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感染者急増に対して実行すべきこと

 7月17日の新型コロナウイルス感染者は、東京で286人、全国で623人と、緊急事態宣言解除後で最多となった。どうすれば、この状況を抑えることができるのか。

 第一は、PCR検査、抗原検査、抗体検査の徹底である。十分な検査をしないで実態が掴めるはずがない。東京で感染者が最近増えているのは、新宿や池袋の夜の繁華街で営業するナイトクラブなどで、従業員に対する検査を徹底しているからだという。無症状の若者が多く、検査をしなければ感染しているのが分からなかったはずである。

 最近北京で100人以上の感染者が出たため、当局は関係箇所の封鎖措置や毎日40万人という徹底した検査を実施している。すでに数百万人以上が検査を受けている。体制が異なるとはいえ、日本でも、それくらいの検査を迅速にできる体制を整備しなければならない。

 安倍首相は1日に2万件実施と約束したが、まで実現にはほど遠い。感染研の資料独占体制、脆弱な保健所態勢などが問題であり、早急に改善する必要がある。

 第二に、専門家会議を単に廃止し、改組するのではなく、複数のチームを作ることである。2009年、私が厚労相として新型インフルエンザの対応に当たったとき、官邸に置かれた専門家会議の提言が納得がいかなかったので、厚労大臣の私的諮問会議を設置した。現場で患者の治療に当たっていた神戸大学の岩田健太郎教授など、若手を中心としたチームBである。その貴重な提言を活かすことによって、新型インフルの早期収束に成功したのである。

 御用学者の集団では、政府に対して堂々と反論できない。大学や研究機関には、人事と予算で政府が手を突っ込むことができるからである。アメリカのファウチ博士のように、トランプ大統領にさえ苦言を呈することができるような骨のあるメンバーは、日本の専門家会議にはいなかった。

 第三は、司令塔の一元化である。国会が閉会すると、加藤厚労大臣の姿が消えた。西村経済再生相が全てを取り仕切っている。こんな国は世界にはない。保健大臣(厚労大臣)が感染症の指揮をすべきで、日本の感染症法もそういう組み立てになっている。

 厚労大臣は担当分野が広いので多忙だが、その前提で人事をすべきなのである。西村大臣のほうが国会答弁が上手いという理由で、安倍首相は二頭立てにしたが、世界の笑いものになっている。加藤大臣がよほど無能なのか。ウイルスとの戦争で、実働部隊を持つのは厚労大臣であり、西村大臣には兵隊はいない。

 第四は、医療提供体制の整備と院内感染の防止である。前者は大分改善されたが、発熱外来など最初の段階でコロナ患者をきちんと隔離する態勢が十分ではない。この改善も喫緊の課題である。

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