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「連立離脱という言葉は使っていないが、気迫を持って安倍総理にぶつかった」公明党・山口代表が語った10万円給付の“直談判”、Go To キャンペーン


 22日夜の『ABEMA Prime』に公明党の山口那津男代表が生出演。迷走しているようにも思える政府の新型コロナウイルス対策に対し、政権の一翼を担う与党代表として、30万円から一律10万円に変更した「定額給付金」の問題、前倒し発表からの東京除外・キャンセル料の一部補償に揺れる「Go To キャンペーン」の問題について語った。

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■「連立離脱という言葉は一切使っていない。ただ、気迫を持ってぶつかった」


「開口一番に申し上げたのは、政府と与党、国民との風通しが悪すぎるということ。いわゆるアベノマスクでも、確かにマスクが届いて助かったと感謝している人もいるが、社会は必ずしもそうではないと。私の言いぶりに、総理もちょっとびっくりしたような表情でいらっしゃった」。

 この日、日本記者クラブで開かれた会見で、安倍総理に決断を迫った際の裏話を披露した山口代表。政府が決めた減収世帯への30万円給付の方針に批判が集まる中、所得制限を設けない形での1人当たり10万円給付を促した際のエピソードだ。実際、この2日後に安倍総理は10万円給付を表明することになる。


『ABEMA Prime』で山口代表は、安倍総理に“直談判”した経緯について、次のように説明した。

「1月下旬からインバウンドが急激に減り、観光・飲食・宿泊といった分野で生活に困る人が出てきた。そこを早く救済するにはどうしたらいいのか、ということを温めてきた。自民党も公明党も野党も、個別に一律でという主張をしてきたし、ある新聞の報道によれば、総理自身も1人10万円を希望していた。

ところが総理の指示が出た当初から、減収した家庭単位で現金給付を行う、それは30万円が限度だ、という答えが出てきた。財務省が巻き返したからだという報道もあるが、いずれにせよ緊急事態宣言、休業要請を出せば社会経済活動はストップ・シュリンクする。

国民からは不安や心配の声、批判が出てきていたし、このままでは給付の現場が混乱し、政府も支持を失う。危機感を持って変えるべきだということで、総理に話に行った」。


 一部報道によれば、山口代表は安倍総理に“連立離脱も辞さない”と迫ったとも言われている。この点について山口代表は「いやいや、連立離脱という言葉は一切使っていない。そういうことは言っていない」と苦笑する。

「ただ、気迫を持ってぶつかったし、色々なことを率直に申し上げた。心配されること、不安になることを、私なりひとつひとつ説得した。例えば、“今から変えると、5月の連休を過ぎるので、ますます遅れてしまう”という主張もあった。そうではない。

当初の予定よりは遅れるが、連休前に成立させることは可能だと、裏付けを持ってお話しした。家庭単位に30万円では、地方自治体の現場が複雑な事務に戸惑い、クレームに晒され、やりがいを失ってしまう。一律10万円なら、それよりはやりやすいともお話しした。一度決めたことだから、躊躇もあった。

だからといってやり通そうとすれば、国民の不満が増え、支持が下がる。効果も生まない。そういう腹を持って談判した。重い決断だからこそ、自民党総裁である安倍さんと、与党の代表である私という責任ある立場の者が決断しなければいけないことだった」。


 作家の乙武氏は「テレビ番組の場合、視聴者のクレームを受けたスポンサーからの圧力を受け、方針を変えざるを得なくなることがある。最近の政治を見ていると、それに近いものを感じる“この政策はおかしい”という声を公明党が政権にぶつけ、それによって軌道修正されるというパターンだ。一方で、そうした声をどこまで受け止めるべきなのだろうか」と疑問を呈した。

 山口代表は「大変難しいところだが、要求があったからといって、何でも受け入れるものではない。やはり中身の妥当性を説明できることが大切だ。“公明党に圧力をかければ、言うことを聞くだろう”と考えて要求を出してくる人もいるかもしれないが、公明党の政策作りの背後には、党員支持者という、一般の方々の声がある。そして地方議員のネットワークが全国にあり、現場に行って実情を見、生の声を聞き、交渉することができる。だからこそ、発信するときには自信を持って発信ができる」と答えた。

■「Go To キャンペーン」の前倒しは「誤った方向ではないが、事態の推移を見た上で柔軟に」


 公明党の“存在感”は、「Go To キャンペーン」事業でも。特に「Go To トラベル」事業を所管する国土交通大臣は、第二次安倍政権発足以来、公明党所属議員のポストといっていい状況だ。そこで元経産官僚の宇佐美典也氏は「この政策においては、やはり公明党が重要な存在になっているのではないだろうか」と尋ねた。

 山口代表は「熊本地震の際には、復興策の一つとして“旅割”という制度を発案し、成果を挙げた。今回もコロナが一旦収まった時の観光振興策として提案し、政府の経済対策の一つとして決められた。ただ、当初は8月になってから実施しようと準備していたのが、少し前倒しされた。

やはり学校の夏休みが短くなった結果、観光業者の家族旅行への期待が縮んでしまった。そこでこの4連休が数少ない絶好のチャンスだと、困っている方々の強い声に押され、総理も官房長官も含めて決定したのだろう」と説明する。


 他方、感染が拡大する東京について、山口代表は今月16日「東京などについてはその実施を慎重に対応するような手立てを講じていただきたいと」と言及。西村経済再生担当相は同日、「東京が目的となっている旅行については、東京都内の旅行も含めて対象外とする」と表明している。

 山口代表は11日に豪雨災害の被災地・熊本県人吉市を訪れたことに触れ、「まさに観光で生きている街が打撃を受けた。江戸時代から続く旅館の方からは、“ゴールデンウィークの時期に2カ月間の休業をしていたので厳しかった。だからGo To キャンペーンに向けて準備をしていたのに、その矢先に水害で全てダメになった。

お先真っ暗だ、助けてください”という切実な声を頂戴した。Go To キャンペーンには期待しつつも、“東京から来た人は入らないでください”と書いてある避難所もあった。お客さんには来て欲しいが、コロナは持ち込んでほしくないという不安の中で進めていこうというのが現状だろうと思う」と指摘。


「ここがコロナ対応の難しいところだ。ある程度の見通しを持って政策を決めても、状況が変化するスピードの方が速い。だからといって決めたことを変えるのに躊躇してしまえば、かえって国民の皆さんに被害を与えたり、不安を与えたりしてしまう。やはり臨機応変に対応するということがとても大切なことだ。

実際、東京では感染が拡大しているし、県外に移動した人が感染を広げてしまっている部分もある。だからこそ小池都知事は都民に不要不急の移動の自粛を呼びかけ、事業者にもガイドラインの徹底を呼びかけた。政府としても、これに矛盾するようなキャンペーンを東京で行うのは良いことではない。

それで東京離発着の除外を決めた。私もこれに先立って、慎重な対応を講じてもらいたいと申し上げたわけだ。“だからといってGo To キャンペーンを全て止めるというのは行きすぎだ”、とも話した。今後も、大阪なども含めて事態の推移を見た上で柔軟に対応していくべきだろう」とした。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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