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子どもの貧困 コロナでさらに深刻に

厚生労働省が公表した国民生活基礎調査で、2018年時点で子どもの貧困率は13.5%でした。子どもの貧困率は、全国民の所得の中間の所得額の半分以下の所得の家庭で暮らす子どもの割合を表します。

2015年の13.9%より、少し下がっていますが、2018年時点で大きな変化はありません。ひとり親の世帯の貧困率は、初めて5割を切りましたが、48.1%です。特に、母子世帯は、平均で230万円の所得しかなく、子どもがいる世帯全体の3分の1ほどでした。これは、2018年時点のもので、コロナ禍で、さらに状況が悪くなっている、と考えられます。

専門家は、「子どもの貧困の原因は社会構造にある。新型コロナに関する国の対応を見ていると、貧困リスクが子どもに跳ね返る構造が強化されかねない」と懸念しています。問題とされているのは、政府の施策の「家庭で頑張ろう」という姿勢です。唐突な全国一斉休校によって、母子家庭は低賃金や不安定な雇用条件なので、貧困が加速されるケースが多くなっています。

ひとり親支援団体の4月の調査では、所得が低く児童扶養手当を受給する家庭の7割が、休業や解雇で収入減か無収入になり、食費が増加し、食事を満足に取れない家庭もあった、ということです。給食で栄養を補っている子どもにとって、休校は状況を悪化させました。

また、教育の面でも家庭に依存する構図があり、経済協力開発機構(OECD)によると、日本は欧米先進国に比べて、公的支出割合が2.3%と、平均の4.0%を大きく下回っています。コロナ自粛中は、親が勉強をみるように、ということであったのに加え、オンライン授業ではパソコンなどの整備も家計に左右され、格差が、更にひらきました。

貧困による教育格差は、以前から指摘されてきましたが、コロナ禍で加速されました。政府は、児童扶養手当を受給するひとり親家庭などに最低5万円の一時金、児童手当の受給世帯に子ども1人当り1万円の臨時特別給付などを実施していますが、一時的な支援ではなく、もっと抜本的な支援をすべきです。

立場が弱く、声があげられない人たちへの気配りができていない国のコロナ対応が心配です。民間での子ども食堂などは増加していますが、それだけではなく、国が腰をすえて支援する必要があります。

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