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外交に欠かせない長期的な視点

外交問題が、大きな政治課題として注目を集めています。特に中国との関係に関し、領土問題から大きな経済問題へと発展してしまっていることは、大変憂慮すべき状況です。現政権による外交のかじ取りが稚拙だから、北方領土や竹島問題も含めて近隣諸国が我が国に仕掛けることになってではないか、との指摘が野党や評論家の皆さんから聞こえてきます。

そうしたことはありえない!、と断言はし切れませんが、しかし、こうした課題の本質は、ここ数年の出来事によって変わったことではなく、そもそもこれら領土問題は、第二次大戦へと突入した我が国が、ポツダム宣言受諾を余儀なくされ、サンフランシスコ講和条約で再び独立を果たし今日に至るまでのプロセスで、根本的な解決をしてこなかったことが一番大きなポイントだと私は思います。解決をしてこなかったことを批判しているのではありません。解決をしてこなかったことがどういうことか、単にこれまでの政治が怠慢なのか、そうではなくて解決をしない選択をあえて取り続けて来たのか、この点をどう理解するかで、今後の領土問題に対するアプローチは大きく変わってくると思います。

外交の厄介なところは、隣国と折り合いが悪くても国土の引っ越しなど出来るはずもなく、何とかうまくやる以外にない、と言うところがあります。今回の中国国内の暴動と言えるデモを目の当たりにし、「中国から撤退すべき。工場はベトナムやインドネシアに移せばよい。新たなマーケットはインドにある。」との声も聞こえますが、他のアジア諸国へのアプローチは別問題でどんどん進めればいい話です。

現実として、年間30兆円以上も日系企業が中国国内で売り上げている中で、やはり両国にとっての国益は、平穏な関係を回復、維持し続けることです。その点では、中国当局が暴徒に対して十分な取締りをしなかったことに関し、政府は厳重な抗議を中国政府に行わなくてはなりません。国と国が主権を主張しあうことと、民間の経済活動は不可分であるでしょうが、それでも、分けて考えることができなければ、成熟した21世紀の世界関係は築けません。

わが国固有の領土である尖閣諸島の実効支配をこの先も続けることは重要なことです。一方で、全体の外交環境を整えることも重要です。現状を冷静に分析し、一番の国益である、国民生活の平穏と繁栄に向けて、行動してまいりたいと思います。

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