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橋下徹「安倍首相は絶対に憲法改正をやるべきだと考える本当の理由」

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長期政権を築いた安倍晋三首相は、任期を終える前に悲願である憲法改正に踏み出すのか。さまざまな観測が渦巻くなか、橋下徹氏は「やるべきだ」と首相にエールを送る。その背景には、大阪都構想への賛否を問う住民投票の経験があった。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月28日配信)から抜粋記事をお届けします。

絶対に譲れないラインは「住民投票実施」だった

2014年12月、衆議院が解散し総選挙に突入。僕や松井一郎さん(現大阪市長)、そして維新の会と、公明党が全面対決になるかと思いきや、菅義偉官房長官から松井さんのもとに「公明党が協議をしたいと言っているんだけど」という1本の電話が入ったところまでが前々号のメルマガ(Vol.207【安倍政権「最後」の総選挙(2)】大構想実現へ――僕と松井さんが「戦いの誓い」を交わした夜)。

公明党の衆議院議員候補者の選挙区に、僕や松井さんをはじめとする維新のメンバーは立候補しない。つまり維新の会は公明党の邪魔をしない。その代わり、公明党は大阪都構想の住民投票までは認めるという交渉が始まった。

(略)

階段として木製ブロックスタッキングを配置する手

※写真はイメージです。 - 写真=iStock.com/oatawa

僕らはとにかく住民投票までは実施したい。ここを絶対に譲れないラインと設定し、その他の自分たちの要求はそぎ落とした。つまり公明党の要求をのんだんだ。

(略)

2015年3月、大阪府議会、大阪市議会において、大阪維新の会と公明党が組み、大阪都構想の住民投票を実施することが賛成多数で可決となった。

(略)

最後の1000段目は昇れないとわかっていても1段目を昇った

橋下は――、大阪維新の会は――、大阪都構想は――「万事休す」、と何回言われてきただろう。もう大阪都構想は止めるべきだと何回言われてきただろう。

その都度その都度、なにくそ! と自分を奮い立たせ、何か方法がないかと脳みそを絞りまくった。松井さんをはじめとする維新の会のメンバーと協議したり、優秀な役人から知恵を借りたりと、とにかく可能性が低くても、どうすれば住民投票にたどり着くのかを必死に考えた。

(略)

たとえば、ゴールにたどり着くまでに1000段の階段を昇らなければならないとする。そして最後の1000段目はどうしても昇ることができない難所だとわかっている。そんなときに、最初の1段目に足をかけるか否か。

最初の1段目を昇ったとしても、その後100段目も昇るか? 最後の1000段目は昇れないことが分かっているのに。

ここは人生をどう歩むかの人生観にかかわってくるところだと思う。

僕と松井さん、そして維新の会のメンバーは、こういうときには、とにかく昇れるところまでは昇ってみようという人生観だった。

目の前の1段を昇ることに全力を尽くす。

先の階段が昇れるかどうかは気にしない。とにかく目の前の階段を昇る。僕らはそうやって大阪都構想の階段を昇り続けてきた。

途中で出直し市長選挙をやったり、法定協議会の反対派を追い出したりと無茶苦茶なことをやり続けたが、その都度、「最後には本会議で否決されるんだから、そんな無駄なことをするな!」と言われてきた。それでも僕らは目の前の階段をとにかく昇ることに全力を尽くした。

そうして999段まで昇り、最後は1000段目を残すのみ。つまり本会議での賛成多数を得れば、住民投票に進めることができるというところまできた。

その5年前には、公明党が賛成に回ってくれるなんてことはまったく想像もできなかった。しかし5年かけて階段を昇り続けているうちに状況は変わってきた。

5年の間に維新の会は国政政党を結成し、大阪では自民党・公明党を脅かす存在になっていた。そして、たまたま2014年12月に解散風が吹いた。僕らはこのチャンスを捕まえ、公明党にケンカを売り、最後は協議に持ち込んだ。

こうして1000段目の階段を昇ることができ、住民投票の実施にまでたどり着いたんだ。

人生ってこんなものじゃないか。

(略)

ゴールにたどり着くためには、とにかく目の前の階段を昇るしかない。

そして僕が、この大阪都構想を推し進める人生で得た教訓は、「状況は必ず変わる。しかも必死にやればやるほど階段を昇るための知恵と力がついてくる」というものだ。

(略)

「諦めるな!」という言葉は、巷にあふれている。しかし僕は大阪都構想に挑戦した自分の人生経験によって、「先のことを気にして諦めてはならない!」ということを、脳みそから身体まで髄の髄まで実体験した。

そしてここまで階段を昇り続けると、もう自分の人生に完全に満足するようになる。

(略)

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