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“怪物”藤井聡太棋聖18歳に タモリからは「凄い!の一言」、唯一の弱点「キノコ嫌い」 藤井七段・新聞読み比べ - プチ鹿島

「藤井時代!!棋聖 17歳11カ月最年少初タイトル」(スポニチ・7月17日)

【画像】藤井七段が食べたやまがそば「みそ煮込みうどん」850円

 藤井聡太七段が史上最年少でタイトルを獲得。スポーツ紙もド派手に報じたが異色だったのはスポニチ。

「タモリ祝福 藤井棋聖 金字塔」

 裏一面にタモリ特別寄稿を掲載!

唯一ファンなのがタモリさん

 実は藤井棋聖が芸能人で唯一ファンなのがタモリさんだという。2年前の正月にスポニチで対談企画をしていた。ではタモリさんはどんな祝福をしたか。

《藤井くん、藤井さん、藤井四段からあっという間に藤井七段と、呼ばれ方もどんどん変わっていって、高校生で「藤井棋聖」。凄い!の一言です。今度お会いした時には、将棋の「玉」が玉子焼きで「歩」がカッパ巻きの“寿司将棋”をやりましょうなんて話になったけど、とてもおそれ多くてできませんよ(笑い)。》

 藤井聡太がタモリファンて、なんかわかる気も。

 さてスポーツ紙が藤井棋聖を報じる際はお約束がある。対局中の「昼食に何を食べたか」である。

「みそ煮込みうどんが勝負メシ『愛知の名物で結果残せて良かった』」(スポニチ同)とか、「今月豚料理3連発でトントン拍子3連勝」(日刊スポーツ・6月9日)というのもあった。

 藤井フィーバーがはじまった当初、昼食の出前をした蕎麦屋にマスコミが押し寄せた。あれはつまり「藤井君は凄い、でも将棋の内容は凄すぎてわからない。じゃあ何を食ったか」という“わかりやすさ”。あと「天才は何を食うのか」というシンプルなのぞき見と興味津々だろうか。ここらへんワイドショーやスポーツ紙のつくり方がみえる。

東スポの奇襲「天才藤井七段 キノコ嫌い」

 そんな報道スタイルが定着したなか、7月4日付の東スポが凄かった。

《無類の強さを見せつけた藤井七段だったが、この日、唯一の弱点を見せた。》

 一体何事か。

藤井聡太新棋聖 提供:日本将棋連盟

 読んでみるとこの日の昼食「冷やしきしめん御膳」の天ぷらの具材の「シイタケがトウモロコシに代わった」というのだ。

 東スポは勝又清和七段に取材を敢行。

《藤井七段はキノコが嫌いのようなんです。食わず嫌いで、キノコを食べたことはないが、キノコ類全般が苦手だと言っていました。料理を注文する際は必ずキノコ抜きを頼むそうです。》

 さらに「実は藤井七段は以前の対局時にもハヤシライスをマッシュルーム抜きで注文している」と追撃。

 この日の一面見出しは、

「天才藤井七段 キノコ嫌い」

 東スポの奇襲の一手である。たぶん。

“怪物”藤井棋聖は「AI世代」

 今回、「昼食」とは別に藤井報道で多いキーワードがあった。それは「AI」(人工知能)である。

 藤井棋聖の飛躍の背景にはAIを取り入れた地道な研究の積み重ねがあることは各紙で報じられている。

 日刊スポーツの短期連載のタイトルはずばり「AI時代とともに」だった。

《「怪物」とも呼ばれる17歳はAI世代でもある。平成時代の後期、将棋界に最も大きな影響を与えたのがAIの進化だった。》

《AIから得られる知識をうまく生かしながら、自らが考えて結論を出す。新時代にあった「藤井将棋」を作り上げていっている。》

 その結果、

《進化したAIをもってしても、藤井の1手を予想できない時がある。》(7月17日)

 藤井棋聖はタイトル獲得後の会見で「数年前には棋士とソフトの対局が大きな話題になりました。今は対決の時代を超えて、共存という時代に入ったのかなと思います」と述べている。まさに理想のAIとの付き合い方ではないか。

藤井棋聖はAIを超えているか、否か

 しかしそんななか「藤井AI超え」にテンション高めの新聞もあった。

 7月19日の産経新聞の一面コラム「産経抄」は過去の棋士の名言や苦悩を紹介し、

《およそ合理性のみを追う人工知能(AI)に、このセリフは言えまい。》

《盤上を流れる哀歓苦楽の時間も、AIの理解できぬ世界だろう。》

 と感無量ぽい。AIを相手に勝手にがっぷり四つを組んでいる感じだ。おじさんからすればAIにはやはり警戒感があるのだろうか。

 ちなみにその日の日経新聞の一面は「新常態『その仕事、AIで』」。

 新型コロナウイスル対策で人との接触を減らすためにも、AIで業務の自動化の機運は高まるという。産経と日経のAIネタのギャップが凄かった。

各新聞社は「棋戦」を主催

 では最後に「将棋と新聞」について。新聞社にとって将棋は優良コンテンツなのである。

 各新聞社はそれぞれ主催する「棋戦」(将棋の大会)がある。たとえば朝日と毎日は名人戦を共催、読売は竜王戦、日経は王座戦、産経は棋聖戦などなど。実はしんぶん赤旗も新人王戦を主催している。そう考えると産経が今回の棋聖戦で感無量になる理由もわかる。

 各紙は自分の主催する大会の「棋譜」(対局の記録)を載せる。将棋に興味のある人はその新聞を読む。

 3年前に私がTBSラジオ「荻上チキ Session-22」の「新聞をヨム日 イマドキの新聞の読み方」(2017年4月6日)という回に出演したときのことだ。

 憲法学者で将棋にも詳しい木村草太氏によると、昔のプロ棋士は新聞は全紙とる人もいたという。各紙の棋譜を読みたいからだ。

 でも新聞配達の人からすれば「産経も赤旗も購読していて、この人はどういう人なんだろう」。

 たまらないエピソードである。こういう話を聞くと将棋だけでなく新聞業界にとっても藤井聡太の出現は大きいことがあらためてわかる。

 というわけで今回は藤井棋聖読み比べをお届けしました。

 7月19日は藤井棋聖18歳のお誕生日でもありました。いろいろおめでとうございます。

(プチ鹿島)

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