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Go To トラブル

  新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動をどう両立させるか、各国政府はこの困難な重要課題に頭を悩ませています。台湾、韓国、ドイツ、ニュージーランドなど、巧みな舵取りをしている国々もあります。一方、コロナ禍を軽視し経済再開を急ぎ過ぎたために、爆発的な感染拡大が続いている米国やブラジルのような失敗例もあります。

  特に、米国の感染者数と死者数は群を抜いて世界最多であり、世界中の驚異の的となっています。隣接するカナダは米国との国境を閉じたそうです。トランプ大統領は不法移民を阻むためメキシコとの国境に壁をつくることに意欲的ですが、逆に今では、メキシコ側が米国人を締め出したいのではないでしょうか。

  日本も大きな岐路に立っています。感染の確認が連日3桁となっている東京都は15日、感染レベルを4段階で最も高い「感染が拡大している」に引き上げました。本来ならばレインボーブリッジをまっ赤に染めて東京アラートがキンコンカンと鳴るはずなのですが…。

  折も折、7月22日(水)から国内観光需要喚起を目的とした「Go To トラベル」 キャンペーンが開始されます。当初は全国一斉スタートの予定でしたが、疑問や不安の声が続出。政府は方針を転換し、感染者が増えている東京都を除外して実施することになりました。

  しかし、首都東京に引っ張られる形で、千葉、埼玉、神奈川でも感染が急増しています。首都圏のみならず、全国的にも感染者は増える傾向にあります。感染の収束後に実施されるとされていた事業を、なぜ前倒しして実施するのでしょうか。東京を除くとしても、最悪のタイミングだと思います。

  このキャンペーンは当面、宿泊や日帰りの国内旅行代金の半額相当を補助する事業です。1人あたり1泊2万円を上限に、補助の7割は代金の割引、3割は旅行先で使える地域共通のクーポンで配ることになっています。予算規模は何と1兆3500億円です。

  巨額な税金を使って、新型コロナウイルスを全国に撒き散らすことになりかねません。高齢者が多く医療体制の脆弱な地方にとっては、迷惑千万でしょう。「Go To トラベル」ではなく「Go To トラブル」です。観光振興は重要な経済政策だと思いますが、コロナ禍の収束(特に東京)の目途が立ってから実施すべきではないでしょうか。

  少なくとも、血税を使って人災を起こしてはなりません。いま優先すべきは、検査体制の充実と医療供給体制の強化を図り、国民の安心を確保することです。また、豪雨被災地の復旧・復興に全力を尽くすことです。

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