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何故、「ヘイトスピーチ」というのか、すべて「ヘイト」としての取り締まりを企図する表現そのものへの規制

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ヘイトスピーチとは、特定の民族や集団に対して、差別的、侮蔑的な言動のことです。
法務省ホームページより

特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に,日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動が,一般に「ヘイトスピーチ」と呼ばれています(前述「人権擁護に関する世論調査」より)。
例えば,
(1)特定の民族や国籍の人々を,合理的な理由なく,一律に排除・排斥することをあおり立てるもの
(「○○人は出て行け」,「祖国へ帰れ」など)
(2)特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えるとするもの
(「○○人は殺せ」「○○人は海に投げ込め」など)
(3)特定の国や地域の出身である人を,著しく見下すような内容のもの
(特定の国の出身者を,差別的な意味合いで昆虫や動物に例えるものなど)
などは,それを見聞きした方々に,悲しみや恐怖,絶望感などを抱かせるものであり,決してあってはならないものです。
この意味は非常に大事なところです。
「ヘイトスピーチ」を取り締まれと一部に強行に主張している人たちがいます。少数民族に対する言動は差別的であるから罰則を与えよ、ヘイト集団に公共の施設を貸すな、という具合です。

これについては表現の自由に対する重大な脅威が含まれています。

表現の内容そのものを規制してしてしまうというやり方は意見表明との区別が曖昧で表現の自由に対して萎縮させる効果を持ちます。

しかもこれがひとたび発動されると、それが徐々に規制が拡がっていくということ、つまり内容規制は表現の自由を侵害するという大きな建前を取っ払ってしまうのですから拡大していくことも当然に想定されているわけです。

2つの記事を目にしました。
朝鮮学校への「ヘイトスピーチ」名誉棄損事件、在特会元幹部の控訴審が即日結審」(共同通信2020年7月13日)
「被告の「ここに日本人を拉致した朝鮮学校があった」などとする発言について、拉致事件を一般に知らせるための「公益を図る目的だった」と強調。京都の朝鮮学校の校長が拉致事件に関与した、との趣旨に受け取られたとすれば、言い間違いや舌足らずの不注意な失言だったと主張した。」

(社説)虐殺の史実都は改ざんに手貸すな」(朝日新聞2020年7月25日)
「小池氏は先の知事選で、ヘイトスピーチ対策を盛り込んだ都条例の制定を1期目の成果に挙げた。そうであるなら、事実に基づかぬ差別的な言説を放置せず、適切に対応するのが知事の務めではないか。自らも歴史に誠実に向き合い、都民の代表として追悼文を出すべきだ。」

2020年7月26日撮影

前者は、対象となった朝鮮学校が拉致事件に関与しているという表現がその朝鮮学校に対する名誉毀損罪に問われたものです。まさに対象となったのは特定の朝鮮学校であり、民族とか集団といった性質のものではありません。だからこそ名誉毀損罪に問われたわけです。

ところが共同通信の見出しは、「ヘイトスピーチ」とわざわざつけています。

後者は、関東大震災に対する追悼集会に対し、妨害勢力があるからという理由で都側が施設を貸さないこともあるという誓約書に署名を迫ったものですが、都側の対応は、極めてひどいものです。
平穏に行われる追悼集会に対し、妨害する人たちに加担して平穏に行われる集会に施設を貸さないというのは本末転倒であり、朝日社説の指摘のとおりです。

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