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96年の文書にあったオスプレイ配備の記述――市民団体が防衛省に提示

 森本敏防衛大臣がモロッコのオスプレイ事故調査報告を沖縄県知事に行なった八月二九日、東京・永田町では、辺野古問題に取り組む国会議員と四つの市民団体が防衛省と外務省のオスプレイ担当者を対象にヒアリングを開催。その中で市民団体側は「日本政府が持参した文書かどうか、保管されている文書と照合を」と防衛省に、ある文書を突きつけた。

 文書は一九九六年一一月二七日付で在日米軍司令部が太平洋軍総司令部など四カ所に送ったもの。一枚目には「防衛庁のタカミザワ氏から」の情報であると書かれ、(1)普天間返還に関するSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終合意案(2)説明文書案(3)オスプレイ配備について沖縄防衛施設局から沖縄県および地元住民に説明するためのQ&Aの三点がそれに続く。

 これを読めば当時、日米安全保障協議委員会が協議した時に、普天間代替施設を建設してヘリコプターの運用機能をほとんど吸収し、一部はオスプレイに交代する予定だったことが分かる。

 ところが、防衛省日米防衛協力課の原田道明・防衛部員は、文書は「米国が作ったもの」として、日本政府による文書作成を否定。「保管期限があり、全てを把握したわけではない」としながらも二度、三度とその存在を否定した。オスプレイ配備を日本政府が知ったのは米国から発表があった昨年六月、正式通知は今年の六月二九日だという。

 沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の真喜志好一さんによれば、問題の文書は米国で提訴中のジュゴン裁判で米国側が出した。「当初、米国は辺野古の基地建設は日米地位協定で日本が作るから米国は責任を持っていないと裁判の却下を主張し、日米協議の議事録を出してきた」文書の一つだという。沖縄地裁には、低空飛行をするオスプレイ配備による環境影響は大きく、その情報を隠蔽していたとして環境アセス(影響評価)のやり直し訴訟を提起している。

 タカミザワこと、高見沢将林防衛省防衛研究所所長にこの件を問うと、同研究所総務課から「一九九六年は高見沢所長は普天間にかかわっていない」とありえない回答が返ってきた。これでは米国に存在、日本に不存在の第二の外交文書問題ではないか。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、9月7日号)

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