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悪化を続ける景気動向指数もそろそろ底を打つか?

本日、内閣府から5月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月から▲1.6ポイント上昇して79.3を示した一方で、CI一致指数も前月から▲5.5ポイント下降して74.6を、それぞれ記録しています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、10か月連続で「悪化」で据え置かれています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の景気動向指数、一致指数は10年10カ月ぶり低水準

内閣府が7日発表した5月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比5.5ポイント低下の74.6と4カ月連続で低下した。新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛や企業活動の停滞などを背景に、指数の水準は09年7月(74.2)以来10年10カ月ぶりの低さだった。

一致指数を構成する9系列中、速報段階で算出対象となる7系列のすべてが指数を押し下げた。新型コロナによる雇用環境の悪化を受けた有効求人倍率(除学卒)の影響が最も大きく、生産調整などが響いた鉱工業用生産財出荷指数が続いた。

一致指数の動きから機械的に求める景気動向指数の基調判断は、10カ月連続で「悪化」となった。基調判断が10カ月連続で「悪化」となるのは、08年6月からの11カ月連続以来の長さだ。

数カ月後の景気を示す先行指数は前月比1.6ポイント上昇の79.3と、3カ月ぶりに上昇に転じた。経済活動再開を受けた景況感持ち直しへの期待感から消費者態度指数が改善したほか、東証株価指数の上昇などが寄与した。もっとも、内外需の低迷や新型コロナの「第2波」などへの懸念はくすぶり、水準は依然として低い。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は前月比3.8ポイント低下の94.0と5カ月連続の低下だった。

CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しているんですが、直近の2018年10月を景気の山として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に景気後退局面入りを認定しています、というか、もしそうであれば、という仮定で影をつけています。


ということで、景気の落ち込みは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響によるものであることは明らかです。すなわち、景気動向指数のうちのCI一致指数を前月との差で見ると、2月こそ▲0.6ポイントで済んだものの、3月には▲4.9ポイントの下降、4月は過去最大の▲8.7ポイントの下降、そして、直近の5月には▲5.5ポイントの下降となりました。

まず、一致指数を詳しく見ると、引用した記事にもある通り、有効求人倍率(除学卒)のマイナス寄与がもっともお菊、次いで、 鉱工業用生産財出荷指数、さらに、生産指数(鉱工業)の順となります。速報段階で利用可能な7系列はすべてマイナスを記録しています。他方で、CI先行指数は5月は上昇に転じています。

消費者態度指数のほか、新規求人数(除学卒)やマネーストック(M2)(前年同月比)のプラス寄与が大きくなっています。先月末に公表された鉱工業生産指数(IIP)を取り上げた際にも、6月の製造工業生産予測指数がプラスを示していることから、ひょっとしたら、5月がCOVID-19による景気後退の底かもしれない、と示唆しましたが、同じことは景気動向指数のCI先行指数からも見て取れます。

ただし、5月単月でわずかな上昇ですから、まだ、3か月後方移動平均すらプラスにはなっていません。何度も繰り返しになりますが、この4~6月期が景気の底になる確率はかなりある一方で、その先の景気回復は極めて緩やかなものとなる確率はそれ以上に高いのかもしれません。


最後に、本日、厚生労働省から5月の毎月勤労統計が公表されています。従来からのサンプル・バイアスとともに、調査上の不手際もあって、統計としては大いに信頼性を損ね、このブログでも長らくパスしていたんですが、そろそろ、先月あたりから取り上げてみようかと考えてグラフを書いています。

統計のヘッドラインとなる名目の現金給与総額は季節調整していない原数値の前年同月比で▲2.1%減少の26万9341円となっています。実質賃金も同じく前年同月比▲2.1%の減少です。COVID-19の影響で残業が大幅に減少したため、所定外給与が名目で▲25.8%の減少を示しています。景気動向指数のトピックに隠れて、こっそりと持ち出しておきたいと思います。

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