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  • 階猛

大差の勝利の裏側-野田総理再選

21日、民主党の代表選挙が行われました。大方の予想通り、野田総理が2位の原口元総務大臣にポイント数で5倍以上の大差を付け、再選されました。その夜、プロ野球セ・リーグでも巨人が2位の中日に11ゲームの大差を付けて優勝しました。ただ、同じ大差の勝利でもだいぶ意味が違います。

まず、プロ野球は参加チームがあらかじめ決まっていて、それぞれのチームが優勝目指して何か月もかけて準備します。しかし、今回の代表選挙は、野田総理以外の候補者がぎりぎりまで決まらず、3人の対立候補は、準備期間がほとんどないまま選挙戦に臨まざるを得ませんでした。

次に、プロ野球では約半年の長丁場で優勝が決まりますが、今回の代表選挙は10日余りの短期決戦です。しかも、野田総理の公務の都合もあり、全候補が直接対決する機会はほとんどありませんでした。野田総理以外の候補は、十分な戦いの場が与えられず不完全燃焼に終わった感は否めません。

さらに、プロ野球では、前年の優勝チームであっても次の年の優勝が保証されるわけではありません。実力が伴わなければ勝てないからです。一方、今回の代表選挙では、毎年総理が変わるのはおかしいという、実力とは関係のない理由で勝敗が左右された面もあります。

このように野田総理にとって極めて有利な状況でしたが、民主党の国会議員336人のうち野田総理以外の候補に投票したのが114人、棄権や無効票も12人に上りました。投票権を持つ党員・サポーター約33万人のうち、野田総理に投票したのは21%に留まりました。

大差で再選が決まった後の野田総理に笑顔がなかったのも印象的です。プロ野球では、セ・リーグで優勝しても、クライマックスシリーズと日本シリーズという二つの大勝負に勝たないと日本一になれません。野田総理もこれから国会と総選挙という二つの大勝負に勝つ必要があります。しかし、参議院で問責決議が可決され、衆議院でも過半数割れが近付き、国会ではいきなり苦戦を強いられそうです。

野田総理の勝者とは思えないような固い表情は、今後を案じてのことでしょう。この冷静さと想像力が半年前にあれば、消費増税をめぐって民主党が苦境に陥ることもなかったと思います。笑顔なき大勝を、民主党の結束と政党政治の再生のきっかけにしなければなりません。

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