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手越祐也はYouTubeの申し子!? プロが驚嘆する凄さと新時代の芸能活動

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手越祐也チャンネルは生き様を見せるドキュメントである

手越祐也チャンネル

手越さんのチャンネル登録者数は7月13日時点で134万人。6つの動画がアップされています。平均再生回数は、衝撃の約500万回再生。どえらい数字です。まだ始まったばかりなので変わっていってしまうかもしれないですが、誤解を恐れずにいえば、このチャンネルのおもしろさは「エンタメにしすぎていないところ」だと思っています。

芸能人の中には、YouTubeをテレビの延長上として考える人が多くいます。視聴者のニーズに合わせて、企画を練り上げていく。しかし、手越さんはそれとは一線を画します。とにかく「俺が伝えたいことは、こう。ついてきたい人はついてきて!」というスタンス。さぁ、動画のラインナップを見ながら考察していきましょう。

手越祐也チャンネルのファーストコンテンツは、ジャニーズ退所について明かした緊急記者会見でした。普通、芸能人のYouTubeは、「○○、YouTube始めます!」というような自己紹介&所信表明的な動画が多いのですが、初手に記者会見を持ってきたことでこのチャンネルのコンセプトが浮き彫りになった気がします。

手越祐也チャンネルは、手越祐也の「生き様」を見せるドキュメントチャンネルである。下手な小細工はいらない。大切なのは企画よりもメッセージ。手越さんの本音を誰にも邪魔されずに伝えるツールとしてYouTubeを利用する。そんな思いが見て取れるのです。

結果、記者会見の動画は1000万回以上再生され、他に類を見ない最高のスタートを切ると、2本目の動画は記者会見の舞台裏ドキュメント。会見前の臨場感あふれる映像は、まさに生き様を感じさせるものでした。

そして、3本目に持ってきたのが、チャンネルの方向性を決定付けるかのようなメッセージ動画。サムネイルは、HIKAKINさんをはじめとする多くのYouTuberがかつて使用した「好きなことで、生きていく」。この動画で手越さんは、カメラに向かって自分の信念を熱く訴えかけます。そのしゃべりが本当に素晴らしい。滑舌やよどみのなさとかではなく、一言一言に魂がこもっているというか。かつてのレペゼン地球・DJ社長さんの独白動画を彷彿とさせる圧巻の13分でした。

この動画こそ、手越さんとYouTubeの相性の良さが存分に出たものでした。僕は、手越さんは動画でこそ生きてくる人だと思っています。もしも彼のメッセージを文字にしてブログやTwitterで公開しても、どこか絵空事に聞こえて伝わらなかったのではないでしょうか。コロナでいろんなことが縮こまってしまっている世の中で、ジャニーズの看板を捨て、ガムシャラに突き進んでいく32歳。その痛快なキャラクターは、動画があってこそ伝わるものだと思うのです。

そして、4本目はモーニングルーティン、5本目は引越し動画。ジャニーズ時代は謎のベールに包まれていたプライベートを明かすことで、ファン以外の新規の集客を狙う巧妙な戦略です。

でも、チャンネルのブランディングは徹底しています。それが表れていたのが、引越し動画のタイトルにある『逆張りの手越』というフレーズ。ジャニーズ事務所を辞め、不安定なフリーになったのに、あえてジャニーズ時代よりも高い家賃の豪邸に住む。これぞ生き様チャンネルの真骨頂。手越祐也の新居という誰もが興味ある間口の広いコンテンツを見せつつ、コンセプトはしっかりと打ち出している。個人的には、とても良いブランディングだなと思いました。

手越祐也が仕掛ける新時代の芸能活動

さぁ、次はどんな動画を出すのかと注目していたら、手越さんは攻めの一手を打ちます。『俺と一緒にスターを目指そうぜ!』というタイトルで、まさかの楽曲オーディションの開催をぶち上げました。フリーになった手越さんが楽曲をリリースするのは簡単ではありません。作詞作曲してくれる人も、レコーディングしてくれる人も場所も、販路もプロモーションも、すべて自分たちでやらなければなりません。

そこで、手越さんがとった戦略は、「巻き込み型」の楽曲制作。手越さんの「曲を作ってくれる人がいない」という需要と、「有名になりたい」「一発当てたい」「手越さんが好きだから手伝いたい」というアーティストの供給をマッチさせる形。

メリットはいくつかあって、まずアーティスト側は受発注の雇われ仕事ではなくパートナーとして関わるのでモチベーションが非常に高いこと。まだ世に出ていない歌い手やボカロPなど、ネットを中心に活動する才能あるアーティストを発掘できる可能性があること。そして、ネット上のクリエイターたちを巻き込むことで、拡散性を高められること。

事実、すでに作曲に名乗りを上げ、YouTubeに動画を投稿している人が存在します。つまり、手越さんが動画を上げなくても、他者が勝手に拡散してくれるという効率的なシステムが組みあがったのです。この戦略も非常に良くできたものだと思います。

このプロジェクトが成功するかはわかりません。しかし、エンタメ界(特に芸能界)にとっては注目度の高いものになるでしょう。今、様々な芸能事務所から大物タレントが独立しています。芸能マネジメントとは何なのか? その答えがあやふやになっている中、あらゆる芸能活動を、事務所やテレビや音楽レーベルの力を借りずに自己完結できてしまったら… 芸能のあり方は全く違うものに様変わりします。

手越祐也チャンネルは、その闘いをリアルタイムでウォッチできるドキュメント。これからがますます楽しみです。

谷田彰吾
放送作家/TVクリエイターギルドVVQ代表/Wednesday取締役

ドキュメンタリー番組『プロ野球戦⼒外通告』『バース・デイ』『情熱⼤陸』、有吉弘⾏、乃⽊坂46、池上彰などのバラエティ番組を構成。過去に『中田敦彦のYouTube大学』アドバイザー。放送作家だけでなく広告プランナーとしてもAmazon、Nikonなどを手掛ける。Wednesdayで芸能人YouTube制作レーベル「DML」を運営。TVクリエイターギルド「VVQ」代表を兼任。

https://vvq.tokyo
https://webnesday.net
https://note.com/showgo_wednesday

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