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輝いたゴールド

金(ゴールド)が史上最高値を更新しました。2011年9月にピークを付けた後、物価の上昇や世界経済の成長に対して長く放置され、金利がつかない金はそもそも投資の価値がないという見方もありました。一方で金は政府発行通貨と違い、政治色がなく、世界中のどの中央銀行もせっせとため込んでいる共通点があります。いざという時の金とは国家の通貨管理者がその価値の輝きは万国共通と信頼している投資対象であります。

今回、ほぼ9年ぶりに更新した金価格、その背景と今後について考えてみます。

金は代替投資アイテムでそれ自体が魅力を発するわけではなく、光が当たった時に輝きを増すものであります。難しく言えば受動的価値であります。あくまでも鉱物資源でありますが、金を含む希少金属をPrecious Metal と言い、他の鉱物資源をBase Metalといって区別し、一目置かれているのであります。

ではどんな光が当たったのでしょうか?金価格は2015年末に1100ドル台を割り込んだ頃が直近の最安値でした。当時、ゴールドマンサックスなど投資銀行は1000㌦割れは時間の問題とか、800㌦まで下がるとか好き放題言いたい放題でした。傍でニュースを見ていた私からすればこれで多額のコンサル料を貰っているんだから世話ないと思っていたものです。なぜ、私はそれほど下がらないと思っていたかといえば物価が上昇する中でいくら何でも乖離がそれほど広まるものではないとみていたからです。

その後、ゆっくりと価格は上昇していきますが、2020年に入ってから状況は変わります。

一つはコロナによる株価の大幅下落で代替投資先として見られたことがあります。次に各国中央銀行が大胆な金利の引き下げを行ったことで利下げ時に強い金の特徴が改めてフォーカスされました。三つ目に米中の争いのレベルが過熱感を増してきたことで有事の安全資産買いの連想が働いてきています。四つ目にアメリカの実質金利が遂にマイナスになったことがあります。

アメリカの10年物国債は今年の初めは1.6%台をつけていました。それがFRBの長期的な金利引き下げ発表もあり、じわじわと利回り率を下げ、現在は0.58%台となっています。この名目の利率からインフレ率を差し引くと今ではマイナス1%に届くかもしれないほどまで下げているのです。勿論、このマイナス金利自体は昨日今日、突然なったものではないのですが、急速に着目されるようになりました。

問題はそれを受けてドルの下落傾向が鮮明になってきたのです。私は先週、動かなくなった為替という内容の記事を書いたばかりだったのですが、それをあざ笑うかのように動き始めたのです。見方としてはドルと安全資産のリンクが外れたことかもしれません。専門家のドル安は始まったばかりというコメントも目立ちます。私はその点は材料が山ほどあり、まだ早計かとみています。

金はドル表示ですからドル安は当然金の表面的価格を押し上げます。それがこの数日で一気に押し寄せチャート的にはあり得ない高騰状態となっています。これを皆さんがお読みの頃は1960㌦台に達していると思われ、場合により2000㌦は1週間以内につけるかもしれません。

市場的にはイケイケという感じですが、何度も言うように金はそれ自体が輝くわけではなく、相対的評価でしかないので世の中に不和が起きるかどうかという予想がなければ金の価格がどこまで行くなどという判断はできません。理論的価格などもこじつければできるかもしれませんが。それは後付けになります。

金価格を押し上げる世の中の最大のネタはアメリカの弱体化であります。それはコロナ、経済的回復度の遅延、大統領選への不安(どっちもどっちという意味)、米中の争いの行方であります。

特に米中の争いの行方は領事館閉鎖の争いがありました。これはこれで更に続く可能性があり、双方の次の切り札はアメリカが在サンフランシスコ中国領事館、中国が在香港アメリカ領事館と囁かれています。領事館の閉鎖争いは、査証業務が滞りやすくなるため人の往来は細くなります。更なる懸念材料は最近の南シナ海の中国の領有権に対するアメリカなどの包囲網であり、ひょっとするとここを舞台に本当の戦争があるかもしれないという気がしています。

一般人が住んでいない軍事基地故、攻める理由が立ちやすいということでしょう。トランプ大統領は本気であり、一歩も引きませんので何があるか予想は全くつきません。そこが最終的に金の価格を押し上げる原因です。その時のテンションのかかり方次第で2200㌦になるかもしれないし、1800㌦まで下げるかもしれません。一応、相場ですので暴騰すれば暴落しやすいという歴史も忘れてはいけないことは肝に銘ずるべきでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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