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【新型コロナウイルス】反マスク運動の正体 コロナで「文化戦争」と化した英米のマスク着用論争

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イギリスに上陸した反マスク運動

[ロンドン発]新型コロナウイルスの一日あたりの新規感染者数が過去最高の26万人近くに達する中、アメリカに続き、英イングランドでもスーパーマーケットや商店内でのマスク着用の義務化に反対する反マスクの抗議活動が19日、初めて行われました。

イギリスにも上陸した反マスク運動(7月19日、筆者撮影)

ロンドンはハイド・パーク北東隅のスピーカーズ・コーナーに100人以上の反マスク派市民が集まりました。花粉症が蔓延する日本ではコロナでもマスク着用が定着しましたが、イギリスではついこの間までマスク着用は健康に悪いと信じられてきました。

欧州最大の死者4万5000人超を出したにもかかわらず、世論調査会社ユーガブ(YouGov)の世界27カ国調査ではイギリスのマスク着用率は下から数えて6番目の38%。


北欧4カ国とオーストラリアのマスク着用率がイギリスより低いのは(1)すでに感染を封じ込めている(2)マスク着用を政府が推奨しなかった(3)政府の介入より個人の自主的な責任を重んじる文化が根付いている――からです。

反マスク派団体が掲げる6つの事実とは

さて科学の故郷イギリスで、どうして、ここまでマスク着用が敬遠されてきたのか、その秘密を探ろうと反マスク派団体・市民を直撃しました。反マスク派団体はマスクを着用する前に知ってほしい6つの事実を挙げます。

(1)呼吸を困難にし、吸い込む酸素の量を減らす

(2)吐き出される病原体がマスク内に留まり、再び肺の中に吸い込まれる

(3)酸素の吸入量が減り、逆に二酸化炭素や病原体の吸入量が増えると、免疫システムが停止する

(4)免疫システムが低下した結果、体内で眠っていたレトロウイルスが活動し始め、感染リスクが高まる

(5)マスクでコロナを防ごうとするのは、金網フェンスで蚊の行き来を防ごうとするのと同じ

(6)マスク着用がコロナの感染拡大を管理・防御・除去するのに効果的かどうかについて確定的な研究は実施されていない

「マスク強制は私たちを人間扱いしていない」

ロンドン在住の女性バーテンダー(49)は筆者にこう話しました。

「マスク強制に反対するのは私たちを人間扱いしていないからです。マスクを着用すると免疫システムが低下し、マスク内に溜まったカビや細菌が肺の中に吸い込まれて私たちの健康を害します」

「アメリカで起きている反マスク運動と同じ。イギリスにはマスクを着用する文化はありません。マスク強制はコミュニケーションの自由など、私たちからさまざまな自由を奪うプロセスです」

「アメリカをもう一度偉大な国に」と刺繍されたドナルド・トランプ米大統領の選挙キャンペーン用赤色キャップをかぶったロンドン在住の英女性サリーさんは、マスク強制は共産主義とエリートたちの陰謀だとばかりにまくし立てました。

「この運動は私たち全ての希望です。共産主義はトランプ政権を倒そうと計画しています。トランプ大統領はアメリカを壊そうとするエリートたちと戦っています。米民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領を止めなければなりません」

「コロナで仕事も住まいも失った」

「恐怖ではなく、愛を広げよう」というプラカードの近くで、反マスク派団体のスローガンを掲げていた元クリエイトダイレクター、ジョアンナ・デビッドソンさん(40)はパンデミックで会社が閉鎖されたため、仕事も社宅も失ったそうです。

「あなたもマスクを外したら」と笑うジョアンナさん(左、筆者撮影)

「私たちは多くの理由から政府を信頼していません。オンライン上の多くの統計も、マスク強制が正しいとは言っていません。政府の情報は偽物です。世界保健機関(WHO)を含め多くの証拠が、マスク着用があなたや私の健康を守るとは言っていません」

「吐き出した二酸化炭素をもう一度吸い込むので健康に悪いと指摘しているのです。これは非常に危険です。こんなことは長続きしません。自由はみんなにとって、とても大切です。私たちは長い間、政府や政治指導者の既得権益のために自由を失ってきました」

「既存メディアを含め同じグループから来る情報に追従するのではなく、自分たち自身の手で調査して判断する必要があります。それは人間としての義務です。もしデータを自分で調査してマスクを着用することが公衆衛生上、正しいと判断すれば私はマスクを着けます」

「それが私たちの自由。住宅を借りると月に1500~1600ポンド(約20万2600~21万6200円)もかかるので、私の場合、実家に戻って父親と暮らすしか選択肢はありませんでした。ボリス・ジョンソン英首相は即、退陣すべきです。彼は投獄されるべきです」

英当局「マスク使用の効果を示す証拠はほとんどない」

反マスク派団体は「White Lives Matter(白人の命が問題なのだ)」と叫び、反ワクチン、反5G(第5世代移動通信システム)を唱えていました。実はイギリス政府やWHOも、つい最近まで科学的知見をもとにマスク着用に否定的な見解を示してきました。

ワクチンを支援するビル・ゲイツ氏に対する批判や反5Gのプラカードを掲げる市民(筆者撮影)

イギリス広告基準局(ASA)は今年3月、「自分を守る最良の方法の1つは、ウイルス、バクテリア、他の大気汚染物質からあなたを守れる高品質のフェイスマスクを手に入れることです」とうたった2社の広告を禁止しました。

ASAは当時、筆者に「イングランド公衆衛生局に助言を求め、結論に至った。2社は臨床現場以外でマスク使用の効果を示す証拠はほとんどないこと、マスクの長期使用は感染症の蔓延を防ぐために推奨される適切な衛生行動を低下させる恐れが高いことも理解した」と説明しました。

WHOも「発熱や咳、呼吸困難などの症状がない健康な人はマスクを着ける必要がない」「マスクが病気でない人をコロナから守るという証拠はない」と説明。「社会的距離を確保することができない時はフェイスマスクを着用すべき」と方針転換したのは6月上旬になってからです。

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