- 2020年07月06日 21:03 (配信日時 07月06日 17:15)
サッポロビールの「あり得ない新商品」がオンライン飲み会を機に売れたワケ
1/2サッポロビールでは、緊急事態宣言が出された1週間後に、消費者とのオンライン飲み会を実施。約100人が参加した。ユーザー参加型のオンライン商品開発には、社長自らも参加。そこまでユーザーのコミュニティを重要視する理由とは――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Business)
緊急事態宣言後、すぐにオンライン飲み会を開催
新型コロナウイルスの影響で、今春はテレワークを導入する企業が急増。皆さんの中にも、ZoomやSkypeなどの「Web会議システム」、通称「オンライン会議」を初めて体験した人が多かったのではないでしょうか。
ある調査によると、Web会議システムの利用率は、昨年(2019年)12月末の段階では44%と半数以下だったのに対し、今年4月末には63%に拡大。わずか4カ月で、利用率は2割も上昇しました(20年5月「MM総研」調べ)。
これと呼応するように、自宅からアルコール飲料を片手に参加する、いわゆる「オンライン飲み会」も急増したと言われています。
そんな中、政府による緊急事態宣言の発令(4月7日)からわずか約1週間後に、早々と消費者への「オンライン飲み会」を仕掛けたのが、サッポロビール。同社はなぜ、それほど素早く「オンライン」を提案できたのでしょう?
サッポロビールが、初めてユーザーとの「オンライン飲み会」を実施したのは、4月16日。使用したシステムは、ZoomやSkypeではなく、Remo社が提供する「Remo Conference(通称・リモ)」でした。
「オンライン飲み会の開催にあたって、弊社のメールマガジン読者のほか、グルメアプリ「KitchHike(キッチハイク)」に登録する男女などに対し、事前に参加募集を告知。参加決定した方々に、リモのURLをお送りしました」と同・新規事業開拓室の土代裕也さん。
キッチハイクは、おもに「食べ歩き」を趣味にする人たちが好んで利用するアプリ。7年前に設立されたスタートアップ企業で、社員はわずか十数人ですが、今年1月の段階でユーザー数が10万人を突破するなど、若い世代を中心に人気を呼んでいます。
最大の特徴は、食の創り手と食べ手がつながれるイベントが、多数開催されていること。飲食店やシェアキッチン、イベント会場などに食に興味のあるユーザーが集まり、「同じ釜の飯」を共に楽しめるという、画期的なシステムです。
見たこともないユニークな商品を開発したい
2年前(2018年)の1月、このアプリの存在を知り、「面白い!」とひらめいたのが、先の土代さん。さっそく、キッチハイクの共同代表・山本雅也さんに面談を申し込み、「一緒に、ワクワクするような消費者コミュニティを創りませんか?」と声をかけました。
「これまでのビール開発を振り返ると、ほとんどが「創る(造る)人」と「飲む人」「売る人」の三者が、分離している状態だった。でもこれからはその垣根をなくし、プロではない一般のユーザー(飲む人)が開発に関わることで、見たこともないユニークな商品が生まれると思ったのです」
そう、土代さんが目指したのは、創る人と飲む人、売る人が三位一体となり、斬新なアイデアや商品を「共創」できるコミュニティ。そこから極小ロットでビール(試作品)を造れるようなプロジェクトとして、その年(2018年)の秋にキッチハイクと立ち上げたのが「HOPPIN’GARAGE」でした。
1年半の間に寄せられた新ビールのアイデアは400以上
4月に開催された「オンライン飲み会」の実現も、HOPPIN’GARAGEのようなコミュニティが既にあったからこそ。「実は、当初予定していたリアルの飲み会を、(新型コロナの影響で)急きょオンラインに切り替えたのです」(土代さん)。
4月に開催されたオンライン飲み会。画像提供=サッポロビール立ち上げから約1年半の間に、HOPPIN’GARAGEが開催したイベントは、480件超にも達していました。参加者はのべ5000人、新たなビールのアイデアも400以上集まっていたと言います。
4月のオンライン飲み会当日、飲み会専用のリモの前には、一般の男女約100人が集結。
そしてなんと、「あの著名人」までもが、飛び入り参加したというのです。
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