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“次女”の死を隠し“次男”を出産……旭川・乳児死体遺棄 両親の“特殊な子育て方針” - 「週刊文春」編集部

 小さな亡骸は、毛布に包まれ、庭の冷たい土中に埋められていた。死体遺棄容疑で北海道警に逮捕されたのは、旭川市の一軒家に住む“四児”の父母――京田陵(38)と麻理乃(36)。奇妙な事件はなぜ起きたのか。

【画像】逮捕された妻・麻理乃容疑者

◆◆◆

 発端は6月29日朝8時半頃、夫婦の長女(5)と長男(3)が、自宅から3キロ以上離れた道を、パジャマ姿で歩いていたことだ。旭川東署員が姉弟を保護し、自宅に送り届けた。

 乳児を抱いて出てきた麻理乃は、その子を第三子にあたる“次女”と答えた。


京田麻理乃容疑者

「戸籍上は子供は3人で、2018年8月に生まれた次女は1歳10カ月のはず。ところが、自宅にいた子は明らかに生育が遅れているため、ネグレクトの疑いが生じた。姉弟が父に頬を叩かれたことがあるとも話したので、虐待を疑った署が2日後、児童相談所職員と一緒に京田家を再訪すると、思わぬ事実が判明した」(捜査関係者)

 夫婦が“次女”と説明した乳児は、出生届の出されていない無戸籍の第四子、しかも“次男”だったのだ。

「次男の体重は約6000グラム。夫婦は出生届の性別を間違えたと釈明したが、上の子はその乳児を、次女とは別の男の子の名前で呼び、次女は『死んじゃった』と話した」(市の関係者)

庭から一部白骨化した次女の遺体が……

 夫婦の自供に基づき、庭から一部白骨化した次女の遺体が発見された。

「司法解剖の結果、死亡時期は1歳に満たない昨年7月頃。『気が付いたら死んでいた』とのことだが、頭部に損傷の痕があった。死亡経緯については夫婦で主張が食い違い、互いをかばいあっているようだ」(前出・捜査関係者)

 幼子の死を隠蔽し、新たな命を替え玉にしようとした行為は悪質極まりない。

 それが露見しなかったのは、京田家の子たちは病院ではなく自宅で生まれていたためだ。それも、バスタブなどに羊水と同じ塩分濃度のぬるま湯を張って行う「水中出産」だったという。

 さらにこの夫婦には、特殊な子育て方針があった。

「頑なに子供を病院に連れて行かないんです。ワクチンさえ接種していなくて、上のお子さんのアトピーやアレルギーも放置された状態でした」(夫婦の知人)

 実家は裕福だったようで、事件現場となった家は陵の父親が無借金で建てた築30年の一戸建て。父親はドラッグストアを展開する地元企業の元役員で、兄は医師をしているという。両親は札幌市内にマンションを購入し、すでに転居しているが、陵はここで小中高時代を過ごした。

 中高の同級生らによれば、その人物評は「大人しくて真面目」、「勉強はできたが印象の薄い奴」。

夫は“スピリチュアル”、妻は“マクロビ”

 陵は02年、茨城大理学部に入学。大学を休学していた06年1月、「自分とは何か」と題した著書を自費出版した。同書は原爆や貧困、宗教などを論じたスピリチュアルな内容で、終章では〈宗教や哲学を始めとした様々な世界を一くくりにして論じてきました〉と自著を総括。人類が〈科学という名の神〉によって100年以内に滅亡するとも綴られている。

 その後、神奈川県で新聞配達員等を経て、13年頃、巡り合ったのが麻理乃だった。麻理乃は長野県諏訪郡出身。同級生の母親が語る。

「昔から品行方正で頭がよく、綺麗な子でしたよ」

 陵と出会った頃は、日本古来の健康食に陰陽の思想等を加えた「マクロビオティック」に傾倒。自然農法、脱石油の美容品、着物などに強い関心を持っていた。

 ナチュラル志向の二人は次第に関係を深めていく。麻理乃が綴っていたブログによれば、もともとフランス人のパートナーがいたが、〈いよいよ籍を入れるぞというときに、それを覆すような出会いがありました〉(13年9月)

 以降、ブログには、インドにも行ったことがあるという「京ちゃん」が度々登場するようになる。

 二人を知る男性の話。

「長野県内でシェアハウスを建てる企画で知り合ったんじゃないかな。陵さんは静かな中にもガッツのある人、麻理乃さんは料理が上手で明るい人という印象です。意気投合して交際が始まり、結婚するまで長野にいましたが、その後は陵さんの実家のある北海道に移り住むと聞きました」

 逮捕時は夫婦とも無職で、「ご主人は短期間で職を転々としていたようです」(前出・知人)。周囲には子煩悩な夫婦に見えたが、実は重大な罪を隠していたのだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月16日号)

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