありませんでした。厚生年金基金は、国の年金である厚生年金の一部も運用していましたから(これを代行部分と言います)、この代行部分には、厚生年金が目標にしていた運用利回りを求められていました。

しかし、その目標利回りは、以前は、5.5%(たぶん・・・)と非常に高く、この代行部分をあわせて運用することが、企業にとっては、重荷になってきたのです。ですから、この代行部分を国に返上して、自分のところの年金だけを運用しているのが、確定給付企業年金なのです。

と、いうことは、この代行部分を返上するということは、高い目標利回りで運用したとして、その結果を国に返上するので、より多くに男資金が必要です。運用に失敗しているような厚生年金基金や親企業(母体)が補填する体力がないような基金は、代行返上ができないのです。逆に、体力のあるところや運用がしっかりしているところは、さっさと、代行返上して、確定給付企業年金に変えています。

ホンダ、日立などはその典型例です。結果として、弱小厚生年金基金は、重荷を背負ったまま、途方にくれているのです。だからこそ、おいしそうな高利回りをうたうファンドが登場すれば、食いついてしまうわけですね。それがAIJだったのです。

そもそも、この代行部分は、さっさと返上した方がいいのですが、年金の運用そのものが、マイナス、つまり、今、すべて現金化して、約束している年金を支払ったり、代行部分を返上したりすれば、お金が足りない状況なのです。

ですから、年金の支払いを減額したりするのです。これは、不良債権を同じことですね。AIJで、多くの基金のパフォーマンスが、さらに悪化したため、どうにもならない状況になっているのです。

厚生年金基金の廃止を提案する民主党

で、民主党は、「こんな制度は止めようぜ!」と言っているのです。正直いって、運用で挽回するのは、ほぼ不可能。企業に、損失を埋め合わせてもらえば、今度は、企業が債務超過になる…つまり、倒産のドミノ倒しもありえると。ということで、頭を痛めているのです。

過去の年金の運用

そもそも論を言えば、企業側も、厚生省も、年金の運用をなめていたのです。1980年代は、年金の運用は楽勝でした。5.5%の運用利回りなんて、簡単。だて、JGBの利回りが6%とかの時代ですよ。JGBを買っておけばよかったのです。ところが、1990年代になり、徐々に利回りが低下して、2%、1%となっていくわけです。

それじゃ、ヤバイということで、ろくな知識も無いのに、株式や外貨(外債や外株)への投資を決め、また、ろくな運用経験や知識もない運用会社がその運用を行い、その結果が今なのです。ろく知識がないから、すぐに、野村證券などに、質の悪い商品を買わされたりするのです。

皆さんが買っている日経リンク債などもそうなのですよ。運用をなめた結果なのです。プロですら、なかなか、勝てない運用に、素人が勝てるわけがありません。(個人の運用とは、全く違うものです)

年金は隠れ負債という認識が必要

年金は、はっきり言って、日本の不良債権(=隠れた負債)なのです。これを乗り越えるのは、ご存知の通り、損の実現しかないのです。銀行は、アホだバカだといわれながらも、竹中さんと死闘を演じながらも、10年以上かけて、こつこつ不良債権を処理しました。結果、都銀12行が、メガ3行になるという血をだして処理したのです。

年金も、同じなのです。ということで、厚生年金基金の廃止は、方法論は、誰かが損を被るので、政治決着になりますが、方向性としては正しいと思います。もっとも、この誰が損を被るかがもっとも 困難な部分ではあるのですが…

もっと言えば、厚生年金(国民年金)の改革をしないと、本当に、我々のもらえる年金は、微々たる物になってしまいます。

税理士さんの嘆き

知り合いの税理士さんが嘆いていました。「生活保護は月15万で免税、基礎年金は月7万で課税ですよ、おかしいと思いませんか。誰も、年金を40年も、真面目に払おうという気にならなくなるのですよ」職業柄、そういう人が増えているけど、反論ができないと悩んでいました。

やはり、根は深そうです。年金の話は、難しい部分が多いので、理解できないところもあるかもしれません。何か質問があればコメントにどうぞ。
分かる範囲でご回答します。

良い週末を。私は、鹿児島へ行ってきます。

あわせて読みたい

「年金」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    報ステ編集謝罪 印象操作するTV

    かさこ

  2. 2

    進次郎氏のCOP25演説に「失笑」

    舛添要一

  3. 3

    桶川事件20年 警察が隠した怠慢

    BLOGOS編集部

  4. 4

    アナ雪2騒動 黙秘の電通に苦言

    やまもといちろう

  5. 5

    英語試験批判にキーマンが大反論

    NEWSポストセブン

  6. 6

    宮川花子の後悔 医師信じず失敗

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    韓国の元徴用工「差別なかった」

    NEWSポストセブン

  8. 8

    いきステ不調 改善には社長交代?

    永江一石

  9. 9

    野村克也氏 大谷は下半身を磨け

    幻冬舎plus

  10. 10

    忘年会やめて「ボーナス増やせ」

    かさこ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。