- 2020年07月28日 19:11
コロナ総括⓲Withコロナ体制を作るため、今すぐ「攻め」の緊急事態宣言を
1/2三浦瑠麗氏まで「海外の支援は手厚い」と誤解
今朝(7月28日)のとくダネ(フジテレビ系列)でも三浦瑠麗氏が、コロナ禍で経済を止めるな!発言をされていた。ご趣旨は以下の通りだ。
①日本は肺炎でも月間8000人程度の死者が出ている。これも肺炎球菌という病原菌によるものであり、新型コロナウイルス(以下「コロナ」)と変わらない。でも普通に経済は続けられている。
②経済を止めても大丈夫な国、たとえば香港などでは、有り余る金融ビジネスからの余資により、補償などがしっかり払える。日本ではそれが無理だ。
③こうした中では、Withコロナ型の「蔓延を最小限にとどめながら」経済を再開する手法について、政府はしっかりリードすべきだ。
私ももちろん③には納得する。ただ、①②については疑問を持たずにいられない。とりわけ②に関しては大きな間違いだ。
まず、①だがこれは私の専門外なので、素人的な視点でのみ語っておく。まず、肺炎球菌に関しては、ワクチンが存在しており、ある程度の予防が可能だ。続いて肺炎球菌は常在性が強く、小児を中心に保菌者は多い。ただし、健常者は発病せず、抵抗力の弱った人のみ発病し悪化する。つまり、保菌者を隔離して感染を押さえるが不可能に近い。これら2点がコロナとは大きく異なる。
続いて②だが、この点については、香港のコロナ関連での経済的支援策が大したものではないことは、第6稿をご覧いただきたい。概略を示すと、以下の通りとなる。
<香港>
生活支援)18歳以上の香港永住者に14万円を支給。
雇用維持)給与の半額(上限12万6000円)を6か月間補助。
対して日本はどうか?
<日本>
生活者支援)定住者全員に10万円を支給。
雇用維持)売上が前年比5%以上ダウンした場合、中小企業は100%、大企業は75%を補助(1日当たり1万5000円が上限。常勤の場合、月額換算33万円程度)を9月30日まで。→それ以降は、休業補償額に対して中小企業は2/3、大企業は1/2(いずれも上限日額8400円)を支払う。
比較してみれば、香港がそれほど優れた制度を持っていないことがわかるだろう。生活者支援では14万円と若干高いがそれは18歳以上に限られる。同地域の場合、18歳未満人口がおおよそ15%程度となるため、全体にならせば一人当たりの支給額は12万円弱となる。しかも、永住権のない住民には不支給だ。ということで日本との差はかなり小さくなる。
一方、雇用維持のために支払う企業支援に関しては、額も期間も圧倒的に日本の方が優れていることがわかるだろう。
この他に日本は、減収事業者には持続化給付金と家賃支援給付金が、さらに緊急事態宣言下の休業には「休業協力金(自治体単位)」が配られた。圧倒的に日本の方が手厚い支援であり、ここまで揃う国は欧米諸国を見てもほとんどない。いい加減に「外国は手厚い」幻想から目を覚ましてほしいところだ。
一度徹底的に抑え込むと、再流行は阻止しやすい
さて、現実的にコロナ第二波に対してどう対処すべきかを以下に書いておこう。
人口規模がある程度大きい国で、コロナウイルスの撃退に成功しているのは現状では中国と韓国の2か国になるだろう。この2国は人権・プライバシー無視の強制的な防疫体制を敷いていることは第12稿に示した通りであり、日本がそのまま真似るのは無理だ。勝因としてわかっていて、なおかつ取り入れられることを書いておく。
①行動追跡アプリ。これを普及させると濃厚接触者の追跡が効率良く行える。韓国型のプライバシー無視な管理はいただけないが、日本型の接触管理アプリ「COCOA」ならば問題は少ない。ただし、COCOAが成果を上げるためには、皆の協力が必要になる。日本型の互助社会ならそれも可能なのではないか。つまり、徹底してCOCOAを普及させ、濃厚接触者洗い出しを大量かつスムーズに行える社会をつくる。
②コロナウイルスは、一度徹底的に発生を抑えると、その後は再流行がなかなか起こらない。理由は簡単だ。日ごとの発生が0近傍という状態がしばらく続くと、市中の有症者はほぼいなくなり、残るのは無症状者か超軽症者のみとなる。こうした感染者が少数いたとしても感染力は弱く、感染が起きた場合でも散発的なもので、対策も採り易い。さらに①の追跡システムがあれば、散発的発生をモグラたたきするだけで再流行にまで至らない。
実際、韓国や中国でも、クラブや市場周辺でクラスターが起きて再流行が騒がれたが、結局、封じ込めに成功している。日本の場合、島国なので効果的に水際で再流入を防ぐこともできるから、一度徹底的に封じ込めることが両国以上にとても重要だったのだ。
5・6月に日本が犯した二つのミス
ところが、5月に「あと一歩」のところで日本は封じ込めが徹底できなかった。一つ目の敗因はこれだ。
下記のデータを見てほしい。これは、人口100万人当たりで見た、コロナ新規感染者の週当たり発生数だ。

ボトムの前32日、後53日の状況を日中韓でプロットしている。このスケールで3か国を比べた場合、ボトムでグラフは一度収斂したあと、日本が大きく再拡大しているのがわかるだろう。
さらに、ボトム前後に絞り、拡大してみたのが下図となる。

中国も韓国も1週当たりの新規感染数を、人口100万人当たり1以下に抑え込んでいるが、日本は、2を割ったところで反転している。全国平均値でも差がついていたが、首都圏、それも東京・神奈川の2自治体に絞ると、数はさらに多くなった。結果、感染封じ込めが未然で終わった首都圏から再流行が始まったのは、当然の帰結といえるだろう。宣言解除については、神奈川・北海道などが原則として提示した基準をクリアできず、例外的に設けた緩和基準を使ってまで前倒しにしたのを記憶されている方も多かろう。
この時、あと1週間から10日、しっかり自粛を行っていれば、大阪や愛知並みに首都圏の新規感染も0近傍に抑え込めたはずだ。つまり、「小利を焦って大利を逃す」典型だったといえよう。
こうした状況から再流行は当然、東京で始まった。それも、当初は、東京地区の夜の街に限られていたが、ここで手をこまねいているうちに、首都圏、そして地方中核都市、さらには全国へと広まっていった。
今から振り返ればの話だが、こうした再流行はそれがまだ小さな芽の段階で、強力に抑え込むべし、という苦い教訓となっただろう。そのためには、風営法や建築衛生法などの行政指導という武器を使うという前例も生まれた。今後は、こうした法的取締りを交えて、強い指導ができるようになったことは収穫の一つだ。



