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祝日と「バカンス法」など

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 石破 茂 です。
 今週も東京や地方での講演が多い一週間です。今日はまだ水曜日なのですが、明日23日は「海の日」(本来は明治9年、明治大帝が灯台視察船「明治丸」でご巡幸先の東北地方から横浜港に帰着された7月20日)、明後日24日は「スポーツの日」(東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定だった本年に限って、本来の10月の第2月曜日から移動)、これに25日・26日の土日が続き、世の中は4連休となるようです。

 わが国の休日となる祝日は先進国中最多の16日あり、これは有給休暇を取りにくい日本の労働事情に配慮したものとされていますが、有給休暇を取りやすくする方が議論の本筋でしょう。「国民の祝日」と言いながらその日が何の記念日なのかを知る人もほとんど居らず、日章旗を掲げる家もごく僅かで、各地で行われる行事への参加も半ば義務的、日にちも移動が頻繁に行われる「祝日」とは一体何なのかと思ってしまいます。

 心身の健康を管理し、家族が団欒の数日間を共に過ごすことを可能とするためにも、欧州で広く普及している「バカンス法」的な立法が必要だと考えています。私自身、どちらかと言えば昭和型のワーカーホリック的人間で、銀行員時代、日曜日に独身寮で暇を持て余しながら「早く月曜日になって会社に行きたいな」と思っている自分に気が付いて愕然としたことがあります(終業後、午後11時ぐらいから終電まで、神田駅前の焼鳥屋さんで同僚と呑みたかっただけだったのかもしれませんが)。

昭和50年代半ば、高度成長は終わっていたもののまだ日本には明るさが満ちていて、新入行員時代の比較的単純な仕事や上司・同僚・女子行員たちと過ごす時間の楽しさに満足していたのでしょうね。

 数年前、大分県安心院(あじむ)で開催されたグリーン・ツーリズムの会で講演した際、中小企業のカリスマと呼ばれる㈱武蔵野・小山昇社長のインタビュー記事を参考にしたのですが、同社長は、課長以上の社員に9日間の連続休暇を強制的に取らせる理由として、①会社のことしか知らない「会社人間」を作らない、②家族を大切にしない社員は会社の仕事も出来ない、③「俺がいなければこの会社は成り立たない」という意識過剰なモンスター社員は他の社員もダメにする、との三点を挙げておられました。

自分のことを言われているようで耳が痛かったことをよく記憶していますが、時代の変わり目においては、長く刷り込まれてきた国民の意識を相当に意図的に変えていかなければならないのかもしれません。

 リーマン・ショック後、日本企業は賃金抑制、長時間労働、非正規雇用の増大、低金利政策、法人税引き下げなどにより、結果的に史上空前の利益を上げたことになっていますが、一方で国民の幸福度の実感は下がり続けています。結局、国民一人一人の幸福感を向上させるのが政治の役割であり、「誰かを犠牲にする社会は弱い」のではないでしょうか。

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