記事

【米中の深い亀裂】

先週の米ポンペイオ国務長官の中国/中国共産党に対する演説がその後も話題ですね。一番下にアメリカ政府高官による一連の中国演説のtranscriptのURLをまとめましたが、どんどんと対決姿勢を強めている印象です。

ちなみに6月26日に習近平・国家主席について、スターリンの後継者を自認していると指摘したオブライエン国家安全保障担当補佐官は日本時間の昨夜、新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たと米メディアが一斉に報じています。

米中新冷戦の象徴ともなっているファーウェイの孟晩舟副会長(創業者の娘)はアメリカ当局の要請で1年半ほど前にカナダで身柄を拘束されましたが、容疑について告発したとされる大手金融機関のUSBCが中国SNSのWeChatで初めて釈明に追われたそうで、米中対立は企業の動きにも影響しています。

Washington Postは、At Nixon library, Pompeo declares China engagement a failure(加州のニクソン図書館で米国務長官、これまでの中国政策を失敗で断ずる)の中で、トランプ政権が過去50年の共和党政権による外交政策で最も重要とも言える中国関与政策について失敗だと断じ、それを1972年に中国を電撃訪問したニクソン大統領ゆかりの施設で敢えて行うという象徴的な出来事にしたと報じました。

ポンペイオ国務長官は、西側諸国のこれまでのような関与は認められないとして民主主義の各国に対して中国共産党に方向転換を求めるか、孤立するかの選択を迫ったということです。

自由主義国家が共産党中国を変えることができなければ、共産党中国が確実に我々を変えるだろう。心地がよい、あるいは便利だからという理由でこれまでの慣習に戻ることは許されない」と述べました。

ポンペイオ国務長官の演説は、エスパー国防長官バー司法長官レイFBI長官の対中強硬路線の演説に次ぐ第4弾で、トランプ大統領は11月の大統領選挙を前に中国と全面対決の姿勢で、民主党のバイデン前副大統領が弱腰だと印象付けようとしていると解説しています。

New York Timesは、China Orders U.S. to Shut Chengdu Consulate, Retaliating for Houston(テキサス州の総領事館の閉鎖要求の報復で、中国がアメリカに成都の総領事館の閉鎖を要求)の中で、ポンペイオ長官が「いま屈服すれば孫の世代が現在の自由主義世界に挑んでいる中国共産党のいいなりになりかねない」と述べたことなどに対して、中国政府高官がアメリカ政府による冷戦意識を批判したと伝えています。

華春蛍(Hua Chunying)報道官はツイッターに「グローバル世界において中国に対して新たな戦いを仕掛けた」とポンペイオ国務長官を批判しました。

記事では両国が引き戻すことができないところまで事態が進展していると解説。アメリカ側が総領事館の閉鎖要求の理由として、中国による産業スパイの活動拠点になっていることを挙げている一方で、中国側は具体例を挙げることなくアメリカ側の不適切な行動を閉鎖要求の根拠にしているということです。

スパイ活動をめぐってはFBIが23日、中国人民解放軍の所属だと隠してアメリカの大学で研究していた4人の逮捕状をとって3人の身柄を拘束し、もう1人のTang Juan(女性)はサンフランシスコにある中国の総領事館に逃げ込んだとしています。このTang氏の扱いがヒューストンの総領事館閉鎖要求のきっかけとなったということですが、23日になってアメリカ側に身柄が引き渡され、近く裁判所に出向くとしています。

FTはHSBC denies colluding with the US to “set a trap” for Huawei(HSBC、アメリカと結託してファーウェイに罠をかけたことを否定)の中で、イギリスに本部を置く大手金融機関のHSBCが米中対立に引きずり込まれたあと、ファーウェイに対して罠を仕掛けたことを否定したと伝えています。

ファーウェイの孟晩舟副会長はアメリカの要請で2018年12月にカナダで逮捕され、その容疑は2012年にアメリカの制裁下にあるイランと金融取引をしたことで、HSBCは当時に資料を提出するよう米司法当局から求められていました。

これについて、利益の80%をアジアに依存し、中国で存在感があるためHSBCは中国国営メディアに繰り返し攻撃を受けてきたそうです。

そして26日に中国国民に語りかける形でSNSのWeChatに「ファーウェイ問題の経緯を見ればわかるように、HSBCが米当局による調査のきっかけを作ったわけではない。米当局の調査はHSBCがかかわる前の2016年に始まっている」と投稿しました。

HSBCが孟晩舟をめぐる事件について公式にコメントするのはこれが初めてです。

HSBCは難しい立場に立たされていて、中国財務省とやり取りを続けているほか、香港国家安全維持法の施行を支持したということです。

【トランプ政権による一連の中国演説など】

■5月20日
ホワイトハウスが2019年国防授権法に基づき「中国に対する戦略的アプローチ」と題する報告書を議会に提出

■6月26日
オブライエン国家安全保障担当補佐官「アメリカはようやく中国共産党の行為が脅威であるごとに目覚めた」「習近平・中国共産党中央委員会総書記はスターリンの後継者だと自認している」

■7月7日
レイFBI長官「覇権国家を狙っている中国はアメリカにとって最大の脅威だ」

■7月13日
ポンペイオ国務長官「中国の南シナ海のほぼ全域における海洋権益の主張は完全に違法だということを明確にする」

■7月17日
バー司法長官「中国共産党は長期に物事を考えるのに対して米IT・娯楽企業は次の四半期決算のことしか考えていない」とアップルやディズニーが中国の手先だと批判

■7月20日
ロス商務長官、人権侵害を理由に対中制裁を強化。中国企業11社をブラックリスト(entity list)に載せてアメリカ企業との取引禁じた

■7月23日
ポンペイオ国務長官「(習近平国家主席は)破綻した全体主義のイデオロギーの信奉者だ」

あわせて読みたい

「米中関係」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    韓国語だけ水有料表記 会社謝罪

    BLOGOS しらべる部

  2. 2

    病床使用100%超も「4月と違う」

    中村ゆきつぐ

  3. 3

    枝野氏詭弁は安倍首相と変わらず

    田中龍作

  4. 4

    「土下座像」に韓国政府も不快感

    NEWSポストセブン

  5. 5

    インバウンド復活は2~3年必要か

    Chikirin

  6. 6

    ひろゆき氏 radikoの戦略に疑問

    ABEMA TIMES

  7. 7

    支離滅裂な安倍政権に高まる不信

    NEWSポストセブン

  8. 8

    2週間後危機の予想 なぜ外れるか

    永江一石

  9. 9

    PCRを巡る対立 政治思想と親和性

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  10. 10

    吉村知事 お盆自粛ならGoTo中止

    ABEMA TIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。