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日銀、金融政策は現状維持へ 引き続き資金繰り・市場安定に重心


[東京 10日 ロイター] - 日銀は14―15日に開く金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決める見通しだ。新型コロナウイルスの感染拡大で5月にかけて景気が大きく落ち込んだものの、経済活動の再開や政府の補正予算などで年末にかけて緩やかな戻り歩調をたどるとの見方が日銀では多い。ただ、先行きの不確実性が大きい状況は続く見通しで、日銀は3月以降打ち出した一連の政策を実行することで、企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に万全を期す方針とみられる。

6月調査日銀短観では大企業・製造業の足元の業況判断DIが11年ぶりの低水準となったものの、先行きは改善見込みとなった。日銀内では、設備投資計画も底堅いとの見方が出ている。

日銀が8日に発表した6月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比6.2%増。伸び率は過去最高を更新し、政府・日銀の資金繰り支援策の効果が出ていることが示された。

日銀のコロナ対応は、資金繰り支援の特別プログラム、ドルや円の潤沢な供給、上場株式投信(ETF)などの積極購入の3本柱。日銀は政策効果を見極めながら、この3本柱で対応していくとみられる。

今回の決定会合では「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)が取りまとめられる。緊急事態宣言の1カ月延長などを踏まえ、20年度の実質国内総生産(GDP)予想は前回4月のリポート時のマイナス5.0%―マイナス3.0%から若干、下方修正される可能性がある。ただ、経済活動の再開や20年度2次補正予算などにより、年末にかけて景気が緩やかに回復するとの基本シナリオは維持されるとみられる。

前回の展望リポートでは、新型コロナの流行に伴う先行き不透明感が非常に強かったことから、各政策委員はGDPや物価の見通しを最大1%ポイントのレンジで作成し、展望リポートでは委員の見通しの中央値は示されなかった。今回は元に戻り、政策委員見通しの中央値が示される可能性がある。

9日の支店長会議後の記者会見では、景気の先行きに慎重な見方が聞かれた。大阪支店の山田泰弘支店長(理事)は「経済活動の再開で最悪期を脱したとの認識は(管内)みな持っていると思うが、下方に不確実性が高いということを同時に共通認識として持っている」とした。展望リポートでは、先行きの経済には不確実性が大きいことを強調する見通しだ。

支店長会議の冒頭、黒田東彦総裁は「当面、新型コロナウイルスの影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和措置を講じる」と改めて述べた。

4月の支店長会議では政策金利の見通しに触れなかったが、9日は政策金利について「現在の長短金利の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定している」と述べた。黒田総裁は政策金利の見通しを2%の物価目標とひもづけることはしなかった。日銀では、当面は新型コロナ対応が中心テーマとなり、物価目標に向けた政策対応への回帰はまだ先になるとの声が出ている。

(和田崇彦、木原麗花)

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