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三浦春馬さん「自殺」でテレビ報道の”ガイドライン違反”が続々!

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テレビ報道はルール違反だらけ!三浦春馬さんの「自殺」のニュース

 冒頭に掲げたTBSテレビのニュースは18日に同局が初めて三浦春馬さんの死去について伝えたものだったが、「自殺報道」をめぐる見出し(ヘッドライン)の表現として極めて問題が大きい。

 三浦春馬さんの自殺そのものを伝えるにあたって「どういう方法で死亡したのか」が見出しでも強調されて示している。

 このニュースでは、三浦春馬さんが自宅マンション内の部屋のどの場所で、どういう姿で発見されたのかを「字幕」と「原稿」で伝えていた。自殺の方法が目に浮かぶぐらい詳細に伝えているのだ。

これでは「詳しく伝えすぎ」だ!

 通常はテレビ報道に限らず、新聞でもテレビでも報道の取材現場は、「できるだけ詳しく伝える」ことで競合他社としのぎを削っている。 たとえ小さな情報でも、他の社にはないディテールを自社のニュースに入れることができるかどうかで勝負している。ところが「自殺報道」に関してだけは、これをやってはいけないのだ。

 このことを理解していない報道関係者は少なくない。

 詳しく伝えすぎると、自殺を模倣する人が増えてしまうことなどの問題が海外の研究などで明らかになっている。そのためそういう詳しい伝え方をしてはいけないなど、自殺報道にあたって注意すべきことがある、ということをWHO(世界保健機関)もガイドラインを作ってメディア側に要請し、この10年あまり日本政府も自殺防止推進の観点で同じ姿勢でこれを推進している。

 厚生労働省のホームページを見てみよう。

メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き

世界保健機関(WHO)により、作成された自殺対策に関するガイドラインの中のひとつに「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」があります。

この手引きでは、メディア関係者が自殺関連報道をする際に「やるべきこと」「やってはいけないこと」などがまとめられています。

出典:厚生労働省「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」

 このうち、「やるべきこと」は以下のように記されている。

●やるべきこと

・どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること

・自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと

・日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること

・有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること

・自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること

・メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること

出典:厚生労働省「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」

 他方、「やってはいけないこと」は以下のように記されている。

●やってはいけないこと

・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと

・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと

・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと

・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと

・センセーショナルな見出しを使わないこと

・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと

出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/who_tebiki.html

 前述のTBSニュースの伝え方は、以下の2つの「やってはいけないこと」に抵触する。

・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと

・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと 

 自殺報道ガイドラインに照らすと【アウト】である。“ルール違反”とも言えるケースだ。

 TBSを含めてテレビ各社が、7月18日(土)午後に三浦さんの死を伝えた「第一報」のニュースを筆者が見たところ以下のようになった。

 「自殺報道ガイドライン」に照らして【アウト】と思われるものは「×」にし、セーフは「〇」、微妙なケースは「△」、悪質性がより高いといえるものを「××」にした。これらの評価はあくまでテレビ報道歴が30年以上に及んだ筆者の個人的な判断であることをお断りしておく。

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