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- 2012年09月23日 07:00
イラン原油輸出回復は本物か?
イランの原油輸出量が回復傾向とされます。その流れは本物でしょうか?
7月のEUによる制裁発動で欧州向けの輸出が完全に停止しただけでなく、欧州系保険会社によるイラン原油輸送タンカーへの海上保険引き受け停止を受けてその他の地域への輸出量も激減し、昨年までは日量200万バレルを超えていたイランの原油輸出量は7月には同100万バレルを割れたと推定されます。
しかし、ここにきて欧州保険会社に代替する手段を使ったイラン原油調達再開の動きが活発化しているといいます。
日本やインドは、国家補償による再保険代替制度を設置しています。
資源エネルギー庁の統計では7月にゼロを記録した日本のイラン原油輸入も、8月には再開しているようですね。
また、7月にイラン原油の輸入を停止した韓国も、イランが提供する保険を利用しての調達を再開しています。
■ 韓国SKエナジー、イラン産原油の輸入を再開 (ロイター)
イランによる保険は、無保険のリスクを懸念したいた買い手を呼び戻すことに、ある程度の効果を示しているようです。
■ Oil tankers are bypassing embargoes against Iran (Tehran Times)
一方、米国による金融制裁がある限り、イラン原油輸入国が調達量を大幅に回復することは無いとも予想されます。
米国はイランとの取引を行う国々の金融機関に対し制裁を行いますが、原油調達量を著しく下げるなどの条件によって制裁発動を半年間免除することになっています。今年3月に免除を受けた日本は、9月に免除期間の延長が認められています。
インドや中国などは6月に免除を受けたので、次回延長できるかどうかは12月に決定されます。
それまでにイラン原油の購入量が大きく回復していたら、免除期間延長は微妙ですね。
また、中国については、そもそもイラン原油を必要とするかどうかも疑問です。
中国は昨年日量56万バレルのイラン産油を輸入し、イラン原油の最大の買い手となっていました。
しかし、今年第1四半期には価格交渉を巡る対立から調達量は同35万バレルに激減しています。
その後第2四半期には日量52万バレルに回復していますが、7月には同46万バレルで8月は同37万バレルと再び減っています。8月の数量は前年比22%の減少です。
第3四半期に入っての減少はもちろん海上保険問題のこともあるのでしょうが、8月の中国による総原油輸入量が2010年10月以来の低水準となる日量435万バレルで、前年比12.5%のマイナスとなったことも大きく響いているのでしょう。
中国の1~8月の累計原油輸入量は1.8億トンで、前年比7.4%の増加です。しかし、中国では今年初めに第2期国家備蓄基地合わせて8,000万バレル相当の貯蔵設備が完成し、貯蔵が行われました。
備蓄量は約1,100万トンに相当し、7月までにほぼ調達が終わったとすると1~8月の実際の中国の原油需要の伸びは前年比0.7%増に過ぎなかったことになります。
これは、同じ期間の原油処理量が前年比1.6%で国内原油生産量が同0.4%減だったことに符号する数値ですね。
そして、足元の経済指標は、中国の原油需要の伸びが更に減速することを示唆しています。
中国が金融制裁のリスクを冒してまでイラン原油を調達しないといけない理由は、非常に小さくなっていると考えられます。
7月のEUによる制裁発動で欧州向けの輸出が完全に停止しただけでなく、欧州系保険会社によるイラン原油輸送タンカーへの海上保険引き受け停止を受けてその他の地域への輸出量も激減し、昨年までは日量200万バレルを超えていたイランの原油輸出量は7月には同100万バレルを割れたと推定されます。
しかし、ここにきて欧州保険会社に代替する手段を使ったイラン原油調達再開の動きが活発化しているといいます。
日本やインドは、国家補償による再保険代替制度を設置しています。
資源エネルギー庁の統計では7月にゼロを記録した日本のイラン原油輸入も、8月には再開しているようですね。
また、7月にイラン原油の輸入を停止した韓国も、イランが提供する保険を利用しての調達を再開しています。
■ 韓国SKエナジー、イラン産原油の輸入を再開 (ロイター)
イランによる保険は、無保険のリスクを懸念したいた買い手を呼び戻すことに、ある程度の効果を示しているようです。
■ Oil tankers are bypassing embargoes against Iran (Tehran Times)
一方、米国による金融制裁がある限り、イラン原油輸入国が調達量を大幅に回復することは無いとも予想されます。
米国はイランとの取引を行う国々の金融機関に対し制裁を行いますが、原油調達量を著しく下げるなどの条件によって制裁発動を半年間免除することになっています。今年3月に免除を受けた日本は、9月に免除期間の延長が認められています。
インドや中国などは6月に免除を受けたので、次回延長できるかどうかは12月に決定されます。
それまでにイラン原油の購入量が大きく回復していたら、免除期間延長は微妙ですね。
また、中国については、そもそもイラン原油を必要とするかどうかも疑問です。
中国は昨年日量56万バレルのイラン産油を輸入し、イラン原油の最大の買い手となっていました。
しかし、今年第1四半期には価格交渉を巡る対立から調達量は同35万バレルに激減しています。
その後第2四半期には日量52万バレルに回復していますが、7月には同46万バレルで8月は同37万バレルと再び減っています。8月の数量は前年比22%の減少です。
第3四半期に入っての減少はもちろん海上保険問題のこともあるのでしょうが、8月の中国による総原油輸入量が2010年10月以来の低水準となる日量435万バレルで、前年比12.5%のマイナスとなったことも大きく響いているのでしょう。
中国の1~8月の累計原油輸入量は1.8億トンで、前年比7.4%の増加です。しかし、中国では今年初めに第2期国家備蓄基地合わせて8,000万バレル相当の貯蔵設備が完成し、貯蔵が行われました。
備蓄量は約1,100万トンに相当し、7月までにほぼ調達が終わったとすると1~8月の実際の中国の原油需要の伸びは前年比0.7%増に過ぎなかったことになります。
これは、同じ期間の原油処理量が前年比1.6%で国内原油生産量が同0.4%減だったことに符号する数値ですね。
そして、足元の経済指標は、中国の原油需要の伸びが更に減速することを示唆しています。
中国が金融制裁のリスクを冒してまでイラン原油を調達しないといけない理由は、非常に小さくなっていると考えられます。



