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《コロナ医療体制は大丈夫か》東京女子医大で看護師400人が退職希望「ボーナスゼロ、給料減額では最前線で働けない」悲痛告白 - 「文春オンライン」特集班

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「コロナ禍でも看護師たちは毎日出勤し、リスクに怯えながら仕事しています。ところが、私たちの病院では、病院の財政悪化を軽減するためという理由で、医療スタッフの給料も減ったのです。さらに先日、夏季ボーナスが支給されないことが発表され、看護師たちの我慢は限界を越えています。本当に悔しいです」

【画像】東京女子医大が職員に「夏のボーナスゼロ」の伝えた内部文書

 そう悲痛な思いを打ち明けるのは、東京女子医科大学病院(東京都新宿区)の内科系に勤務する入職8年目の20代女性看護師Aさんだ。


東京・新宿区にある東京女子医科大学病院 ©文藝春秋

 東京では7月9日、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高となる224人となり、感染の再拡大が懸念されている。忍び寄る第2波を前に「医療崩壊」を防ぐ方策が検討される中、同病院では「多くの看護師がすぐにでも辞めたいと口にしている」(Aさん)という異常事態が起きている。12月で創立120年となる名門大学病院で、いま何が起きているのか。

「コロナ病棟に行ってもいい人は手を挙げてほしい」

 東京女子医大病院のコロナ患者の受け入れ状況について、Aさんは次のように語る。

「当初は感染症指定病院外のためコロナ患者の受け入れは行っていませんでした。もともと経営難が指摘されていましたから、上司からも『コロナ患者を受け入れると更なる経営の圧迫が見込まれるため、病院としては断固として断るつもり』と聞いていました。ところが感染が拡大し、都からの再三の要請を受けた結果、コロナ患者を受け入れることが決まりました」

 そして、実際にコロナ患者の受け入れが始まる直前の5月上旬、A子さんがいつも通り病棟で勤務していると、上司から突然、「全員集まってほしい」と大部屋に招集された。

「そこで師長から『各部署からコロナ患者の病棟で勤務に当たる看護師を出さなければならなくなった。行ってもいいという人は手を挙げてほしい』と言われました。スタッフの表情は曇り、ほとんどの人が下を向いていました。正直、行かなくていいのであれば、誰も行きたくないですよね。即答するには時間が足りなく、その場では手を挙げる人はいませんでした。『もう一回考えてほしい』と言われ、その2日後に師長と1人ずつ面談を行い、最終的に『誰も行かないのなら、私が行きます』と申し出た看護師数名に決まりました。私も名乗り出ることが出来ませんでした」(Aさん)

 コロナ患者の受け入れが始まると、院内の勤務体制が大きく変わり、コロナ病棟に人員が割かれる分、各部署にしわ寄せが生じた。もちろんその中でも、最も負荷がかかったのはコロナ病棟の看護師だ。不慣れな防護服での仕事は負荷が大きく、小まめな休息が必要で、通常の病棟の倍以上の人員が必要となる状態だったという。

「入院する患者は必ずPCR検査を受けて、陰性を確認する規則になっています。ところが、夜間に緊急外来に訪れた患者さんが入院するとなると、すぐにPCR検査ができないので、コロナ疑いのある患者としてコロナ病棟に入院することになる。そうやって実際の感染患者の数以上に、コロナ病棟の入院患者は多くいました。

 コロナ病棟を担当した看護師は、防護服のせいで体温が上がるだけでなく、長時間呼吸をしづらい構造の医療用マスクを着用するため、体力の消耗も激しい。志願してコロナ患者の病棟へ行った看護師の中には子供や家族がいる人もいましたから、心労も大きかったようです」(病院関係者)

人手が足りない中で命じられた「一時帰休」

 そんな医療崩壊の危機と隣り合わせで激務をこなす看護師たちを待っていたのが、コロナを理由にした「減給」だった。

「私たちの病院では全看護師に特別手当や危険手当などは一切ありません。さらに、緊急事態宣言明けの6月に看護師の私たちに、上長から口頭で『一時帰休』が求められました。『月に必ず2日間とってください』と言われ、ほぼ強制的に一時帰休が6月のスケジュール表に組み込まれました。帰休中の賃金は60%に引き下げられた」

「一時帰休」とは、経営の悪化や業績低下に陥った際に会社側の指示で従業員を一時的に休ませること。東京女子医大の理事会は4月17日に職員に対して「一時帰休の実施」を通知。理由として「教職員の方々の生命身体の安全の確保を図りつつ、また他方で支出を抑え法人財政の悪化を少しでも軽減する」ため、としている。

「給与が減る問題以上におかしいと思うのは、現場はコロナ対応で人手が足りないのに休まなくてはいけなかったこと。病院側は現場のことを考えているとは思えません」(Aさん)

 そして、看護師らの苦境に追い打ちをかけたのは、例年6月に振り込まれるはずだった夏季ボーナスの全額カットだった。東京女子医大労働組合の「組合だより」には看護師らの怒りと悲痛な声が寄せられている。

《毎日毎日苦しい思いをしながら必死に働いて、コロナエリアにも駆り出されることになったにも関わらず、ボーナスは1円も支給はなしだと言われました。それに関する説明も紙切れ一枚で済まされ、ボーナス支給がないことが当然であるかのように言われ、到底納得ができません。(20代・女性・看護師)6月15日投稿》

《夏季賞与の件、コロナのことがあるので今までのような額の支給は期待していませんでしたし、それでもしょうがないと思っていましたが、まさか支給なしになるとは思いませんでした。(略)病院や患者さんのためだと思って一生懸命働いてきたつもりです。時間外労働も昨年までに比べて減るよう努力し、(略)一時帰休だって受け入れて、収入は減る一方です。なのに、この仕打ちはひどいと思いました。独身で一人暮らし・就職してからたった数年。これでは生活できないです。(20代・女性・看護師)6月16日投稿》

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