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営業再開したキャバクラ店長の嘆息「嬢も客も戻ってこない…」

店舗営業を始めたが客足も嬢もなかなか戻らない

 緊急事態宣言が解除され徐々に街に人が戻ってきたのにあわせて、オンライン支店をオープンさせていたキャバクラ店も、リアル店舗の営業を再開し始めた。だが、なかなか以前のようにお客さんは戻ってこないし、そこで働くキャバクラ嬢も戻ってこない人が目立つ。ライターの森鷹久氏が、接待を伴う飲食業の文化が変わろうとしている現状をリポートする。

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 車通りはあるものの、人通りが寂しい東京・港区の「夜の街」を寂しげに見下ろす男性──

「緊急事態宣言が終わったのは良かったですけど、結局お客さんは戻りませんよ」

 こう話すのは、六本木のキャバクラ店店長・森野タロウさん(仮名・30代)。森野さんが働く店も、多くの同業他店舗と同じく3月後半からの営業自粛を経て、6月の終わり頃に営業を再開させた。ところが、営業再開直後から都内では新たに感染者が増加しはじめ「夜の街」での感染を名指しで指摘され始めると、客足は再びガクッと減った。いや……、客はいずれ戻ってくるかもしれない。森野さんの心配は、別のところにある。

「3ヶ月間仕事がなくなった女の子たちは、地方のお店に行ったりして、うちが営業再開する時に戻ってきたのは以前の半分以下。店が通常営業に戻れば、給与もこちらの方がいいし、また来てくれるかと思ってるんですけど……」(森野さん)

 肝心要の女の子の方はどうか?

 森野さんが店長をつとめる店の系列店で、この3月まで働いていたというみゆうさん(仮名・20代)は、辛辣ながらも偽りのない本音を吐露する。

「儲かんないなら行くわけないっしょ(笑)。水(商売)は理不尽なことを言われるとわかっているけど、補償も見舞金もないのに他店で働くな、戻ってこい、なんて何様って感じ。うちは地方回ったりしてたけど、友達の嬢はリモートキャバ嬢からライブチャット嬢になっちゃった」(みゆうさん)

 リモートキャバ嬢とは、「LINE」や「Zoom」「17live」などライブ配信システムを介してオンライン接客をするオンラインキャバクラで働くキャバクラ嬢のこと。

 利用者はメッセンジャーなどでお店と予約のやりとりをし、クレジットカードやQRコード決済などで料金を支払って画面越しにキャバ嬢の接客を楽しむ仕組みだ。

 3月下旬、新型コロナウイルス感染が急拡大したころ、接待を伴う飲食店で感染が多く確認されていると発表されたため臨時休業したキャバクラが、4月に次々、オンライン上にキャバクラで出店をして話題となった。

 みゆうさんの知人キャバ嬢・さやかさん(仮名・20代)の店も、4月上旬ごろに「リモートキャバクラ」システムを導入。一部メディアにも取り上げらるなど脚光を浴びたというが……。

「リモートで飲みたい客なんかいねえから(笑)。最初はボーイが仲介してラインで飲んでたりしたらしいけど、バカみたいだしダルいじゃん? で、店に内緒でラインで客とビデオ電話して直で金振り込んでもらうようになったって。でもよっぽど話が上手くないと続かないし、結局下着見せたりしてセクシー路線に走るっていう…」(みゆうさん)

 みゆうさんの友人のさやかさんは、最初は店がとりまとめるオンラインキャバクラでリモートキャバクラ嬢として仕事をしてみたものの、何か物足りなさを感じたのか、店を経由せずに個人でリモート接客をすることにした。

 ところが、オンラインとはいえ、キャバクラ店というフォーマットのおかげで成り立っていた部分もあった接客がうまくいかなくなった。それでも個人でとった客を満足させようと、オンラインでも店だったら絶対にやらないセクシーなサービスをするようになったのだ。

 それではキャバクラではなく、チャットレディではないかと彼女たち自身も自嘲をこめて、リモートキャバ嬢からチャットレディ嬢になったと言っている。

 みゆうさんの他の同業知人も、仕事にあぶれ、オンラインキャバクラを始めて見たものの続かず、セクシー路線に転換した後は、お約束の「パパ活コース」に落ち着いたという。前出のキャバクラ店店長・森野さんがいう。

「キャバクラやクラブ、ガールズバーで働いていた子たちが、簡単に儲かるのならパパ活とかセクシーチャット嬢でいいやと流れていってしまう危惧はしていました。お金だけで言えばそちらの方がいいかもしれないし楽ですから。

ただ、そういう子は一部のみで、みんなキャバクラなどの接客業が好きなのだと信じていました……。店があっても女の子はいない、となれば店は成り立ちません。店を閉めるだけでなく、キャバクラという形態が先細りしていくかもしれません」(森野さん)

 そもそもキャバクラ自体に客が戻っていないため、こうして流出する嬢に歯止めがかけられない。また一部には、一対一で接客をするより「リモート」方式の気軽さ、楽さに味をしめ、あまりよろしくない方法で金を稼ぐ元キャバ嬢たちも出始めた。

 やっと動き出したとはいえ、まだ「完全に日常が戻った」とは言い難い状況下において「接待を伴う」ような飲食店は、確かに不要といえば不要なのかもしれない。

 しかし、そこで働いている人たちもいれば「接待」は長らく日本に根付いてきた文化でもある。こうした「夜の街」文化はいま、衰退してしまうか否かの岐路に立たされいる。

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