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アメリカ政府がTikTokなどの使用禁止を検討…中国ではIT系企業のデータも政府のもの?


 累計ダウンロード数が20億を超えたともいわれる人気アプリ・TikTokについて、アメリカが「安全保障上の懸念」を理由に使用を禁止することを検討していると報じられた。

 ポンペオ国務長官は「アプリを使うことで中国政府に利用者の個人情報やデータが渡る恐れがある」としており、TikTokも含めた中国企業製のアプリの使用禁止の検討を発表。米FOXニュースに出演し「人々に中国製アプリのダウンロードを勧めるか」と尋ねられると「中国共産党に個人情報を渡したい人にはお勧めだ」とも述べている。

 アメリカでは去年11月、学生らが「動画を撮影し投稿する間にTikTokが個人情報を中国の2つのサーバーに転送」と主張、運営会社のByteDanceを相手取り集団訴訟を起こしている。


 同様の流れは他国でも。新型コロナウイルスの発生源調査をめぐって中国と対立しているオーストラリアは、TikTokが中国政府とユーザーの情報を共有している可能性があるとして禁止を検討。EUでも、個人情報保護の面から懸念の声が上がり、調査を始めている。

 また、インドは先月29日、TikTokを含む59種類のアプリの使用禁止を発表。その大半が中国製か中国企業のアプリだった。人口13億人を抱える大市場でもあるインドは北部・カシミール地方で領有権を争っている中国軍と衝突。インド国内で中国に反発する動きが高まっている。

 翻って日本では「東京都:小池都知事が行っていた『新型コロナ定例会見』などのライブ配信」「神奈川県:SDGs推進などを伝える動画を制作」「埼玉県:来年の『埼玉誕生150周年』を含む広報業務」「神戸市:神戸にゆかりのクリエイターが動画を投稿」などTikTokと提携する自治体もある。

 これに対しByteDance側は「中国政府とは距離を置いている」としており、今月6日には反政府活動を制限できる国家安全維持法が施行された香港市場からの撤退も決定。さらに日本法人も『ABEMA Prime』の取材に対し「アメリカ人のCEOが率いており、安全、セキュリティ、製品、公共政策の各分野の主要なリーダーがアメリカで活躍している。中国政府にユーザーデータを提供したことはない。要請されたとしてもそうするつもりはない」と回答している。


 国際ジャーナリストの山田敏弘氏は「中国が情報を盗む典型的なパターンは、その人の電話帳の中にある家族や友達、その友達の兄弟などのEメールやスマホを乗っとり、近づいてくる。例えば電話帳の中に国家機密にアクセスできるような人の家族の連絡先が入っているかもしれない。そういう部分で警戒されている」と話す。

 慶應大学特別招聘教授の夏野剛氏は「中国政府は国内の企業のデータは全て国のものであるという考え方でやっている。怖いのは、TikTokのサーバーにあるデータがすでに中国政府と共有されていた場合だ。例えば国家の重要人物の娘のTikTokから、どういう交友関係があるのか、といったことの調べもついてしまうということだ。そこから攻めていくということは十分に考えられる。位置情報が抜かれていれば、例えば自衛隊の人たちがTikTokから、兵力がどこに分散しているのか分かってしまうということも考えられる」と説明する。


 「僕は北京にあるByteDanceの本社に行ったことがあるが、中国ではどのIT系企業にも政府関係者と会談するための部屋が用意されている。やはり共産主義国家ではり我々が考えている政府と企業の関係性とは全く違う世界があるということだ。成功した企業の社長などが自動的に中国共産党の役職に就くということもある。そういう中で、数多くの企業がアメリカのナスダック市場に上場しているわけで、ポンペオ国務長官としては、アメリカでビジネスをするならアメリカのルールに従えと言いたいわけだ。 GoogleやFacebookも同じような情報を持ってはいるが、アメリカの会社は、定められた用途以外に使わないし、ばれれば巨額な損害賠償請求も来る。でも中国としては、“CIAだって同じことをやっているのではないか”ということだろうし、中国の方がどんどん大きくなっている今、どちらが正解なのか、どちらが本来あるべき姿なのかが分からなくなってきている」。

 パックンは「夏野さんがおっしゃった通り、アメリカのCIAやNSAも同じようなことをしている。大規模にEメールを監視していた時期もあるし、そのことをエドワード・スノーデンが暴露して、まだ10年も経っていない。また、ケンブリッジ・アナリティカという会社がFacebookの情報を盗んで大統領選挙に介入していたという疑惑も出ている。アメリカ政府も個人情報を握って何をしでかすかわからないという意味では同じく怖い」とコメントしていた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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