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役員に給与補填、辞めても執務室・秘書・送迎車……関西電力、問題の元凶は“内向きの企業体質” - 「週刊文春」編集部

 役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受領していたことが昨年9月に明らかとなった関西電力。問題発覚後初となる株主総会が6月25日に行われた。

 冒頭、森本孝社長が謝罪し、頭を下げたが、株主からは厳しい批判が相次いだ。


関西電力の森本孝社長 ©共同通信社

「コロナ禍のため株主には出席自粛を促し、出席者は昨年の6割減の328人。さらに株主による議案説明も例年は1議案3分のところ、今回は1分に短縮された。時間を超えると森本氏が遮る場面もあり、『会社をよくしようと提案しているのに』と株主の声を聞こうとしない姿勢に不満が漏れていた」(経済部記者)

 総会を前に、関電側は八木誠前会長ら元役員5人に計約19億3600万円の損害賠償訴訟を提起。過去と決別し、再出発を期したかにみえたが、期待は大きく裏切られることになった。

 関電が設置した第三者委員会は3月、元助役が関電元役員ら75名に計約3億6000万円相当の金品を渡していた実態を調査報告書に纏めた。そこで問題の元凶と指摘されたのが、関電の公益事業者とは思えない、“内向きの企業体質”だ。

「関電は東日本大震災後、電気料金の値上げに際して“身を切る改革”を標榜。役員報酬の大幅カットを表明し、社員にも給与の削減や賞与の支給見送りを強いていました。ところが、役員にだけは退任後にこっそりと補填がなされていたのです。その数は18人、総額で約2億6000万円にのぼります」(関電関係者)

引責辞任した前相談役が補填を指示

 補填を指示したのは金品授受問題で3月に引責辞任した森詳介前相談役。森氏には辞任後も、社用車と執務室が与えられていたことも明らかになった。

「現在の関電で最も影響力を持つ実力者が森氏です。送電線などを扱う工務畑出身で、社長から会長になった2010年以降の社長人事を掌握してきました。電力会社では顧問や相談役に退いても執務室、秘書、送迎車の3点セットが常識ですが、関電は特に甘く、難聴で退任したはずの社長が、長く顧問料を貰っていたケースもあった」(関電OB)

 関電の企業体質のルーツとも言える存在が、今年2月に97歳で亡くなった小林庄一郎元会長だ。

「彼は関電“中興の祖”と呼ばれた芦原義重名誉会長の経営私物化に異を唱え、1987年に解任クーデターを主導。清廉な印象があるが、その後は芦原氏らに接触する幹部の動向を報告させて恐怖政治を敷き、20年、経営を指揮した。退職時には関電本体と子会社とを併せて巨額の退職慰労金を手にしました」(同前)

 件の森氏を幹部に引き上げたのも小林氏だったという。負の連鎖を断ち切らない限り、関電に明日はない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月9日号)

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