記事

インタビュー:金融政策、ビッグデータ踏まえた判断必要に=渡辺東大教授


[東京 13日 ロイター] - 東京大学大学院経済学研究科の渡辺努教授は13日、ロイターのインタビューで、日銀の金融政策について、消費者物価指数(CPI)といった伝統的な経済指標のみならず、速報性の高いビッグデータも踏まえた政策判断が必要になるとの見方を示した。

<コロナで伝統的データ使えず>

渡辺氏は、スーパーマーケットのPOSシステムを通じて集計した日次データをもとにする「東大日次物価指数」を開発したことで知られる。渡辺氏は、感染者が急増しているブラジルを例にとりながら、「例えばCPIでは2%をずっと下回っていて、デフレになることの方が心配かもしれないが、何かのビッグデータでブラジルからの輸入品価格が急騰していると検知できれば、それは日本の食材価格が急速に上がる兆しだ」と指摘。「日銀はこのまま緩和を続けるのは危ないと考える可能性もある」と述べた。

渡辺氏は「この先ワクチンが開発・普及するまで2年くらいかかるだろうが、その間は伝統的データでは間に合わない。(伝統的なデータは)GDP(国内総生産)を含めて使い物にならないので、全面的にビッグデータに頼っていくことになるだろう」と話した。

足元では、スーパーで買いだめする動きなどからモノの値段が上がる一方、サービス価格は下落し、両者が「通常ではないくらい対照的な動きをしている」と言及。「モノを見てインフレを心配すればいいのか、サービスを見てデフレを心配すればいいのか、(金融政策の)論点になりうる」と指摘した。

日銀の金融政策運営について「(物価安定目標の)2%のターゲットそのものを変えることは考えていないだろうが、もっといろんなデータをにらみながら判断していくのだろう」と述べた。

<統計は「民営化」を>

政府・日銀の経済統計は、調査対象企業が回答用にデータを加工する手間がかかるなどの問題が指摘されてきた。新型コロナの影響で回答の回収が難しくなるケースもあり、回答率が大幅に低下した1―3月期の法人企業統計は、回答期限を延長した。

渡辺氏は、民間でビッグデータの提供や分析力のある人材が増加していることを踏まえ「統計のサービスを(政府・日銀の)専売特許にせず、ある種の民営化をした方がいいのではないか。そういう時期に来ていると思う」と述べた。民間企業に委ねた場合には、統計の正確性や継続算出の確保が重要な課題になるため「(政府・日銀は)オーバーサイト、モニターの役割に徹していくべきだ」と語った。

(木原麗花、和田崇彦 編集:石田仁志)

トピックス

ランキング

  1. 1

    靖国参拝は「韓国への迎合不要」

    深谷隆司

  2. 2

    「酷くなる」望月氏が菅政権危惧

    たかまつなな

  3. 3

    「半沢直樹」描かれる銀行の今昔

    大関暁夫

  4. 4

    半沢の元ネタ 大臣は前原誠司氏

    SmartFLASH

  5. 5

    マスクで重症化予防説 医師解説

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    菅首相は本当に叩き上げ苦労人か

    NEWSポストセブン

  7. 7

    深夜の出迎えに河野氏「ヤメレ」

    女性自身

  8. 8

    児嶋一哉 半沢俳優陣はバケもん

    マイナビニュース

  9. 9

    宗男氏 野党の新内閣批判に反論

    鈴木宗男

  10. 10

    正恩氏の動向を報道中に北で停電

    高英起

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。