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「緊急事態宣言のときと明らかに違う」尾身茂分科会会長が語るこれからの戦略的な感染拡大対策

共同通信社

7月15日、衆議院予算委員会の閉会中審査が行われ、参考人として出席した政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の会長・尾身茂氏が、感染者数が増加する現在の状況について「緊急事態宣言の前とは明らかに違う」と説明する場面が見られた。

東京都では7月2日に107人の陽性者が新たに確認され、5月2日以来初めて100人を上回ると、8日を除き15日まで連日100人超の新規感染者を確認している。10日には1日としては過去最多となる243人を記録し、緊急事態宣言の必要性までささやかれる事態となっている。

緊急事態宣言前と“明らかに”違う4つの点

質問に立った公明党の濱村進議員は、最近の陽性者数の増加について、緊急事態宣言を発出した時期の数字と単純に比較することが適切なのか、尾身氏に答弁を求めた。

尾身氏は「単純には比較できない」と結論を述べた上で、背景に、重症患者が少ないこと、医療体制の改善、接待を伴う飲食店を中心とした広範な検査の実施、そして感染の広がりを示すグラフのエピカーブ(エピデミックカーブ=流行曲線)が「急峻」だった4月初旬と比べて穏やかになっていることの4つの要素があると説明した。

都内の重症患者数は、4月末から5月にかけては100人前後に上ったが、7月に入ってからは5~10人で推移している。

またPCR検査の実施人数についても、4月は平均して300人程度だったのに対して、7月に入ってからは安定して2000人を超える規模となった。

こうした点を説明し、「緊急事態宣言の前とは明らかに違う」と述べて答弁を終えた。

行政のPCR検査 3つのグループに分けた体制に

共同通信社

また自由民主党の葉梨康弘議員からPCR検査の拡充について問われた尾身氏は、分科会の初会合の会見で語った、効果的に検査拡充を進めるために国民を3つのカテゴリーに分ける体制について改めて説明した。

これは有症状者を1、無症状者を2とし、さらに無症状者を感染リスク・事前確率が高い2a、リスク・確率の低い2bに分けて検査対策を構築する体制で、1・2aと2bを分ける取り扱いまではほぼコンセンサスがとれているという。

一方で2bの取り扱いをどうするか、また国民にその体制について納得できる説明をできるよう政府に分科会としての提言をする準備中であると語った。

これに対し葉梨議員は、無症状患者や、頻繁に検査を希望する国民への検査実施を行政でまかなうのは厳しいと指摘し、「経済の活性化にもなる」として民間検査の活用の必要性を訴えた。

「メリハリのついた戦略的な対策」が重要

共同通信社

7日の会見で尾身氏は、孤発例が多い、東京から地方へ戻って発覚した感染者がどこで感染したか分からないなど、まだ懸念材料があることに触れ警戒感を示していた。

一方で感染拡大防止と経済活動の両立が求められる現在は、緊急事態宣言の前と比べ「メリハリのついた戦略的な対策」が重要だと述べた。

具体的には、感染リスクの高いいわゆる「夜の街」などで集中的に検査を拡大するとともに、働いている従業員や事業者に対して「上から目線ではなく」 、共感を得て、社会全体で守る姿勢を示す必要があると説明した。

尾身氏が「おしなべてではなく、戦略的に」と表現した、これからの感染拡大対策。なぜそのような施策がとられるのか政府や分科会は説明が求められるとともに、国民の側でも背景を理解することが重要になりそうだ。

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