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コロナと戦う

昨年末中国で発生した新型コロナウイルス感染症は当初は単なる風邪だと多くの人が思っていたが、やがてクラスター現象が発生し、著名人が亡くなったことで、国民の間に大変だという認識が定着したと思う。

5月10日の時点で、全世界で400万人近い人が感染し、犠牲者27万人以上、致死率は7%となっている。国別では米国の感染者が130万人を超え致死率6%。フランスとイタリアの致死率がそれぞれ18・9%、13・9%と高い状況の中で、わが国は約1万5千人の感染者、犠牲者約600人、致死率3・9%となっており、数字の上では日本の対策は比較的うまくいっているという見方もあるが、一方でPCR検査をあまりやっていないではないかという批判もある。また、中国は感染者約8万人、致死率5・6%で収束しつつあるほか、韓国は致死率2・4%と日本よりも低い状況である。

さて、わが国においては、4月7日に緊急事態宣言を全国に発令し、外出の自粛をはじめとする「3密」の防止、ソーシャルディスタンスの確保などの方針を出したが、1か月経っても安心できる状況ではない。新型コロナウイルスによって世界の経済活動は大きく抑えられており、どう対処すれば良いかという問題はわが国のみならず、世界各国の最も悩ましい問題である。


新型コロナウイルス感染症はいったん収束してもまた発生するであろうと言われており、全人口の6割から7割の人に抗体ができて初めて完全に沈静化するであろうと言われている。

新型コロナウイルスへの対策は、検査キットの開発、さらに治療薬の開発、そして再発を防止するためのワクチンの開発。この3段階の対応が必要である。検査キットについては当初は判定に5〜6時間かかっていたが、現段階では1時間あるいは1時間を切る程度で判定できるものがいくつか発明された。また、ドライブスルー等による簡便な方法も実証されてきている。

治療薬については、日本が発明した「アビガン」という薬があるが、中国がこの薬を使うことによって新型コロナウイルス感染症を抑え込んだと言われている。「アビガン」はもともとインフルエンザに対する薬として発明されたもので、副作用が心配されていたが、その後の研究により使用しても問題ないということで、アメリカでも「アビガン」の使用許可が出た。わが国も「アビガン」の増産に向けて力を入れており、先日39か国に「アビガン」の提供を決断したところである。

一方「アビガン」は発症初期の段階においては比較的有効だということだが、重症化した場合についてはさらに実験をする必要があるとのことだ。そこで、アメリカでは「レムデシビル」という薬が一般に使われるようになるという発表があった。わが国においても、急ぎ「レムデシビル」の使用許可の手続きを取った。この薬は重症患者に効くと言われているがさまざまな条件があり、全ての症状が改善するわけではないということだ。有効な治療薬の開発は困難だが、疫学分野でさまざまな実績を残している日本の医学会において、ぜひ1日も早く有効な治療薬を見つけていただくよう、政府としても全力をかけて促進しているところである。


ワクチンの開発については、抗体を持っている人が全人口の6割から7割を占めることになれば再び発生することないと言われているため、抗体を持たせるためのワクチンの開発が絶対に必要である。

これら3段階の対策については、わが国が世界に先駆けて開発したいところである。内閣府の健康医療対策室が実験を含めて健康医療に関するあらゆる対策について戦略的に進めている。関係各方面の協力を得て、ぜひ成果を出したい。

さて、我々は巣ごもりを強いられる生活を1か月以上経験した。その間、例えば飲食店・ホテル・イベントなどの業種への影響は甚大で、その他の業種でもリモートワークなどで何とか息をつないでいる状況で、航空会社においてはそもそも外国便を飛ばすことができないなど、企業の経営は困難を極めている。


経済の再生に向けて、まず落ち込んだ景気をどう回復させるかという意味おいては、全ての国民への10万円の交付、そして中小企業および大企業に対する政府の助成を徹底的にやることにしている。

こうした中、これまでのように社会的機能を東京に一極集中する社会のあり方は反省しなければならない。「デジタル遷都」という言葉もあるが、再びこのような疫病が蔓延することのないように、デジタルを有効に活用することによって、分散しつつも集中機能を発揮させるような社会構造をこれから創っていきたいと思う。

人類にとっては、1世紀前のスペイン風邪との戦いや、最近ではSARSやMERSとの戦いがあった。SARSやMERSはわが国ではあまり蔓延しなかったが、これらの感染症に苦しめられた台湾や韓国はその時の経験をもとに感染症への対策を徹底し、おかげで致死率が低く抑えられていると言われている。

いずれにせよ、皆が知恵を絞って現代社会における感染症への対策を徹底し、感染症にかからない社会、そしてその社会の中で幸せを感じられる仕組みをどう作るかということが大きな課題だろう。デジタル社会の形成とは単純に社会を便利にするということではなく、そもそも人間が幸せに安心して暮らすために、ITでどのように社会を変えていけるかがいま問われている。

令和2年5月

衆議院議員 竹本 直一

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