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三浦春馬さん「自殺」でテレビ報道の”ルール違反”。日テレとテレ朝は改善。TBSとフジは変わらず!

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・フジテレビ

 …「めざましテレビ」×× 「三浦春馬さん(30)急死 自宅で…」というタイトルで字幕で強調しなかったものの、読み原稿では「おととい、自宅マンションの**の中で首をつった状態で見つかり」と、発見時の様子を詳しく報道、WHOの「自殺報道ガイドライン」を逸脱した伝え方をしていた。また部屋から見つかった手帳に「『死にたい』という自らの気持ちのほか思い悩む様子」などが書かれていたと報道した。これは自殺念慮のある人にとって、「後追い」を誘発しかねない危険な報道の仕方だ。日本テレビやテレビ朝日のように「相談窓口」を示すこともなかった。

 …「とくダネ!」×× 「おととい**の中で首をつった状態の三浦さんを発見」と字幕と原稿で、自殺の方法を明示している。これはWHOの「自殺報道ガイドライン」に違反する伝え方だと言える。ただし三浦さんの死去を伝えるコーナーの最後で「相談できる場所」として「こころの健康相談統一ダイヤル」の番号を示していた。

 …「ノンストップ!」△ 三浦さんの死去について「自殺」などの表現は避けた。しかし相談窓口の提示もしなかった。

 …「バイキング」×× 「三浦春馬さん(30)突然の死」という見出し。自殺を強調することは避けているが、「自ら命を絶ったとされる」などコメントで自殺したことを示していた。それだけでなく、7月18日以降のあらゆる報道の中で一番、「自殺の方法」について詳細に報道していた。自宅のどこの場所でどのように「首をつった」のかまでが分かるように報道していた。「後追い」などを誘発しかねず、悪質性は極めて高い報道だと言える。どのようにひどい内容なのかは番組を画像を切り取ればすぐにお分かりいただけるはずだが、「自殺防止」を防ぐことを目的にしたこの原稿がそれを再現することはできないため、想像していただくほかはない。筆者のようにテレビ番組の制作者だった人間としては、今どきこのような無神経な報道の仕方をするフジテレビのこの番組には非常に残念に思うほど、ひどい内容だった(写真)。

[画像をブログで見る]

 …「直撃LIVE グッディ!」× VTRでは「おととい自宅で亡くなっていた」と伝え、発見時の詳細については表現を避けた印象だったが、室内で見つかった手帳に「死にたい」という気持ちが記されていたと字幕とナレーションで報道した。

 自殺念慮を持つ視聴者の存在を考えると、「後追い」などを誘発しかねない報道でWHOの「自殺報道ガイドライン」の”ルール違反”と言える内容だ。「死を考えている」という言葉を大見出しにしたスポーツニッポンの紙面を映像で使うなど、配慮した末の扱いとは言えない内容だった。長いコーナーの最後で「いのちの電話」のフリーダイヤルを紹介していた。

 *「バイキング」も「グッディ!」もともに、最後に「相談窓口」について告知さえすれば、報道の中身全体では配慮を欠いてもいいとでは言うような姿勢が透けて見える。もしそうだとすればとても残念なことだ。

 …「Live News it!」× VTR中で「おととい東京・港区の自宅から病院へ搬送→死亡確認」などと字幕とナレーションで伝えた後に「室内で見つかった手帳の内容宇から自殺を図ったか」と字幕とナレーションで伝えていた。また、自宅マンションを訪れた30代の女性ファンの声を放送していた。

(女性ファンの話)

「人として命を絶つことは自分だけじゃなく周りを不幸にするのでファンの『後追い』は絶対あってはならないと思っています」

 実際にこのように発言したファンがいたとしても、テレビ放送でこの声を伝えることが「自殺報道ガイドライン」に照らして適切なのかどうかはかなり疑わしいと思う。なぜなら、見ている人間に「後追い」という選択肢があることを放送の中で特定多数の人に伝えてしまうからだ。かなり危険な報道というほかない。コーナーの最後で「いのちの電話」の電話番号を伝えていたが、同局の場合には「バイキング」「グッディ!」なども番組も含めて、形式的にルールを守ればいい、というような安直な姿勢にも感じてしまう。どういう伝え方ならば許されるのか。フジテレビは自殺防止の活動に取り組んでいる専門家に逐一助言してもらった方がいいのではないか。

 TBSは情報番組とニュース番組での扱いの差が大いに気になる。本来、ニュース番組でも情報番組であっても、同じ局として報道する以上は同じような「配慮」がされていてしかるべきだ。残念ながら同局の場合は個々の番組の独立性を重視しているのか、局として徹底されていない印象を受ける。

 以上、三浦春馬さんの衝撃の死から「最初の平日」となった20日(月)の報道について検証してみた。

 テレビ局として、ニュース番組も情報番組もほぼ同じ姿勢でWHOの「自殺報道ガイドライン」を遵守しようとするように見える日本テレビとテレビ朝日。番組によって異なる対応を見せたTBS。この日も自殺防止の観点から見れば「ひどい放送」が行われていたフジテレビなど、それぞれで対応に差が見えた。

 こういう時に、きちんと「テレビ局として同じ姿勢」を示すことができるかどうかで、テレビに対する「信頼」「信用」などにつながっていくはずだ。こうして視聴者の注目がテレビ報道に集まっている時こそ、「ルール」や「倫理」をきちんと守る配慮を見せて「テレビも配慮できるメディアなのだ」ということを自ら示してほしい。特にTBSとフジテレビの一部の番組には猛省を促したい。 

※Yahoo!ニュースからの転載

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