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本当にGoToキャンペーンやりますか? 地方の高齢者の命を犠牲にして経済活動をしますか?

頑なに推進するGoToキャンペーン

もうすぐ夏休みの時期が訪れる。

政府は落ち込んだ飲食、宿泊、観光業を盛り立てるために、いわゆる「GoToキャンペーン」という観光推進政策を実施する。

22日から始まる観光支援策「Go To トラベル」について、赤羽一嘉国土交通相は14日の閣議後会見で、参加する業者に宿泊客への検温などの感染対策を義務づけることを明らかにした。

新型コロナウイルスの感染が東京を中心に再び拡大している中で、全国一律に事業を始めることに批判があがっており、対策をとった形だ。

国交省によると、受け付けに仕切り板をつける▽宿泊客全員に検温する▽風呂や食堂などの共用施設では人数制限や時間制限をする▽ビュッフェ形式の食事は個別提供するなどの感染防止策を義務づけ、国交省が確認して宿泊業者を認める。

認定されていない施設に泊まっても、旅行補助は受けられない。17日に詳細を発表するという。

赤羽氏は「各地の感染状況を注視しつつ、感染症の専門家のご意見ご指導や、政府全体の方針なども踏まえながら柔軟に運用したい」と話した。

出典:GoTo業者に感染対策を義務づけ 検温や仕切り板設置 朝日新聞

生存のためのコロナ対策ネットワークでは、5月から相談会を開催してきたが、飲食・宿泊・観光業に従事していた方達からの相談が目立った。

休業補償がない、解雇や雇い止めに遭った、会社が倒産したという相談が新型コロナウイルス感染拡大と同時に顕著だった。

特に、非正規雇用で働く女性労働者からの相談が多いわけだが、これらの産業の雇用形態を見れば、女性労働者に依存してきた構造が見えてくる。

それゆえに、大打撃を受けている産業を盛り立てたいという気持ちも理解する。

観光客受け入れ先の地方から批判

観光客が少しでも来てくれたら、飲食、宿泊、観光業を通じて、地域経済や雇用が再生していくのではないか、という期待もあると思う。

しかしながら、以下の通り、山形県知事も複雑な心境を吐露しているように、このまま観光推進、移動を加速させてよいのだろうか。

山形県の吉村美栄子知事は14日の定例記者会見で、政府が22日に観光割引「Go To キャンペーン」を全国一律で始めることに関し「首都圏での新型コロナウイルス感染状況や各地での豪雨災害を踏まえると、この時期のスタートはいかがなものか」と批判した。

経済対策としての有効性は認めた上で「手放しでは喜べない。第2波が来つつあるとの感じも受けるので、地域の実情に合ったやり方を地方に任せてほしい」と求めた。

出典:山形知事GoTo一律開始を批判 コロナや各地で豪雨災害 共同通信

観光地周辺の高齢化率の高さが顕著で命のリスクに晒す可能性

観光推進政策をとる上で、ほとんど議論されていないことは受け入れ先の地域の高齢化率である。

首都圏や都市部に住んでいると、高齢化を意識することがない人もいるかもしれないが、日本は世界一の高齢者大国である。

ただでさえ、地方は高齢化率が高く、高齢者は新型コロナウイルスの感染により、死亡率も高いと繰り返し報じられてきた。

新型コロナウイルス 年代別感染者数・死亡率を見ても、当初より活動が活発な若年層に感染者が多いが、重傷者、死亡者は高齢者に多い。特に高齢者でも年齢が高いほど、リスクが高い。

現在は地方の高齢者に爆発的な感染拡大が起こっていないが、このキャンペーンを契機に拡大しないか、不安で仕方がない。

もちろん、都市部よりも地方の医療、保健資源は量的に少なく、感染拡大を抑止できるか、資源面からも不安が尽きない。

強調しておきたいことは、高齢者が新型コロナウイルスに感染すれば、命にかかわる問題につながるということだ。

社会福祉にかかわってきた立場として、現状の経済活動最優先の政策、このタイミングでの政策実施は看過できない。

前述の不安を吐露した山形県の高齢化率は32.9%であり、全国平均28.1%よりも5ポイントほど高い。

例えば、山形県内屈指の観光地である銀山温泉がある尾花沢市は、39.7%であり、約4割が高齢者だ(総務省2018)。

高齢化が進んでいる山形県内でもさらに高齢化が顕著な地域である。

観光関連業を通じて、周辺に感染者が拡大しないか懸念があって当然だろう。

もちろん、無症状でも新型コロナウイルスに感染している場合がある。

市中感染が今も指摘されているように、誰が感染していてもおかしくない状況である。

そして、東京都を中心に未だ感染拡大は収束していない。

このタイミングで、経済団体、業界団体の要望で、観光推進してよいのだろうか。

地方の高齢者を命の危険に晒していいのだろうか。

あと1週間、再考してほしいし、休業補償を徹底することで、移動を回避できないだろうか。

緊急時に政策を撤回することがあっても命を守ることを優先するなら批判は抑えられよう。英断に期待したい。

※Yahoo!ニュースからの転載

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